14.現地捜査
私達は手袋をして、スクランブル交差点に乗り込んで、KEEP OUTと書かれた規制線をくぐり抜け、現場に入り込んだ。
「ちょっとちょっと!君達!」
捜査員っぽい男に止められる。
私は警察手帳を見せながら、口を開いた。
「…元富士警察署、警備課、公衆衛生係の者です」
「同じく。公衆衛生係の者です。警察庁からの要請により捜査へ参加させていただくこととなりました」
華音は警察手帳を見せながら、無表情でそう言った。
バリバリJKっぽい見た目の2人を、捜査員は少し怯んだように下がり、『お勤めご苦労様です』と去っていった。
私は無表情な華音と顔を見合せた。
華音は私の顔を見て数秒ほどでニコッと笑った。
「じゃあ行こっか〜」
彼女は私の手を引いて、捜査現場を歩き回った。
ちなみに淀川は車で待機している。
曰く『本当なら付いていないといけないけど、貴女たちは大丈夫でしょ。だから待ってる。あっちへの説明面倒だし』とのこと。
「鉄パイプとか、ヘルメットとか…結構沢山落ちてるんだね」
「まぁ、昨日の事件だし」
すっかりボロボロにされた書店に入り、何か良い感じに捜査に使えそうなものがないかを探す。
血塗れの鉄パイプやヘルメット、角材、ナイフなど、どれも大した証拠にはならないであろうと思われる。
…身柄は機動隊が確保したのかな。
華音はいつの間にか血塗れのライターを拾い上げ、点けたり消したりしていた。
「証拠なんてあるのかな?」
「……どうだろう」
もしかしたらスマホとか落ちてて、本拠地とか個人情報がわかるかもしれない。
2人が数分ほど探し回っても、なかなか証拠になりそうなものは見つからなかった。
「そろそろ帰ろうか」
雫はそう言い、華音の手を引いた。
華音は、ライターのボタンをカチカチと押したり離したりしながらそれに続いていた。
…その近く、誰からも見えない死角には、1人の男がいた。
男は機動隊に殴られるのを怖がって、ヘルメットを捨て、武器を捨ててそこに逃げ込んでいた。
男…名前は畑中泰輔という。
畑中は『女』の声を聞いて、安心した。
『そろそろ帰ろうか』もし『女』が、サツなら…きっとそんなことは言わない。
JKって感じだ。きっと外は段階的に解放されていっているのだろう。
畑中は妄想が激しい方であった。
自分は一般人相手なら絶対勝てる強い奴だ…なんて思い込んでるタイプだった。
…相手が2人の殺人犯であることも知らずに。




