副司令の戦争
ー 副司令の戦争 ー
― 宙帝大艦隊旗艦・司令室
艦隊司令ローズはモニターを見つめていた。
映し出されるのはアルタイル地上戦、
軍神彦星と神帝タカヤ、神帝メイン。
「まさかな……」
ローズはため息を吐く。
「前線に神帝がいるとは考えてもいなかった。」
参謀達も険しい顔をしていた。
「今のところノアに動く気配はありません。」
「ならば先に地上を…」
その時だった。
バンッ!!司令室の扉が開く。
管制官が飛び込んできた。
「失礼します!ローズ司令!!」
「どうした。」
「ノアです!」
「何?」
「ノアの全主砲がこちらを向いています!!」
司令室の空気が凍る。
「……なんだと?」
即座にモニターが切り替わる。
そこには宇宙空母ノア。
その巨大な艦体から次々と砲塔が展開されていた。
「ロックオンを確認!」
「敵火器管制システム作動!」
「司令!狙われています!」
ローズが立ち上がる。
「回避行動を取れ!」
「了解!」
艦隊全体へ命令が飛ぶ。
― 宇宙空母ノア・艦橋
「最終確認完了。」
「敵旗艦ロックオン完了。全砲塔、射撃可能。」
オペレーター達の声が響く。
ミツルギ砲雷長が司令席へ向かう。
「チョウカ司令代理。」
「ん?」
「準備完了です。いつでも撃てます。」
チョウカ・ナツキは椅子をくるりと回した。
「よし。」
チョウカはニヤリと笑う。
「ゴー。任せたよ、ミツルギさん。」
「了解。」
ミツルギは通信機を手に取る。
「全砲塔部隊に告ぐ。敵旗艦へ集中砲撃。
全ミサイル部隊は随伴艦を狙え。
魚雷運用部隊は待機。ショータイムだ。」
次の瞬間。
ドォォォォォォォン!!
ノアの主砲群が一斉に火を吹く。
アルタイルセンターポート上空を白い閃光が走った。
続いて無数のミサイルが発射される。
まるで流星群…数百発規模の弾幕だった。
「第一射、第二射共に命中!」
「敵巡洋艦一隻爆沈!」
オペレーター達が叫ぶ。
チョウカは立ち上がった。
両手を広げる。
「ハハハハハ!!素晴らしい!」
艦橋に笑い声が響く。
「やっぱり戦争はこうでなくちゃ!!」
その様子を後方で見ていたアイズとモック。
二人は苦笑していた。
「さすがタカヤの従妹だ…」
アイズが呟く。
「何か違う。」
モックも頷く。
「統合司令がチョウカちゃんならダヴィンチはとっくに死んでるかもね。」
「かもしれんな。」
アイズは遠い目をした。
「ただな…やり方が雑だ。」
モックが吹き出す。
「それはそう。」
「人望はあるからな…今のまま副司令ぐらいが丁度いい。」
「完全同意。」
二人は真顔で頷いた。
― 宙帝大艦隊
「被弾!!」
「右舷巡洋艦沈没!戦艦二隻中破!」
「ミサイル迎撃追いつきません!」
司令室は大混乱だった。
ローズが怒鳴る。
「反撃しろ!!」
「撃っています!撃っていますが…」
その瞬間。
ドゴォォォン!!
旗艦後部で爆発。
司令室が激しく揺れる。
「司令!主機関被弾!第三推進器喪失!」
ローズは歯を食いしばった。
「なんだ!なんなんだ!この火力は…!」
モニターには次々と放たれるミサイル
「ただの空母じゃない…化け物か…」
冷や汗が流れる。
― ノア艦橋
「敵旗艦大破確認!随伴艦七隻撃沈!」
「敵艦隊後退を開始しました!」
歓声が上がるがチョウカは不満そうだった。
「んー。」
ミツルギが振り向く。
「どうしました?」
「今からがクライマックスじゃん…」
艦橋全員が苦笑する。
「逃がさないよ…」
チョウカはモニターを見つめる。
燃えながら逃げていく宙帝艦隊。
「司令代理、無駄な追撃はヒメナ様に叱られますよ…」
「あ…それはやだなぁ…まぁいいか!」
そして満面の笑みで言った。
「次来た時は全部沈めよう!」
アイズとモックは顔を見合わせる。
「やっぱり怖いよね。ミュージアムで会う副司令とは人格が違う…」
「あぁ。」
二人は完全に同意していた。
その頃アルタイル最前線では
軍神彦星、神帝タカヤ、神帝メインが宙帝陸軍へ突撃を開始していた。
圧倒的な戦力差を感じさせない…神達の戦闘…
アルタイル防衛戦は次の段階へと進み始めた。
(続)
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公開情報
・ミツルギ・ゲンジ 三十八歳 男性 from地球
ノア砲雷科統括責任者 中佐




