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ノア・アーク ― 神々と人が生きる方舟 ―  作者: ヤノチャン
十三章 第三次宇宙大戦

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三羽烏墜つ


― 三羽烏墜つ ―


黒い粒子が空を覆う。


深淵三羽烏(アビス・クロウズ)の力一つに重なり戦場そのものが“深淵”へ沈み始めていた。


三人が融合し、

巨大な黒い怪物のような影を形成していく。


神格再編機関兵も宙帝兵も、

誰一人近づけない。


ー ノア艦橋


「司令空間数値が異常です!」


「なんやあれ…!神帝が出て十五分やで…最前線で何が起きてるんや…まぁ、いい…我々も攻撃準備急げ!」


「了解…」


「あぁ…空が…沈んでいく…!」


遠方のノア観測班すら息を呑んでいた。


ー 最前線


神帝タカヤだけが笑っていた。


「おぉー…的が一つになって狙いやすいね。」


「…小僧が…舐めやがって。」


レイヴンの声が低く響く。


黒い翼がさらに広がる。


ヴォルグが拳を握る。


「なら理解させてやる。」


イザナの鎌がゆっくり持ち上がる。


「神帝でもただの人間でしょう…死ぬ時は死ぬのよ?」


ズガァァァァン!!


巨大な黒い奔流がタカヤへ放たれる。


地面が抉れ山が吹き飛ぶ。

戦場が一直線に消えていく。


アイズですら眉をひそめた。


「わーお…あれが三羽烏の…」


黒い奔流はタカヤを飲み込む。


視界を埋め尽くす闇だが…


「んー…思ったより明るいぞ。ガランの方が闇だな。」


キィィィィン――!!


黒い奔流が真っ二つに裂けた。


「なっ!?」


レイヴンの顔が歪む。


闇の中から無傷のタカヤが現れる。


ただ手を振り落としただけ…


「……化け物……」


タカヤは時計を見る。


「戦闘開始から二十分か…そろそろ終わらせよう…」


黒い雷が刀身を走る。


「さよなら、三羽烏さん…」


黒鎌によりその一撃は受け止められるが衝撃に耐える事ができずに粉砕される。


「えっ」


そこへレイヴンが融合離脱をして超高速で突撃。


「ハァァァァ!!」


無数の斬撃、黒翼による嵐。


「速いねぇ。」


レイヴンの額に汗が浮かぶ。


(何故だ…何故追いつけない…!)


その瞬間タカヤの目が変わった。


「じゃ。」

タカヤは懐から一丁の拳銃を取り出し引き金を引く。 

「……っ!?拳銃…」


「誰も使わないとは言ってないよね…」


この近距離じゃ流石のレイヴンでも避けきれない。


ズガァァァァァン!!


無慈悲な弾丸は額を貫きレイヴンはその場に倒れ込む。


「レイヴン…お前が拳銃如きで死ぬとは思えんが…」


ヴォルグが突撃。


超重量の拳が迫るがタカヤは避けない。


ビシィ…


「なっ!?」


ヴォルグはアイズのギフトによりゆっくりと凍りつく。


「馬鹿な…!」


タカヤは静かに言う。


「いつから敵が一人やと錯覚したんや?

精神干渉?俺には効かんよ…」


刀が振られる。


ズバァァァン!!


凍りついたヴォルグの巨体は斬撃により粉砕される。


イザナが歯を食いしばる。


「化け物…!!」


黒霧を展開し死角から鎌を振るう。


だタカヤは振り返りもせず刀を後ろへ突き出した。


ガキィィィン!!


鎌が止まる。


「えっ…」


「化け物はお互い様でしょ…」


ドンッ!!


腹部への膝蹴り…そのまま地面へ叩き落とされた。


クレーター形成。


深淵三羽烏(アビス・クロウズ)は倒れていた。


宙帝兵達が絶句する。


「三羽烏が…負けた…?」


「あり得ない…」


タカヤは刀を肩へ担いだ。


「ふぅ…相手が悪かったね…」


ー その頃


モックとメインの戦いも終わりを迎えていた。


神格再編機関幹部ガラン・ゴロンの巨体が崩れ落ちる。


重装甲は砕け意識は完全に飛んでいた。


「勝ったー!!」


メインが両手を上げる。


モックは息を整えながらガランを見る。


「……今回は私達の勝ちだね。」


ガランは動かないだがまだ生きている。

気絶していた。


氷雪に包まれた戦場。


神帝アイズは静かに立っていた。


周囲には凍結した戦車群。


その中心で神格再編機関幹部エリオ・ヴァイスが巨大な氷柱に拘束されていた。


首元までの氷結を解除する。


「くっ……!」


「いやぁ…かなり強かったよ。」


エリオは悔しそうに睨む。


「殺さないの…?」


「んー…まだ聞きたい事あるしね。」


アイズは空を見上げる。


「それでエリオさんの所の神は来るのか?」


「さぁね…」


戦場は神帝により制圧された…


ー 宙帝旗艦


「三羽烏が死んだか…少し甘やかし過ぎたかな…」


深淵の帝神“ゼル・アビスはモニターを見つめる…


「帝神様…次の指示を…」


「ん…そーだな…我々は大量の兵士、最高戦力を一瞬で失った…一時撤退し体制を立て直す。この場でワープしろ…ポイント・ゼロは諦める。」


「残った兵の回収は?」


「ん?そんなのいるかな?」


「いえ!ワープ準備を開始します!」


管制官は即座に返答する。


「よろしい…」


ー ポイント・ゼロ


「ダヴィンチ様!宇宙空母ノアがロックオンしました!」


「ガランとエリオは負けたのか?」


「はい…生きてはいますが…」


「そーか…星を破壊しろ…そして離脱だ…」


「了解致しました。」


ポイント・ゼロ管制官によりひとつのボタンが押され星が揺れる…


(続)







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