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ノア・アーク ― 神々と人が生きる方舟 ―  作者: ヤノチャン
十四章 ボイジャー航路

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美しい惑星


ー 美しい惑星 ー


― 艦橋


「艦長…見えました…あの星がアルタイルです。」


観測員の報告に艦橋の視線が一斉に前方モニターへ向く。


そこには青白く輝く巨大な星が映っていた。


周囲には無数の人工衛星と軌道要塞。


そして戦争による光…

だがそれらを含めてもなお美しかった。


オダイ艦長は思わず立ち上がる。


「小さい頃からアルタイルは恒星だと教えられてきた…まさか本当に惑星だったとは……」


誰も口を挟まない。


オダイはただ星を見つめる。


「美しい…」


その言葉に艦橋の誰もが頷いた。


ヒメナも腕を組みながら呟く。


「やっぱり実際に見てみないとね…」


窓の外を見つめる。


「教科書や図鑑だけが真実ではない…か…」


カシャ…


静寂を破ったのはシャッター音だった。


艦橋後方でノア公認記録員ミナト・ローウェルは夢中でカメラを構えていた。


「なんて美しい…!」


ファインダー越しのアルタイルは息を呑むほど綺麗だった。どうやら今日だけで百枚は撮っているらしい。


「また撮ってる……」


タカヤが苦笑する。


「仕事ですから!」


ミナトは即答した。


「歴史的瞬間ですよ!」


その時だった。


ピピピピピ――!!


艦橋に警報が鳴り響き空気が一変した。


観測員が叫ぶ。


「警戒範囲外の宙帝艦が長距離ミサイルを発射!」


モニターが赤く染まる。


「百二十秒後に着弾予測!」


「デコイを出します!」


アーサーが即答する。


「デコイ許可!急げ!」


「了解!」


管制員がボタンを押す。


ノア各所から大量のデコイが射出された。


宇宙空間へ広がる無数のデコイ…


数秒後に宙帝ミサイル群が反応する。


「敵ミサイル進路変更!」


「デコイへ誘導成功!」


モニター上で赤い光点が次々と逸れていく。


「敵ミサイル無力化!」


艦橋から小さな安堵の声が漏れる。


通信士が振り返る。


「こちらミサイル部隊!」


「発射許可を待つ!」


アーサーがモニターを見る。


「敵艦の位置は?」


「宙帝艦三隻確認。ロックオン完了いつでも発射可能。」


アーサーは頷く。


「ハハ、相変わらず早いね!….じゃ、撃て。」


「了解。」


ノア艦内、ミサイル発射管が開く。


ゴォォォッ!!


三発の対艦ミサイルが宇宙へ飛び出した。


一直線に敵艦隊へ向かう。


「敵迎撃開始!」


宙帝艦から迎撃弾幕が放たれる。


一発、二発共に撃墜。


三発目は突破。


「命中。」


宙帝艦の中央部が吹き飛ぶ。


「敵仮称一番艦炎上!」


艦橋が少し沸く。


だが戦闘は続いた。


双方が次々とミサイルを発射する。


数分後ノア側が切り札を投入する。


「神速ミサイル発射準備完了。」


アーサーが笑う。


「ハハ!え?使うの?」


「はい!」


三発のミサイルは宇宙を裂くように飛翔する。


宙帝艦側が迎撃を試みるが間に合わない。


連続爆発。


宙帝艦三隻が光に包まれる。


やがて残ったのは無数の破片だけだった。


観測員が報告する。


「宙帝艦三隻撃沈を確認。」


艦橋の緊張が解ける。


アーサーはポケットから煙草を取り出した。


「結構数使ったね……」


火を付けながら呟く。


「ミサイル在庫管理しっかりね。」


「司令!!」


管制員が叫んだ。


「艦橋は禁煙ですよ!!」


全員の視線が集まる。


アーサーは固まった。


「あ…悪い。」


そそくさと煙草を消す。


「じゃ、行ってくる。」


逃げるように艦橋を後にした。


数秒後艦橋中に笑いが広がる。


ヒメナはため息を吐いた。


「ほんまにあの人は…」


だがその目は前方を見ている。


「じゃ…お邪魔しようか…アルタイルに!」


(続)




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