神帝降臨
ー 神帝降臨 ー
― 宇宙空母ノア
神帝達はそれぞれ装備を確認し出撃準備を進めていた。
出撃まで残り約二時間。
普通の兵士なら緊張で言葉も減る時間だ…
「ついに神帝出撃ですか…
“好きにやって来い”なんて。
ヒメナさんって意外と放任主義なんですね〜」
メインは椅子に座り脚を組む。
その表情はどこか楽しそうだった。
「ヒメナさんは昔からああいう人だよ。」
タカヤは壁にもたれ目を閉じる。
「軍学校時代から変わらない。
俺とウォンさんは長い付き合いだからね…」
少し笑う。
「結局、最後は責任取ってくれる。」
アイズが帽子を被り直す。
「だから皆んな彼女について行くんだよ。」
モックも静かに頷いた。
「統率者として理想的だね。」
そこへ扉が開く。
「失礼します。」
全員の視線が向く。
「えっ?もう時間?」
アイズが聞く。
「はい。出撃準備完了しています。
滑走路へお願いします。」
「ノノカちゃんは納得してた?」
タカヤが少し気にしたように聞く。
ウォンは小さく笑う。
「もちろんです。
“私がノアを守ります”と張り切っていました。」
「あー…そう。」
タカヤは少し安心したように息を吐く。
そしてウォンがふと視線を向ける。
「…タカヤ。」
その声だけ少し柔らかかった。
「死ぬんじゃないわよ。」
まるで昔に戻ったような口調。
軍学校時代二人がまだ皆が学生だった頃のように…
「ハハハ……もちろんですよ、先輩。」
四人は歩き出す。
― ノア滑走路
周囲では戦闘機部隊が発艦準備を進めていた。
整備兵達が走り回り爆音が空気を震わせる。
そんな中神帝四人だけは妙に落ち着いていた。
「えぇ〜!?見送り無しなの!?」
メインが頬を膨らませる。
「皆んな忙しいからね。」
モックが上を見る。
「ほら、管制塔。」
「ん?」
メインが顔を上げる。
窓越しに整備兵達が手を振っていた。
「あっ!ほんとだ!」
メインは大きく両手を振る。
「おーーーい!!」
タカヤが苦笑する。
「戦争行く人とは思えないな。
まぁ、それぐらいでいいんだよ。」
そして表情が変わる。
「……じゃ、行こうか。
死ぬなよ。危なかったらいつでも呼べ。」
神帝達は互いを見た。
次の瞬間全員が動く。
メインは爆発的加速。
地面を砕きながら一直線に飛ぶ。
「行っくよぉぉぉ!!」
モックはその腕を掴み共に移動。
アイズは空気を凍結し空中に氷の道を作り滑るように進む。
そしてタカヤは跳んだ。
ドンッ!!
空気が爆ぜる。
神帝達はそれぞれの方法で戦場へ向かう。
― 数分後
ケプラー地上戦最前線。
レイヴン・モルグとエリオ・ヴァイスはまだ激突していた。
その時、空から何かが落ちてくる。
「……ん?」
レイヴンが空を見る。
エリオも顔を上げた。
ドォォォォン!!
地面が爆発。
巨大な土煙が舞う。
周囲の兵士達が吹き飛ばされる。
「は?何なのよ……」
煙の中から一人の男が歩き出る。
黒い軍服に神帝の紋章。
「あ、あなたは……」
エリオが息を飲みレイヴンが目を細める。
「……神帝。」
男は軽く肩を回した。
「いやぁ…遠かった。
エリオさん…久しぶりですね…」
「あ、あなたは…神帝…タカヤ…」
神帝タカヤ戦場へ降臨
(続)




