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あめめといろはのおなか大冒険~弟が飲み込んだ魔法のアメ玉を取り戻せ!~  作者: しぐまみゅう
第一章 はるとが魔法のアメ玉を食べちゃった

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2. 小さくなっちゃった

「あめめ、それを早く言え」


「だって、だって――」


 あめめの目に涙が浮かぶ。


「うわーん」


 あめめが泣いちゃった。でも、泣いている場合ではない。私はお姉ちゃんとして、はるとを助けなきゃ。


「ひなた兄ちゃん、急いではるとのおなかから、魔法のアメ玉を取り出さないと!」


「ああ、そうだな」


「おねえたん、おにいたん、おしろできた」


 私たちの心配をよそに、はるとはご機嫌に積み木を積み上げていた。


「それであめめ、はるとがアメ玉を飲み込んだのはいつだ?」


 ひなた兄ちゃんが努めて冷静に、あめめに聞いた。


「うぇーん。ひくっ。ついさっき。何かあってもすぐには魔法がこぼれないように、守りの魔法がかかっているから、まだ溶けてないと思う」


「いろは、保険証はどこだ? 病院に連れて行こう」


「病院?!」


「胃の中をカメラで探して、取ってもらうんだ。うちの医大に電話してみる」


「ひなた……。そ、それは難しいと思う」


 あめめがシュンとしながら言った。


「どうして?」


「魔法のアメ玉は、あめめと一緒で大人には見えないの。だから病院のお医者さんには見えないと思う」


 普通の大人たちには精霊の姿が見えない。でもうちの家族は、パパも、ママも、ひなた兄ちゃんも、あめめのことが見える。あめめ曰く、心が清らかで優しいかららしい。


「じゃあ、おしりから出てくるのを待つか。口から入った食べ物が体の外に出てくるまで1日以上かかるけど」


「……丸1日!? そんなにおなかの中にいたら溶けちゃうかも」


「じゃあ、俺たちはどうすればいいんだ?」


 ひなた兄ちゃんが頭を抱えた。さすがに自分が通っている医大の先生たちに、見えないアメ玉を取ってきてくださいとは頼めないもんな。


 あめめはもうパニックだ。「どうしよう」「どうしよう」と、ずっと言っている。


「ひなた兄ちゃん、はるとに吐き出させることはできないかな? のどの奥って押すと気持ち悪くなるよね」


「いや、いろはそれは絶対にだめだ。普通のアメ玉より大きいんだろう? 吐き出す時につまるかも知れない。すごく危険だ」


「そっか。まどろっこしいな」


 そして、私は何の気なしに言った。


「――自分たちが小さくなって、おなかの中に入れば、簡単に取り出すことができるのに」


 あめめが急にひらめいたという顔をした。


「できるよ! 小さくなればいいんでしょう?」


「えっ――?」


「あめめは、キャンディーの精霊。見習いでも魔法は得意なんだよ!」


 急にあめめが胸を張る。とても嫌な予感がする。


「ねえ、あめめ。その魔法、本当に大丈夫? 元の大きさに戻れないとかない?」


「絶対に大丈夫! あめめ、魔法には自信があるんだ」


 確かに、あめめは色々な魔法が使える。


 ――お茶を甘くする魔法

 ――何でもキャンディーに変えちゃう魔法

 ――そして綿あめの雲で空を飛ぶ魔法


 だが、その使いどころがものすごく下手くそだ。


「つまり小さくなって、胃の中にあるアメ玉を回収するってこと……?」


 ひなた兄ちゃんが極めて心配そうに聞いた。


「そう!」


「そんな作戦、上手くいくのかな?」


 私は首をひねる。


「いや、もうちょっと現実的な案を考えよう」


 ひなた兄ちゃんが頭を抱えていると、あめめが叫んだ。


「とにかく時間がないから、やってみようよ! ひなた! いろは! みーんなまとめて小さく小さくなあれ!」


「ちょっと待って、あめめ!」


 あめめが手に持った杖を一振りすると、私たちは黄色の光に包まれた。


 ――ポンっ!


 私たちはあめめの魔法で、あっという間に10円玉サイズになった。

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