調合とうっかりと
私はとりあえず、広げてみた初心者用調合セットの内容を確認してみることにしました。
「これは、ごりごりやって薬草とかをすりつぶすやつですよね。後はアルコールランプにビーカーに空のポーションビンですかね。」
入っていたのは乳鉢と乳棒のセット、加熱用のアルコールランプとビーカーのセット、そして空のポーションビンでした。
ポーションビンは長さが10cmぐらいの試験管のような形で、どうやら使ってもMPを消費して補充される仕様のようです。
他の機材も同様に修復されてくれるみたいですね。
どうやら、武器や防具などのように修理は必要ないみたいです。
「この仕様は助かりますね。道具を修理するお金を稼ぐためのポーションを作るための道具がないとかになったら詰んでしまいますから。」
さて、次は初心者用錬金布です。
こちらはその名のとおり魔法陣が織り込んである一辺50cmぐらいの正方形の布です。
この上に錬金に使いたい素材を置いて魔力を流すと錬金術が使えるらしいです。
「よし、道具の確認も終わりましたし、いよいよ調合…… と思ったのですが、先にアシスタントさんたちを召喚してしまいましょう。」
どの子達に手伝ってもらいましょうか。
とりあえず、こういったことが得意そうな子達がいいですよね。
ききちゃんは、多分出来る子な気がします。
お仕事の手伝いこそが彼女らの本分ですからね。
後は、器用値の高さで言ったらたまねぎなのですが。
まぁ、とりあえず試しに呼んでみて、だめそうなら、違う子を呼べばいいですか。
「それでは行きます。召喚、たまねぎ、ききちゃん。」
スキルの使用と共に、地面へと魔法陣が現れ二人が召喚されます
「二人とも、今日はよろしくお願いします。早速ですけど、二人は調合とかのサポートって出来ますか。」
そう尋ねると、ききちゃんはにっこり微笑んでうなずいて、たまねぎもお任せください的な意思を感じたので多分大丈夫なんでしょう。
「それでは作っていきましょうか。」
そういって私はウインドウを開きます。
アイテムの作成にはレシピを使った作成とオリジナルアイテムを作れるオリジナル作成の2種類があります。
レシピを使った作成では、自動作成と手動作成の2種類を選ぶことが出来、自動だと素材を選択し、MPを消費することですぐにアイテムが出来ます。量産するときに便利です。
手動だと薬草をすりつぶしたり、それを煮出して成分を抽出したりと手間がかかる代わりに高品質なものが出来やすいそうです。
また、一度は手作業で作ったものでないと自動作成は行えないようです。
品質も手動作成で作ったのも以上になることはないので一度は手動で良い物を作る必要があるようですね。
オリジナル作成は、その名の通り完全に好き勝手素材を選んでアイテムを作れるって物です。
また、完成したアイテムはレシピに登録することも出来るので量産も可能です。
レシピの手動作成で腕を磨き、オリジナル作成に挑むのが生産系の流れらしいです。
私は、調合で最初からレシピとして持っているポーションのレシピを選択し、手動による調合を開始します。
すると、ききちゃんが輝かんばかりの笑顔で私を見つめてくれます。
「あぁ、今日もききちゃんはかわいいです。って、違いますよね。これ、物理的に光ってませんか。」
気付いたらなぜか、ききちゃんがら謎の光があふれ出ていました。
ついでに私も光ってるみたいですよ。なんですかこれ。
私は慌てて、ステータスをチェックします。
すると。【働き者の加護】なるなぞの状態になっていました。
効果としては生産系のスキル使用時にプラス判定だそうです。
「あ~、これがききちゃんの能力なんですね。」
コクコクうなずくききちゃんの頭をなでなでしながら、私は改めてポーションの作成に取り掛かることにしました.
今回は、レシピ選択からの手動作成なので、作業手順が頭の中に浮かんできます。
「ふむふむ、まずは薬草を乳鉢ですりつぶすのですね。」
しかしこれ、オリジナルアイテムを作る場合は手順も一から考えないとだめなのですよね。
ある程度基本となるレシピは図書館とかで手に入れることが出来るらしいので、その辺りのレシピをアレンジしたりして感覚を覚えていく感じなんでしょうか。
「まぁ、とりあえず目の前のポーションを完成させなくちゃ始まりませんよね。」
私はヤモギをある程度小さく手でちぎり、乳鉢に入れていきます。
そして、しばしゴリゴリといい感じのペースト状になるまで潰し続けます。
「ふぅ、こんなものでいいでしょうか。」
ぱっと見、大きな欠片は無くよくすりつぶされているように見えます。
大丈夫だろうと思い、次の工程に移ろうとするとたまねぎの触手が伸びてきてストップがかかります。
たまねぎは球根部分をゆっくり横に振り、まだだめですと伝えてきます。
そして、触手を乳棒を持つ手の方へ伸ばしてきたので私は乳棒を触手へ握らせました。
すると、たまねぎが少々お借りしますと乳鉢もつかんでそのまま乳鉢を回すようにしながら乳鉢でゴリゴリとすりつぶし始めます。
30秒程度ゴリゴリとした後出来ましたと伝えてきたので乳鉢の中を見てみます。
「おぉ、なんかさっきよりごつごつした感じがなくなって綺麗にペースト状になってますね。」
たまねぎ、私より器用なんじゃないでしょうか。
いや、ステータス的にはたいした変わらなかったはずなんですけど……
たまねぎもなんかしらのスキル持ってるのでしょうかね。
植物系の素材に対してプラスとかでしょうか?
まぁ、とりあえず次です。
次はこのペーストをゆっくり加熱しながら水に溶かしていくのですね。
まずはアルコールランプのようなのもに火をつけて……
これ、マッチとかじゃなくてボタンで火がつくんですね。地味に便利です。
次に金網を置いて、ビーカーを載せます。
そして、水を注いで……
水?
「あ……」
私は慌てて辺りをきょろきょろと見回します。
しかし当然、あたりに水道なんてものはありません。
現実なら水なんてちょいと汲んで来ればいいだけなので、すっかり失念していましたが、私は水なんてアイテムは持っていなかったのです。
ききちゃんとたまねぎも急に作業をやめた私を不思議そうに私を見ています。
ここまでやって、水を用意していませんでしたは流石にかっこ悪いです。
「なにか、なにか代用できそうなものは無いでしょうか。」
私は慌ててインベントリに納められているアイテムを調べてみます。
仕えそうなものは、液体状なものは何個かあります。
まずはチュートリアルクエストでもらった下級MPポーション。
流石に貴重なMPポーションでただのポーションを作るのは気が引けます。
あとは初めから持っていた下級ポーション。
下級ポーションを材料に下級ポーションを作るって意味わかんないですよね。
もしかしたら品質上がったりするのでしょうか。
でも、品質上げなら同種のアイテムを錬金術で融合した方が簡単ですよね。
「考えるんです私、なにか手があるはずです。」
いやまぁ、普通にここを出て、その辺のお店でなにか買って来ればいいだけなんですけど、それをやったら負けな気がします。
慌てている私をききちゃんが心配そうに見ています。
「あぁ、大丈夫、大丈夫ですからね。」
私はききちゃんをなでなでしながら更に考えます。
ん……
ききちゃん……
そういえば、ききちゃんて、飲み物出したり出来るんですよね。
あれだって液体ですよね。
「そうです、その手がありました」
私は思わすききちゃんを抱きしめます。
はわわと慌ててききちゃんが私の腕から逃亡を図りますが、私はそれを許さず更になでなでもします。
「よし、ききちゃん。あなたはどんな種類の飲み物を出せるんでしょうか?」
いきなりアレンジレシピになってしましますが、きっと大丈夫でしょう。
大丈夫と言うことにしておきましょう。
ききちゃんが少し考えているのを見ながら、私は調合を再会しました
もしかしたら土曜前にあと後1話ぐらい投稿出来るかもです




