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ノア・アーク ― 神々と人が生きる方舟 ―  作者: ヤノチャン
十四章 ボイジャー航路

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崩壊惑星


ー 崩壊惑星 ー


ゴゴゴゴゴゴ……


大地の揺れがさらに激しくなる。


遠くの山脈が崩落し巨大な火柱が空へ吹き上がった。


空は赤黒く染まり始めている。


まるで惑星そのものが悲鳴を上げているようだった。


「急げ!!負傷者から乗せろ!」


ノア輸送部隊員達が次々と降下してくる。


重装備の救助兵…白い医療マークを付けた衛生兵。


彼らは迷いなく崩壊する戦場へ踏み込んだ。


武装解除した神格再編機関兵達は呆然とその様子を見つめていた。


「…本当に助かるのか……」


「敵だろ…?」


誰も武器を持っていないのは持つ意味がもう無かったからだ。


「重傷者こっちだ!」


「人工血液投与開始!」


怒号のような救助指示だけが戦場に響く。


モックは崩れ落ちる地盤を支えていた。


「早く通って!!ここはもう持たんよ!!」


避難する兵士達がその下を駆け抜けていく。


アイズは静かに空を見上げた。


「…惑星核が暴走してる。」


ピピッ――!通信機が鳴る。


『こちらノア艦橋!』


ヒメナの声。


『崩壊速度が予測より早い。

あと数時間で地殻崩落が始まる。』


「了解。」


『あと。地下から超大型反応。』


その瞬間…


ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!


大地が盛り上がる。


地平線の彼方。


巨大渓谷の中央部が崩壊した。


黒い装甲に無数の砲塔、惑星内部から現れる超巨大要塞…


「ポイント・ゼロ……!」


エリオが絶望した声を漏らす。


山そのものが浮かび上がるような光景。


『こちらノア艦橋!ポイント・ゼロ浮上を確認!』


輸送部隊が騒然となる。


その時。


ポイント・ゼロ中央部が開いた。


そこから一人の男が姿を現す。


黄金の義手の創造神ダヴィンチ…


「ダヴィンチ様…」


エリオの声が震える。


ダヴィンチは戦場を見下ろしていた。


助けを求める兵士。


崩壊する大地。


そして神帝達。


だが表情は変わらない。


「…無様だな…」


その声だけが響いた。


次の瞬間ガラン・ゴロンを拘束していた氷が砕ける。


「なっ!?」


モックが反応するより早く。


ガランの身体が粒子化し空へ吸い上げられていく。


「ガラン!!」


エリオが叫ぶ。


ダヴィンチはそれ以外には目も向けない。


神格再編機関兵達をエリオを見ることもなく

ポイント・ゼロの装甲が閉じていく。


「待て!!」


タカヤが前へ出るが遅い。


ゴォォォォォ……


巨大要塞の周囲に黒い粒子が広がる。


空間が歪みポイント・ゼロはそのまま姿を消した。


誰も言葉を発せない。


エリオは崩れ落ちるように膝をついた。


「…はぁ…やっぱり捨てられた…

ガランはまだ必要なのね…」


遠くで大陸の一部が崩れ落ちる。


惑星ケプラーは、静かに死へ向かっていた。


(続)





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