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矯生  作者: 倉石 雨


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11/29

11.二日目にして出所?

「じゃあ、そうと決まれば早速…準備しよっか」


淀川は私と華音の肩を掴み、囁いた。

…ゾワゾワする。



私と華音は淀川に連れられて、1つの部屋に案内された。


そこには最新型のスマホが2台と、黒いチョーカーがあった。


「…これは?」


私はチョーカーを指差す。


「ああ、まず最初に。これは爆発しないよ。そんなフィクションじゃないし、ただのGPSってだけ」


淀川はチョーカーを持って、軽く振りながら、私達に見せた。


「……付けるの?」


「一応、囚人だからね。でまぁ…その代わりに、このスマホをプレゼントするわ」


淀川はニコニコと笑ってスマホを差し出してきた。


…まぁいっか。


私は『首輪』を付け、スマホを得た。


華音もそれに続いた。


「んー賢いね。偉い偉い」


淀川は華音を撫でた。


私にも触れようとしたが、途中でピクっと止めて、やめた。


…良かった。あと少しで刑務官に手を出すところだった。


「ちょっと!雫!顔怖いよ!ニコニコってしてよ!」


華音が私の目を見て、そう言ってくる。


…そんなに怖い顔をしていただろうか。



淀川はスーツに着替え、華音と雫を連れて外に出た。


…2日目にして出所である。


まぁ、戻ってくるのだが。


「じゃあ、車に乗って」


淀川はネクタイを締め直しながら、そう言った。


黒いランドクルーザーである。


…ナンバーには『本郷』と書かれていた。


「本郷って……」


雫がそう聞くと、淀川は答えた。


「あ〜お洒落でしょ?うち限定ナンバーだよ」


…そうなんだ。


雫と華音はランクルの後部座席に乗り込んで、シートベルトを締めた。


その後、淀川は運転席に乗り込み、口を開いた。


「後ろから絞殺とかはやめてよね?」


雫と華音は眉を顰め、言った。


「別にしませんけど」

「そんな怖いことしないよ!」


「ふぅ……やっぱりなんか…貴女たち、妙に落ち着いてるわよね。他の連中と違って…日常を生きてるというか?もし他の連中ならもっとこう…車に乗り込んだ瞬間殴りかかって、車を乗っ取るとか…」


淀川はエンジンをかけつつ、そう言った。


「………あー…そういうことした方が良かったですか?」


「いや、絶対しないでね」


「わかりました」

「はーい」


淀川は2人を乗せて車を走らせた。

行き先は警察庁。

…淀川によると、警察庁のあだ名はサッチョウらしい。

あまりに捻りがない。

もっとこう…徽章の旭日を揶揄してアサヒとか…いや、それはもう別の存在か。

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