表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鋼の檻に咲く黒百合 ~魔力最低で騎士になれなかった少女が、秘めた魔眼によって夢を取り戻す~  作者: しぇくしーふっふー
序章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
2/28

第一話 黎明の牙

 地獄門事変最終決戦から、200年が経った。


 人類は、あの戦いの後の世界を生きていた。便利で、安全で、豊かな——200年かけて取り戻した日常の中に。


 もちろん、地獄門が消えたわけではない。今この瞬間も、あの底の見えない穴は魔物種を吐き出し続けている。それを大陸の外へ漏らさないために、封印騎士団は二百年、間引きを続けてきた。檻の中で戦い続ける者がいるからこそ、檻の外で人々が普通に暮らせる——それが、この時代の前提だった。


 その前提の上に成り立つ日常の片隅で、ひとりの少女が、目を覚ました。


 目が覚めたのは、アラームより17分早かった。


 比良坂綾目は天井を見た。薄暗い白い面。シミひとつない、飾り気のない天井。住み始めて2年が経つが、いまだに起き抜けの数秒、ここがどこか確認してしまう。


 黒髪が枕に広がっている。サラサラとした、艶のある黒髪。それだけが、この部屋の中で唯一、生きているものの気配を持っていた。切れ長の目が、天井を静かに見上げている。158センチの華奢な体躯。15歳の少女がそこにいた。


 部屋の中は相変わらずだった。ベッド。机。最低限の学習道具。洗濯済みの制服がハンガーにかかっている。それだけだ。壁には何もなく、床には余計なものを置かない。写真も、趣味の品も、記念品のたぐいも、ひとつもない。


 生活最低限。それが、この部屋の主の方針だった。


 父方の比良坂家と、母方の鳴海家。どちらも騎士団の名門だが、二つの家は昔から折り合いが悪い。父——比良坂家——は綾目が10歳のときに任務先で死に、母——鳴海家——は3年後、塞ぎ込んだまま病で逝った。


 両親を相次いで失ったあと、両家の親族が集まって後見を話し合った場で、ひどい言葉が出た。死んだ父のことだった。死んだ母のことだった。


 綾目はその場にいた。


 あとから何を言ったかは、正確には覚えていない。覚えているのは、最後の一言だけだ。


「どちらにも世話にはなりません!」


 そう告げて、一人暮らしを宣言した。両家の祖父母は揃って慌てた。「せめて最高セキュリティのマンションに」と頼み込まれ、綾目はそれだけは飲んだ。譲歩の落としどころとして、妥当な線だった。


 あの日聞いた言葉は、今でも胃の奥に沈んでいる。怒りとして、ではない。もっと冷たい、処理の終わっていない何かとして。


 アラームが鳴るより先に起き上がる。


 その瞬間、頭のどこかが鈍く痛んだ。


 (……なんだ)


 こめかみを指で押さえる。疼くというほどでもない。ただ、確かにそこにある。寝不足か。気圧か。


 綾目は一度目を閉じ、開いた。痛みは消えていない。


 (まあ、いいか)


 着替えを手に取った。



        ◇



 マンション地下のトレーニングジムは、早朝5時でも照明がついている。24時間稼働の、本格的な施設だ。


 この時間に来ているのは綾目だけだった。


 ストレッチから始める。股関節、肩甲骨、手首、足首。丁寧に、急がず。体の硬さを確認しながら緩めていく。次にランニングマシンで20分、傾斜をつけて。心拍数を一定に保ちながら淡々と走る。汗が出てくる。


 頭の痛みは、体を動かしても引かなかった。


 (引かないな……)


 むしろ微妙に悪化している。こめかみの奥で何かが脈打っている。心拍のリズムとは一致していない。不思議な感覚だった。何とも言いがたい、異物のような感触が頭の内側に居座っている。


 ランニングを終えて、木刀を手に取った。


 素振り百本。いつも通りだ。刀は本刃に合わせた重さと長さのものを使う。軌道を体に叩き込む作業。父に最初に教わったのがこれだった。毎朝百本。続けて、型を五本。父に教わった型の手順を、体が覚えている。


 父は死んでいる。綾目が10歳のときに。黒竜騎士団副団長として出た任務から帰ってこなかった。


 型を繰り返していると、時々、記憶が蘇る。


 父に稽古をつけてもらっていた頃のことだ。型を崩すたびに直されて、素振りが乱れると最初から数え直しをさせられた。あの頃は嫌で仕方がなかった。今となっては、その繰り返しが体の芯に刻まれている。


 基礎だけ、ずっと基礎だ——と思うことがある。


 もっと先へ進みたい。型の先、組手の先、実戦の先。父が生きていれば、次の段階を教えてもらえたはずだ。その続きを、誰も教えてくれない。だから一人で基礎を繰り返している。繰り返すしかない。


 それでも、前に進んでいると信じている。


 母も、騎士だった。鳴海家の出で、若い頃は前線にいたという。直接戦う姿を、綾目は見たことがない。物心ついた頃にはもう退いていた。話だけは、たくさん聞いた。母自身からではなく、周囲の大人からだ。立派な騎士だった、と。


 立派な、騎士だった。


 その言葉が、綾目の中に、ずっとある。


 二人のような騎士になりたい。具体的に何をどうしたいかは、分からない。父のように前線に出たいのか、母のように人を率いる立場になりたいのか、それすら整理できていない。ただ、騎士の道だけは譲りたくなかった。


 だが、譲れなかったその夢を譲ろうとしている。現実が許してくれないからだ。


 魔力クラスD−。


 騎士学校に出した出願書類は、入試まで進む前に弾かれた。実技で挽回するという選択肢すら与えられない、数字だけの審査で終わった。あのときの紙の感触を、まだ覚えている。


 最後の一振りを納めて、木刀を下ろした。汗が顎の先から落ちた。


 (……余計なことを考えない)


 いつも通り、自分にそう言い聞かせる。考えても、現実は変わらない。今できることをやるだけだ。


 百本を終えてシャワーを浴びた。熱い湯を頭から浴びる。頭痛は、ほんの少しだけ和らいだ。ほんの少しだけ。


 鏡に、湯気越しの自分が映っていた。


 158センチ。華奢な体型——しかし日々の鍛錬がそこに無駄のない筋肉を貼り付けている。腹部にうっすらと筋が通り、肩から腕にかけては剣を振り続けた者の細い陰影が走っている。胸も腰も、女性らしい線は保ったまま、それでも軽く絞られている。


 武術家としては、悪くない仕上がりだ。


 ただ、胸だけは——相変わらず、現状維持のままだった。


 (大きければ邪魔になるだけだ。動きの妨げになる。ない方が合理的だ)


 毎朝そう言い聞かせている。


 (でも……もう少しぐらい、成長してもいいのでは)


 毎朝そう思っている。


 この矛盾については、まだ答えが出ていない。


 (まだ成長期だ。……これからだ)


 タオルで髪を拭きながら、綾目は鏡から目を離した。



        ◇



 部屋に戻り、キッチンに立つ。


 前日の残りの白米をよそい、鶏肉の照り焼きを切って並べ、ブロッコリーと玉子焼きを詰める。5分もかからない。冷めたままでも食べられる構成にしてあるのは、昼に温める手間を省くためだ。合理的だと思っている。


 壁掛けモニターのスイッチを入れる。


「——昨夜、帝都第七区の議員宿舎において爆発事故が発生。反帝国テロ組織『黎明の牙』が犯行声明を発表しました。現場では複数のランドメイトが確認されており、騎士団との交戦が行われた模様です。ランドメイトは王国がグラムを模して開発した人型機動兵器で、グラムに比べ製造コストが低い反面、性能は劣るとされています。また現場周辺では、新型ステルス技術を搭載した所属不明の輸送機が確認されています。この装置はレーダー探知および魔力探知の双方を無効化する新機軸の技術とみられており、帝国軍は現在も解析対応に追われて——」


 包丁を置いた。


 (テロをして、何がしたいんだろう)


 眉ひとつ動かさず、モニターを見る。


 世論が変わるとでも思っているのか。議員宿舎を爆破すれば、帝国体制への共感が生まれるとでも。逆だろう。市民は怯え、帝国への依存を強め、テロリストへの反感が積み上がる。自分たちの主張に耳を傾けさせたいなら、これは最悪の手段だ。非効率どころか、逆効果だ。


 感情ではない。単純な損得の計算だ。


 (……バカみたい。感情でやっているから「テロ」なんだろうけど)


 弁当箱のふたを閉める。制服に着替える。スカートの丈を確認する。異常なし。


 熱はなかった。体は動く。頭痛は続いているが、動けないほどではない。


 (風邪かな。まあ、行くか。明日病院に寄ろう)


 鞄に弁当と教材を入れ、マギスレートを確認して、部屋を出た。



        ◇



 エリシオン帝立学院——通称、帝国アカデミー。綾目が通うその学校までは、徒歩12分の距離だった。


 帝都の建物はどれも高く、石畳の路地が複雑に入り組んでいる。帝国建築の様式と異世界由来の技術が混在した景色。見慣れてしまえばただの通学路だ。


 アカデミーの正門が見えてきた。


 (……増えてる)


 無意識に観察が走る。


 正門の左右に、警備用のグラムが2機。昨日まで1機だった。機種はブロードソード、標準装備。パイロットは搭乗したまま警戒姿勢を取っている。門の脇には白竜騎士団の騎士が4名。こちらも先週より1名増だ。うち1名は魔術特化の装備をしている。詠唱なしで中域魔法を行使できる構成だろう。


 帝国アカデミーは、騎士を育てる学校ではない。軍事教育とは無縁の、ごく一般的な高等教育機関だ。その正門にグラムと騎士が居並んでいる——その光景自体が、今が普通の時期ではないことを物語っていた。


 (さすがに、テロの件で警備を上げたか)


 合理的な対応だ。グラムだけではない。門の少し奥には装甲車両も配置されている。裏門にも同様の備えがあるとすれば、帝国軍の反応は悪くない。


「おはようございます」


 当番の騎士に声をかけながら門を通る。返事は短い。綾目も長くするつもりはなかった。下駄箱で靴を替え、廊下へ向かった。


 頭痛は続いている。



        ◇



 1年A組の教室へ向かう廊下は、この時間はまだ人が少なかった。


「比良坂さん、おはよう」

「おはよう」


 すれ違ったクラスメートに、軽く会釈を返した。同じクラスで顔は知っている。名前も知っている。それだけだ。学園生活で深く付き合う友人を作るつもりは、綾目には初めからなかった。挨拶をしないのも違うし、無理に親しくするのも違う。「ちょうどいい距離」を、綾目はいつも保っていた。


 別のクラスメートが図書室のほうから歩いてきた。


「おはよ」

「おはよう」


 すれ違うときの会釈。それで終わり。話が広がることはない。広げる気もない。


 ふと、靴音が変わった。


 前方から3人が歩いてくる。先頭は女生徒。護衛が左右に1名ずつ。護衛の装備から、一般生徒でないとすぐに分かる。何より、歩き方が違う。廊下という空間を自然に従わせる、重心の安定した歩き方。


 セレナ・アウレリア。帝国第四皇女。年齢は1つ上の16歳。


 銀寄りのブロンドの髪が廊下の照明に映えている。柔らかな微笑を常に纏い、気品ある立ち姿。廊下という空間が、少し違うものに変わって見えるほどの存在感だった。こういう人間が、「格」と呼ばれるものを持っているのだと思う。


 すれ違う一瞬、綾目は軽く会釈をした。


 皇族に対する、最低限の礼儀として。深くもなく、過度でもなく、ただ角度だけを丁寧に。それが綾目の流儀だった。


 顔を上げると、セレナがこちらに視線を向けていた。


 目が合った。


 微笑んだように見えた。


 (……気のせいだろう)


 綾目は前を向いたまま歩き続けた。皇女が自分のような一般生徒を気に留めるはずがない。比良坂家・鳴海家とも騎士団の重鎮ではあるが、皇族と直接の縁があるわけでもない。接点がない。廊下ですれ違った人間の顔が視野に入っただけだ。


 そういうことにした。



        ◇



 帝都上空、高度3千。


 航空巡洋戦艦オブシディアンのブリッジに、緊張した空気が張り詰めていた。


 帝国軍特務騎士局——表向きには、帝国の主要戦力である黒竜騎士団・白竜騎士団とは別系統の独立部隊として位置づけられている。黒竜騎士団が帝国の軍事力を担う「軍隊」であり、白竜騎士団が国内の治安維持を担う「警察」に近い存在だとすれば、特務騎士局はその枠に収まらない案件を引き受ける部署だ。対テロ作戦・要人警護・国家機密に関わる任務など——帝国の「便利屋」と呼ばれることもある。少数精鋭。所属する者は全員が一騎当千の腕を持つ。


 その特務騎士局旗艦オブシディアンの戦術モニターを、副局長アルス・マフノが静かに見ていた。この艦の艦長を兼ねる女だ。


「所属不明機が東方領空に侵入、直後にロスト。追跡信号、消失しました」


 スクリーンの点滅が途絶えている。


 黒髪を任務中の束ね方にまとめ、鋭い目に感情の揺らぎはない。419年を生きたダークエルフの副局長は、いつ何時も同じ顔をしている。


 (……また、か)


「新型ステルスです。レーダーおよび魔力探知の双方を無効化。統括AIアストレイアが解析継続中ですが、完了していません」


「分かった」


 (黎明の牙——王国から、また新しい装備を支給されたか)


 苛立ちは声に出さない。スクリーンにアストレイアの試算が展開される。次の標的予測リスト。軍事工場、政府関連施設、病院、学校、インフラ拠点——。


 (主要施設は警戒を上げている。となると、守りが最も薄いのは……)


 アルスは通信を繋いだ。


「局長。念のため、都市部中心の警戒をお願いします」


 通信の向こうから、低く落ち着いた声が返ってくる。


『——それはお前の判断か?』


「ええ。カンなんて不確定なものは信じたくないんですが……嫌な予感がするんです」


 しばらく沈黙があった。


 通信の向こうのアンディールは、今この瞬間も帝都上空にいた。専用機デュランダルに搭乗したまま、レティシアの駆るヴリトラ2号機の牽引フックを掴み、空中を移動しながらの偵察行だ。グラム単独では足の届かない範囲を、こうして二機一組で広く見て回っている。何かを考えているのだろう、返答までに数秒の間があった。


 アンディール・フィズサール。512年を生きたオーガロードの局長は、低く、無駄のない声をしている。短く刈り込んだ黒髪。筋肉質で実戦型の体格。182センチの体が最前線にいない時間は、ほとんどない。


『わかった。その判断を信じよう』


 別の通信が入る。ヴリトラ2号機を操るレティシアの、軽い声だった。声だけでも分かる——明るく、軽快で、それでいて腕の確かさが滲む声だ。284年を生きたハイエルフの1課員は、いつもこの調子だ。


『了解しました。確かに、市街地を攻められたら被害が大きくなりますしね』


「お願いします」


 通信を切る。アルスは戦術モニターに視線を戻した。表情は変わらない。背後で組まれた両手だけが、ほんの一瞬、力を込めるように握り直された。



        ◇



 同時刻。


 ステルスフィールドをまとった輸送機の内部は暗かった。


 4機のランドメイトが、降下態勢に入っている。グラムの廉価版。量産性重視の設計。パイロットの生存性より数を揃えることが優先された機体だ。それぞれのランドメイトにも輸送機と同型のステルス装置が搭載されており、着地後、最大10分間はステルス状態のまま行動できる。


 機体も、ステルス装置も、黎明の牙が自前で作れるものではなかった。国境の向こうから、幾重にも経路を偽装して流れ込んできたものだ。出どころを示す刻印の類は、ひとつ残らず消されている。供与した側も、される側も、その繋がりが表に出ることを望んでいない。


 ステルス中はプロテクトシールドとの同時展開が不可能だ。防御を捨てた状態で動くことになる。


 暗いコクピットの中、リーダー機のパイロットが、暗号回線で各機に最終確認を入れた。


『各機、最終ブリーフィングだ。作戦目標を再確認する』


 応答が短く返ってくる。アルファ。ブラボー。デルタ。順番に。波形の頷きだけが、暗号の中で揃った。


『フェーズ1。降下後、正門および裏門の警備を無力化する。アルファ・ブラボーは正門担当。リーダー機・デルタは裏門担当。警備グラムを優先排除し、騎士は鎮圧する』


『フェーズ2。私が校内放送に割り込み、第四皇女セレナ・アウレリアに要求を通告する。出てくれば拉致、出てこなければ校舎を破壊。制限時間は5分だ』


『フェーズ3A。皇女確保に成功した場合、ステルスを使って輸送機まで離脱。これが最良ルートだ』


『フェーズ3B。離脱不可能と判断した場合、可能な限り校舎を破壊する。帝国の無能を世界に知らしめろ』


『フェーズ3C。完全に追い詰められた場合は……分かっているな。自爆で被害を最大化する』


 短い沈黙が、暗号回線に流れた。


『質問はあるか』


 応答はなかった。各機、決意は固まっている。


『……我らの信念のために。帝国に、真の裁きを』


 その一言だけが、唯一、感情を帯びた波形として走った。


 暗い機内で、4機のランドメイトが降下を開始した。



        ◇



 歴史の授業だった。


「——こうして結界都市の完成により、帝国は新たな時代を迎えることとなります。200年前の地獄門事変最終決戦から現在の帝国体制が形成されるまでのおよそ50年間が、今日における帝国の礎となっており……」


 教師の声が、どこか遠く聞こえた。


 綾目はノートを取りながら、頭痛に意識の端を引っ張られていた。朝から続くそれが、今は確実にひどくなっている。こめかみの奥で何かが脈打ちを繰り返している。リズムが不規則だ。視界の端がわずかに滲む感覚がある。


 (明日、絶対に病院に行こう)


 窓の外を、何気なく見た。


 空に、靄があった。


 透き通っているが、確かにそこにある。塊が4つ。


 そのうちのひとつが、ゆっくりと形を変えた。


 人の形をしていた。


 落ちてくる。


 (——?)


 1秒、思考が止まった。


 次の瞬間、思考だけが猛烈な速度で走り始めていた。


 ——朝のニュース。新型ステルス。レーダーも魔力探知も通らない。輸送機が確認された。黎明の牙。議員宿舎爆破。犯行声明——


 (人型だ。ランドメイトだ。なぜここに——)


 (ここが、ターゲット?)


 (教師に言っても信じてもらえるか分からない。信じてもらえても、教師にテロリストは倒せない)


 (正門だ。白竜騎士団の騎士が4人いた。グラムが2機。あそこなら——)


「先生、体調が悪いので保健室に」


 言いながら、立ち上がっていた。


 教師が何か言っている。クラスメートが振り返る。


 廊下に出た瞬間、走り始めた。


 頭痛はいつの間にか感じなくなっていた。


 正門へ向かって。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ