雷光、暗転を裂く
ー 雷光、暗転を裂く ー
(ダメや…アカン…何も思いつかん!)
タカヤの脳は限界まで回転していた。
その時……ピッ…
デバイスに通信。
インカムから音声が流れる。
「こちらメイン…タカヤくん?モックちゃん?大丈夫?いきなり闇に包まれて私達も動けない…無事なら返信ちょうだい。」
(……いける!闇の中同士なら通信は通る…
ナイスやメイン!)
「こちらタカヤ…状況は最悪や。モックが重症…多分これから俺も重症になる。」
「ちょっ…!?モックちゃんが重症?それ笑えないやつ!」
「ええから聞いてくれ…そっちに竜将はおる?」
「いるよ!ヴァルディアさん!」
「なら伝えてくれ…最大出力の雷撃を一発、
この闇を照らしてほしいって…
撃つ直前に連絡くれ!」
「了解!」
――
「ヴァルディアさん!最大雷撃いける!?」
「……今の私では不可能だ…」
「えぇ!?」
「しかし雷竜様の力を解放すれば可能だ。」
「じゃあそれで!お願い!早く!」
「……急かすな。少し時間がいる。」
――
「さて…」
闇の中に、声が響く。
「何か打開策は思いついたか?」
ガランの嘲笑。
「まぁ何でもいい…簡単にはこの闇は払えない…
次はお前だ。神帝タカヤ…仲良く死ね。」
タカヤは、静かに目を閉じた。
(見えないのなら感じればいい…空間の歪みを感じろ…)
次の瞬間、闇の中から無数の斬撃。
「……っ!」
タカヤはそれを、紙一重でかわす。
すべてを回避する。
「……ほぉ?」
ガランの声に苛立ちが混じる。
「とても不愉快だ…なぜ避けられる…?」
「さぁな…内緒や」
「タカヤくん!!いくよ!!」
メインからの通信のその直後…
「雷竜解放!!最大雷撃!!!」
轟音。
天を裂く雷光が闇を貫いた。
一瞬…ほんの一瞬だけ世界が白に染まる。
「……見えた!」
ガランの“本体”
「チッ…なんだこの光は…!」
その瞬間を、タカヤは逃さない。
「オラァ!!」
拳が炸裂。
ガランの身体が吹き飛ぶ。
ズドォン!!
地面に叩きつけられる。
闇は消えた。
「ぐっ…!目が…腹が…!」
ガランがよろめく。
「許さん…許さんぞ神帝ィ!!
死ね!闇剣!!」
空間が歪む無数の闇の剣が出現し一斉に襲いかかる。
「くっ…!」
タカヤ達は負傷者を庇い防御に回る。
「このまま押し潰してやる!串刺しで死ねェ!!」
まさに剣の豪雨
「ハハハ!死ね!………ん?」
ドォォン!!
轟音と共にガランの身体が地面に叩きつけられた。
「……は?」
誰もが動きを止め空を見上げる。
煙の中から現れたひとつの影
「ガラン…久しぶりだな。」
炎の気配が空気を歪ませる。
「お前は俺が責任を持って殺してやる。」
その男の名は神帝"ゴウカ・エンマ"
「えっ?なんで?何でいんの!この前退院したばかりじゃ?」
タカヤの声が響く。
「ハハハ!久しぶりだな!タカヤ!ヒメナからガランがいると連絡を受けてな…急いで飛んできたわ!」
ニヤリと笑う。
「さぁ!立て!続きをしよう!ガラン…」
戦場の空気がガラッと変わる。
(続)




