11.二日目にして出所?
「じゃあ、そうと決まれば早速…準備しよっか」
淀川は私と華音の肩を掴み、囁いた。
…ゾワゾワする。
私と華音は淀川に連れられて、1つの部屋に案内された。
そこには最新型のスマホが2台と、黒いチョーカーがあった。
「…これは?」
私はチョーカーを指差す。
「ああ、まず最初に。これは爆発しないよ。そんなフィクションじゃないし、ただのGPSってだけ」
淀川はチョーカーを持って、軽く振りながら、私達に見せた。
「……付けるの?」
「一応、囚人だからね。でまぁ…その代わりに、このスマホをプレゼントするわ」
淀川はニコニコと笑ってスマホを差し出してきた。
…まぁいっか。
私は『首輪』を付け、スマホを得た。
華音もそれに続いた。
「んー賢いね。偉い偉い」
淀川は華音を撫でた。
私にも触れようとしたが、途中でピクっと止めて、やめた。
…良かった。あと少しで刑務官に手を出すところだった。
「ちょっと!雫!顔怖いよ!ニコニコってしてよ!」
華音が私の目を見て、そう言ってくる。
…そんなに怖い顔をしていただろうか。
淀川はスーツに着替え、華音と雫を連れて外に出た。
…2日目にして出所である。
まぁ、戻ってくるのだが。
「じゃあ、車に乗って」
淀川はネクタイを締め直しながら、そう言った。
黒いランドクルーザーである。
…ナンバーには『本郷』と書かれていた。
「本郷って……」
雫がそう聞くと、淀川は答えた。
「あ〜お洒落でしょ?うち限定ナンバーだよ」
…そうなんだ。
雫と華音はランクルの後部座席に乗り込んで、シートベルトを締めた。
その後、淀川は運転席に乗り込み、口を開いた。
「後ろから絞殺とかはやめてよね?」
雫と華音は眉を顰め、言った。
「別にしませんけど」
「そんな怖いことしないよ!」
「ふぅ……やっぱりなんか…貴女たち、妙に落ち着いてるわよね。他の連中と違って…日常を生きてるというか?もし他の連中ならもっとこう…車に乗り込んだ瞬間殴りかかって、車を乗っ取るとか…」
淀川はエンジンをかけつつ、そう言った。
「………あー…そういうことした方が良かったですか?」
「いや、絶対しないでね」
「わかりました」
「はーい」
淀川は2人を乗せて車を走らせた。
行き先は警察庁。
…淀川によると、警察庁のあだ名はサッチョウらしい。
あまりに捻りがない。
もっとこう…徽章の旭日を揶揄してアサヒとか…いや、それはもう別の存在か。




