謎の少年
「この都市はもうすぐ地図から消える!!みんなを連れて今すぐ逃げろ!!!」
「……はあっ!?」
城の前の広場に突如として現れた謎の少年は必死にチイアに訴える。
「消えるって言ったって、誰が何をするんだよ。」
しかし、事情が分からないチイアたちは疑うことしか出来ない。すると、
「お、おい!みんな上を見ろぉ!!」
誰かが叫ぶ。つられて上を見ると、巨大な火球が浮いていた。ホニンパンジャ全域を覆えるほどの大きさだ。
「チッ、もう来やがったか…。」
「来やがったって、だ、誰がこんなこと出来るんだよ!!」ヤゴナが焦った様子で質問する。
「俺を追っかけてる連中さ。今この世界に昔の極悪人を復活させようとする団体がいるだろ。ソイツらにちょっかいかけたら狙ってきやがったんだよ。」
「それはちょっかいかけたお前が悪いだろ!!」ヤゴナが指摘する。
「そんな話どーでも良いけど、これ逃げなきゃ俺らやばくねぇか。」チイアはそう言うが足が震えていた。この火球に見覚えがあるからだ。
「気づいたか、チイア。この火球はお前の故郷を滅ぼしたのと同じだ。」
「なんだって…!!」
「いいかチイア。この危機を自分で解決できない限り、お前はまた同じことを繰り返す。また大切な人や居場所が無くなってしまうぞ。」謎の少年はチイアに言う。
「繰り返したくないのなら、お前の力で立ち向かってみろ。もちろん、ギフトはあるよな?」
「……え。オレ、ギフト、ナイ………。」チイアがそう告白をすると、場に静寂が流れる。
「……マジか……。」すっかり人がいなくなった城の前の広場には、チイア、ヤゴナ、謎の少年の3人が立ちすくんでいた。
謎の少年が口を開く。
「まぁいい、ギフトの覚醒はいつも不規則だからな。手始めに俺を見ていろ。そしたら覚醒するかもしれない。」そう言うと、
ドンッッッ!!!
少年は火球に向かって飛んだ。
「『聖具想創』…!」
謎の少年の左手が光に包まれ、その光が1本の長剣に変わっていく。
「『上昇十字』!!!」
ズバァッ!!!
火球は十字に切られ消滅した。その先には大きく細長い男と翼を持つ女がいた。
「なんだあの2人は?片っ方はとんでもなくデカくてもう片っ方は翼が生えてるぞ。」チイアがそう言うと、
「あれが俺を追っかけてるヤツらだ。あの2人の他にもたくさん雑魚が居たんだがあっさり消せた。」
謎の少年が着地しながらそう解説する。
「おっと、自己紹介がまだだったな。俺の名前はノシナ•ガナノ。よろしくな。」
少年はチイアたちに向き合い、名乗った。
「ノシナ•ガナノ……」チイアが呟く。
「ああ、お前のg」
「てか、あんな凄いこと出来るのになんで最初からしないんだよ!!」ヤゴナが食いぎみにツッコミを入れる。




