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ノア・アーク ― 神々と人が生きる方舟 ―  作者: ヤノチャン
十三章 第三次宇宙大戦

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戦争を生む場所


ー 戦争を生む場所 ー


ー ノア艦橋 


ヴァルディアはモニター越しに、先ほどの戦闘ログを見つめていた。


「…これが…今の戦争か…」


静かな声だった。


「そーだよ!」


隣でチルドが軽く答える。


「なんかゲームみたいでしょ?

人間が前に出るのは最終手段。

その“最終手段”のために、私たちは訓練するの。」


「…我が星の戦争とは真逆だな…」


ヴァルディアは目を伏せる。


「まぁ、宇宙戦と地上戦じゃ全然違うしね」


チルドは軽く伸びをする。


「でも安心して。出番は来るよ

……近いうちにね」


少しだけ意味深に笑い、背を向ける。


「さぁ!今日はオフ!しっかり休みな!」


そう言い残し去っていった。


「オフ…星を出てから働いた覚えがないのだが…」


ぽつりと呟く。


「それでいいのよ…」


後ろから落ち着いた声。


振り返るとウォンが椅子に座っていた。


「あなた達みたいな“特殊な軍人”はね、

戦闘だけが仕事じゃないの。」


「コロニーの住民との交流、

各部隊の視察……

それも立派な任務よ。」


そして少しだけ視線を鋭くする。


「ただし出動命令が出たら…死ぬ気で戦うだけよ。」


ヴァルディアは深く頷いた。


「…理解しました」


一礼し艦橋を後にする。


ー ノアコロニー居住区 


中央公園横の喫茶店。


「タカヤ様?こんなにゆっくりしてて大丈夫なんですか?」


ノノカが心配そうに覗き込む。


「いいのいいの…まだ時間は…」


時計を見る。


「…ないな!!」


ガタンッ!タカヤは勢いよく立ち上がる。


「やば!店員さん!ここ置いとくね!お釣りいらない!」


「タカヤ様!?」


二人はそのまま店を飛び出しモノレールへと駆け込んだ。


ー コロニー企業区域 


ヘリオス・アーセナル社 ノア支部。


無数の兵器、兵装、試作機。


新たな兵器が生まれ育てられる場所だった。


「…ギリギリね」


入口前で腕を組んでいたリリアが呟く。


「申し訳ございません!」


ノノカが頭を下げる。


「いいのよ、間に合ってるもの」


軽く笑う。


「じゃ、案内よろしくね」


タカヤが言う。


「本日は視察の受け入れ、感謝いたします」


ノノカが丁寧に言うとリリアは一瞬だけ目を細めた。


「礼儀正しい子、好きよ。」


くるりと背を向ける。


「……うちに欲しいくらい」


小さく呟いた。


「タカヤくん最後まで寝るんじゃないわよ?」


「…大丈夫…起きてるよ。」


ピッ


認証ゲートが開く。


ー 第一製造棟 


並ぶのは最新鋭兵器の数々。


「ここが中枢よ」


リリアが説明する。


「艦載兵器、対神装備、試作兵器……

全部ここで生まれる」


タカヤは無言で見渡す。


「…すごい設備や、広いな〜

すごい数のミサイル…物騒やな…」


「まだ安全な段階よ。

本部に比べたら、ここはまだ小さいわ。

叶うならもっと設備を揃えたいわね。」


リリアは肩をすくめた。


ー 試験区画 


重いシャッターが開く。


地下へと続く通路。


両脇にはミサイル、魚雷が並ぶ。


「……これが超空間魚雷か」


タカヤが呟く。


「そうよ」


リリアが頷く。


「そしてこっちが分裂弾道ミサイル」


「……別次元攻撃技術ね…」


タカヤの目が細くなる。


「宙帝がよく使ってるよね。

宙帝しか作れないのだと思ってたよ。」


「一昨日までね」


リリアは笑う。


「うちの技術者、優秀なのよ」


ノノカが一歩前に出る。


「……これは簡単に使ってよい兵器なのでしょうか。」


リリアはゆっくり答える。


「決めるのは私じゃない…使うのは、君たちでしょ?私達は作るだけよ。」


「…まぁな」


短く返す。


「最後にこれ」


巨大な兵器の前で止まる。


「対神殲滅兵器——“ゴッド・スレイヤー”」


「……あぁ、あれか」


タカヤは苦笑する。


「これの敵じゃなくてよかったよ!絶対に死んでる。」


「賢明ね…

ちなみにゴッド・スレイヤーは量産しない…」


「なぜ?」


「いや、できないの…

ノアが購入したその日に設計図は破棄したわ。

私の頭の中にあるだけよ…」


リリアは笑った。


「一点物か…大切に使わんとな…」


出口へ向かう途中。


「今日はありがとう」


タカヤが言う。


「予算の件は司令に言っとくよ。」


「期待してるわよ。」


そしてふとタカヤの横顔を見る。


「…やっぱり…優しい顔してるわね。」


タカヤは振り返らない。


「そう見える?」


少し間を置いて。


「…なら、よかった」


小さく呟きそのまま駅へと歩いていった。


(続)






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