八代目軍神彦星
ー 八代目軍神彦星 ー
― 宇宙空母ノア・艦橋
艦橋には珍しく重い空気が流れていた。
「ちなみに…それは本当の話…やんな?」
ヒメナが額を押さえながら聞く。
周囲の幹部達も半ば呆れたような表情だった。
「はい。本当ですよ。嘘を付く理由もありませんし。」
「はぁ…」
艦長オダイが大きなため息を吐いた。
「アンドロメダって…宙帝の本部は天の川銀河にあるもんやと思ってたわ……」
コーヒーを一口飲む。
「普通そう思うやろ…」
アーサーも頭を抱える。
「宇宙広すぎやろ…俺達の視界が狭かっただけ…かな?」
副艦長ヤマト・ミワは資料を閉じ話し始めた。
「まぁ宇宙の平和の為ならば…」
全員が彼女を見る。
「それが我々の使命なのであれば、いつか行く事になるでしょう…でも今は違う。
ダヴィンチ討伐が最優先です。」
その言葉に全員が頷く。
ヒメナは椅子にもたれた。
「で…アルタイル言ったか?」
イザナを見る。
「とりあえずそこを目指せと?」
「はい。」
イザナはモニターへ星図を映した。
「このまま広大な宇宙を漂いながら敵を探すのは効率が悪い。」
星図上に一つの恒星系が浮かび上がる。
アルタイル。
「アルタイルは反宙帝勢力の中心惑星の一つです。」
幹部達が真剣に聞いている。
「現在も宙帝との戦争を継続中。」
「敵が同じ…か。」
アイズが呟く。
「はい。少なくとも最初から敵として扱われる可能性は低いでしょう。」
タカヤも頷いた。
「あぁ…イザナさんの言う通りや。」
ヒメナが笑う。
「よし決めた。悪いタカヤ。」
「ん?」
「イザナさん人事異動や。艦橋勤務で私の補助として働いてもらう。いいよね?」
「は、はぁ…」
イザナは驚き周りを見渡していた。
ヒメナが前を向く。
「オダイさん。」
「はいよ。」
「目的地惑星アルタイル。」
オダイは操舵士へ指示を送る。
ノアの進路は変更され新たな目的地へ向かい始めた。
― アルタイル星系
同時刻、反宙帝勢力惑星アルタイル…
戦争は続いていた。
軌道上では艦隊戦、地上では塹壕戦、空では迎撃戦。
長年の戦争により戦線は膠着していた。
アルタイル軍総司令部の中央に一人の男が立っている。
堂々たる立ち姿…
名は"アルトリウス・アルタイル・レグナス".
アルタイル軍最高司令官であり歴代最強と謳われる英雄。
人々は彼をこう呼ぶ。
「八代目軍神彦星」
その時通信士が慌てて駆け込んできた。
「彦星様!」
「ん?」
アルトリウスが振り向く。
「宇宙監視システムが反応しました!」
「宙帝艦か?」
「いえ!」
通信士が首を振る。
「識別不能艦です!」
司令部がざわつく。
「宙帝ではありません!」
「何?」
アルトリウスの目が細くなる。
「解析結果は?」
「宙帝艦の戦術データベースに記録されていた艦影と一致。」
数秒の沈黙。
通信士が言った。
「太陽系人類の船と思われます。」
その瞬間アルトリウスは静かに笑った。
「あぁ……そうか。」
誰よりも落ち着いていた。
「遂に来たのか。」
司令部の誰もが驚く。
まるで来る事を知っていたかのような反応だった。
アルトリウスはケースに厳重に保管された古びたレコードを見つめる。
(我々は遠い宇宙から来たこのレコードを受け取ったその日から君達に会うその日を何代も楽しみに待っていたよ。」
アルトリウスは静かに笑った。
「ようこそ。」
司令部の誰もが息を呑む。
彼の瞳には警戒ではなく長い年月を越えてようやく叶う再会への期待が宿っていた。
(続)
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公開情報
・惑星アルタイル 反宙帝勢力の惑星
・アルトリウス・アルタイル・レグナス 男性
年齢不詳、ギフト不明
アルタイル連合軍総司令官
アルタイルの英雄
"八代目軍神彦星"と呼ばれる。
・レコード
かつてボイジャーに搭載された地球の文化を紹介す るレコード




