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ノア・アーク ― 神々と人が生きる方舟 ―  作者: ヤノチャン
十三章 第三次宇宙大戦

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深淵共鳴


ー 深淵共鳴 ー


燃え続ける大地の中心。

片腕を失った深淵三羽烏(アビス・クロウズ)“レイヴン・モルグ”は、それでも笑っていた。


対する神帝タカヤは静かに刀を肩へ担ぐ。


「いやぁ…さすがに三羽烏ってだけあるね…

お前かなり強いな。」


「…思ってもない事を…化け物め…」


レイヴンは血を吐き捨てる。


ゴゴゴゴゴ……


戦場上空に待機する巨大な宙帝艦隊から二つの影がゆっくりと降下してくる。


黒い粒子を纏いながら…まるで死神の如く…


「…おっ…またなんか来たか…」


タカヤが空を見上げる。


宙帝兵達が歓声を上げた。


「深淵三羽烏だ!!」


「ヴォルグ様だ!!」「イザナ様!!」


二人が降り立った瞬間、周囲の重力が歪む。

宙帝兵ですら息を呑み、その場で膝をついた。


深淵三羽烏(アビス・クロウズ)


“海淵”ヴォルグ・ネレイド

“葬刃”イザナ・グレイブ


ヴォルグは長身の男だった。

深海のような青黒い軍服を纏う。


一方イザナは白い肌の女。

黒い長髪を揺らしながら巨大な鎌を肩に担いでいた。


(チッ…呼んでねーよ…)


「レイヴンよ…片腕が無いじゃないか…

油断したな…」


低い声でヴォルグが笑う。


「油断などしていない…こいつが規格外なのだ…」


レイヴンはタカヤを睨む。


イザナが首を傾げた。


「あぁ…そぉ…

まぁ、とりあえず三人いれば大丈夫ね……」


タカヤは三人を見ている。


「おぉー…あれで三羽烏が完成やな。」


イザナの目が細くなる。


「ふーん…余裕そうねぇ…

ねぇヴォルグ、コイツ本当に人間?」


「知らんよ…半分人間って感じかな…」


ヴォルグは無表情で答えた。


三人の殺気…それだけで周囲の兵士達が膝をつく。


そんな中タカヤだけは笑いながら刀をゆっくり構え直す。


「うん、いいね。三羽か…ヒメナさん…命令通り自由にやるね。」


ズンッ!!


タカヤの足元の大地が砕けた。


イザナが眉をひそめる。


「…来るね…」


ヴォルグも僅かに目を細める。


神帝の圧…それは帝神とも違う…


“人間”のまま極限まで辿り着いた怪物の圧だ。


タカヤは笑う。


「…深淵三羽烏(アビス・クロウズ)」


刀を空へ向ける。


「三対一か…これなら少しは楽しめそうやな。」


次の瞬間ヴォルグが消えた。


「死ね。」


轟音と共に超重量の拳がタカヤへ叩き込まれる。


ズドォォォォン!!


大地が陥没し巨大な爆煙が舞い上がる。


「…決まったか?」


宙帝兵達が息を呑む。


「いや、浅いね。」


煙の中から声。


ヴォルグの拳はタカヤの刀一本で止められていた。


「……ほぉ。」


ヴォルグが少しだけ目を細める。


「隙あり…」


イザナ・グレイブの巨大な黒鎌がタカヤの首を刈り取ろうと振り抜かれる。


キィィィィン!!


タカヤは身体を捻ったまま刀の峰で受け流す。


「いい所!」


「避けるのねぇ。」


イザナが笑う。


「避けるだけじゃないよ…」


「ハハハハハ!!」


片腕を失ったレイヴン・モルグが黒翼を広げ突撃。


三方向同時攻撃。


衝撃波だけで周囲の兵士達が吹き飛ぶ。


「下がれぇぇ!!巻き込まれるぞ!!」


神格再編機関兵も宙帝兵も関係なく逃げ始める。


もはや戦場ではなく災害だった。


(楽しそうにやってるね…)


アイズは凍りついたエリオの横に座り込み戦闘を見守る。


「ほら!三羽烏!よそ見するなよ!」


ドンッ!!っとタカヤが踏み込む。


「なっ…」


最初に反応したのはレイヴン…だが遅い。


タカヤの蹴りが腹へ突き刺さる。


ゴバァッ!!


レイヴンが血を吐き吹き飛びその勢いのままヴォルグへ衝突。


「チッ!」


ヴォルグが受け止めた瞬間。


イザナの真横にタカヤが現れる。


「ん?速っ」


ドォォォン!!


イザナが地面へ叩き落とされる。


クレーター形成。


「がっ…!!」


タカヤは着地し刀を肩へ乗せる。


「うーん…三人とも強いけどさ、連携がね…」


ヴォルグがレイヴンを投げ捨てる。


「当然だ。我らは群れる鳥ではない。」


「へぇ。」


黒い粒子が戦場へ広がり始めた。


三人の力が重なり空が暗く染まる。


「おぉ…やっと本気?」


タカヤが笑う。


イザナが口元を歪める。


「神帝…ちょっと危険すぎるわ。」


ヴォルグが拳を握る。


「ならここで沈める。」


レイヴンが黒翼を広げ叫ぶ。


「深淵三羽烏(アビス・クロウズ)」


三人が同時に構える。


「深淵共鳴。」


戦場全体が震えた。


三つの影が溶け合う。

深淵そのものが一つの“怪物”へ収束していく。


遠くでその光景を見ていたアイズが目を細める。


「…おぉ…合体しちゃったよ。」


メインはガランを殴り飛ばしながら笑う。


「ハハハ!タカヤ楽しそうだねー!」


「巻き込まれたくないな…」


モックは心配そうに戦場を見つめる。


「ハハッ!ええやん…それ、そう言うのが見たかった。」


タカヤは刀を両手で握り直す。


(続)







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