静かなる偵察網
ー 静かなる偵察網 ー
― 宇宙空母ノア・艦橋
「ケプラー宙域外縁に到達。」
オペレーターの声が艦橋に響く。
巨大モニターには赤黒く染まった惑星ケプラーが映る。
地表各地で光が瞬き続けている。
爆発や砲撃が止まる事なく続く。
戦争は今この瞬間も続いていた。
「…はぁ…派手にやってるねぇ。」
タカヤが呟く。
ヴァルディアはモニターを見つめたまま動かない。
「これほどの星を覆うほどの戦闘…我々天王星軍でも見た事がない…」
ヒメナは静かに椅子へ腰掛ける。
「真正面から入れば確実に見つかるな…」
その声に艦橋の空気が締まる。
「いや、もう見つかってますよ!」
オダイは声を上げる。
「ハハハ!かもね!とりあえず偵察機飛ばしてみよか…」
「了解。」
観測主任が頷く。
「無人偵察機隊、発進準備。」
― ノア格納庫・第八区画
巨大なシャッターが開く。
そこには細長い黒色の航空機が並んでいた。
通常戦闘機とは違い極端に薄い機体に最低限の武装。
長距離偵察に特化した特殊機。
「無人偵察機“ハヤブサ”全機起動。」
整備員達が最終確認を行う。
青いランプが順番に点灯していく。
「AIリンク正常及び光学迷彩システム正常。
超長距離通信確認!」
「次元波レーダー起動。行けます!」
管制員が右手を上げる。
「全機発進可能。」
― 艦橋
「統合司令、準備完了しました。」
「よし。」
ヒメナは静かに前を見る。
「無人偵察機隊、発進…」
― 第八区画発進カタパルト
ゴォォォォ……
カタパルトが青白く発光する。
「一番機、射出!」
バシュゥゥゥッ!!
機体が宇宙へ飛び出す。
続けて二番機、三番機と計二十四機が飛び立った。
黒い群れが静かにケプラー宙域へ散っていく。
― 艦橋
モニターが次々と分割される。
地表映像、軌道上艦隊、敵陣地。熱源反応が次々と映し出される。
「情報収集開始。」
観測員が息を飲む。
「…うわぁ…凄い。」
そこには地獄が広がっていた。
巨大渓谷を埋め尽くす戦車群、無数の死体。
「熱源反応確認…宙帝大型陸戦兵器です!」
映像が拡大される。
六本脚の黒い装甲。
「えぇー!なんだあれ……」
タカヤが目を見開く。
「えっ、知らないんですか?宙帝重機兵“ネクロマキナ”…歩く要塞みたいなものです。」
チルドが静かに答える。
「この前見たSF映画に似たやつが出てたよ。あれは二本脚だったけど…」
別モニターに今度は巨大渓谷内部が映し出される。
「こちら偵察七番機…渓谷にポイント・ゼロを確認…」
映像が乱れる。
「…ポイント・ゼロか。やっと見つけた。」
アーサーが低く呟く。
だが次の瞬間。
ピピピピピッ!!
警報。
「偵察九番機、十二番機との通信途絶!」
「敵迎撃機です!」
さらに別機…
空間そのものが歪む。
「次元反応!?」
黒い穴から無数の魚雷が飛び出した。
ドォォォン!!
偵察機隊が次々爆散する。
「敵次元潜艦か…」
艦橋の空気が変わる。
ヒメナは静かに前を見る。
「…なるほど。」
その目が鋭く細くなる。
「ケプラー宙域…想像以上にめんどくさい…」
(続)
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公開情報
・無人偵察機“ハヤブサ”
宇宙空母ノア保有の無人偵察機
・宙帝重機兵“ネクロマキナ”
宙帝の巨大陸戦決戦兵器




