13.なんちゃって捜査官
私達は今、警察庁警備局公安課の偉い人の話を聞いていた。
「___で、君達には先日発生した渋谷の暴動事案…いわゆる『リトルグリーンメン』事案の捜査をやってもらう。一応、これが君たちの身分を示すものになるから、所持しておいてくれ」
そう言われ、渡されたのは警察手帳っぽいもの…というか本物の警視庁の警察手帳だった。
貼られている顔写真は生徒手帳のものと同じで、学生服なせいで割と違和感がある。
名刺を見てみると、所属は『元富士警察署 警備課 公衆衛生係』で、華音のものを見ても同じだった。
「…まるっきりハムって感じの匂い」
嫌そうな顔をしながら淀川が私達のところに来た。
「いつも思うけど、警備企画課にチヨダと作業班を持ってかれてからこの子達に頼りすぎじゃない?」
「そんなことはない。あくまで人員を有効活用しているだけだ。それに…君は『緒方事案』以前のことなんて知らないだろう。まだ当時、生まれてもいないんだからな」
「そういう警視殿はどうなんです?」
淀川の言葉に公安課の偉い人は、バツの悪そうな顔をして、肩を竦めた。
私達には、さっぱりよく分からない話だった。
その後、淀川の運転で早速事件があったスクランブル交差点に向かうことになった。
「ね、刑務官さんって公安なの?」
華音はよく分からないことを口にした。
その言葉に淀川は苦笑する。
「そうかもね」
彼女はハンドルを片手で持ちながら、スマホを軽く操作した。
…刑務官が道路交通法違反である。
ミラー越しに淀川と目が合った。
「あー、少し早いけど、お昼にする?」
「あ、はい」
「はーい」
そういうわけで、近くのファミレスで昼食を摂ることになった。
私はサラダとコーンスープを頼み、華音はチーズインハンバーグを頼み、淀川はピザを頼んだ。
…華音のおねだりでドリンクバーが追加された。
「ま、沢山食べなさい。全部経費で落とせるから」
淀川は悪人顔で微笑みながらそう言った。
…そう言うのなら…
よく分からない曲を流しながら配膳ロボットが運搬してきた注文品たちを並べると、華音は目を輝かせながらチーズインハンバーグを食べ始めた。
それを淀川と何となく眺めながら、スマホを見る。
…普通に色々と調べられるみたいだし、知らない知識はどんどん検索しよう。
「ねーねー、刑務官さん、ピザ食べて良い〜?」
「良いよ。食べきれないだろうし」
華音はすごく嬉しそうに笑った。




