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あめめといろはのおなか大冒険~弟が飲み込んだ魔法のアメ玉を取り戻せ!~  作者: しぐまみゅう
第五章 あめめの家族えがお大作戦

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2. 塩クッキー

「……塩クッキーですか?」


 マカロは本当においしいのかなって顔で、ママが渡したクッキーを受け取った。


 マカロは『パティスリー・サオトメ』にアメ玉を置いてくるぐらいだから、きっとかわいくてキラキラしたお菓子が好きなんだろうな。マカロはとってもおしゃれさん。ワンピースにも、リボンがたくさんついている。ためらいながら一口塩クッキーを食べた。そして、目を丸くした。


「これ、とってもおいしいです」


 私も一枚つまんで口に入れた。優しい味がする。ママが出してくれた紅茶に、よく合っておいしい。


「ママ、このクッキー、ついたくさん食べちゃうね」


「こら! いろは、食べ過ぎよ。もうすぐ夕飯なのに」


「あ!! いろはずるい! あめめも食べる!」


 起きてきたあめめが、勢いよくクッキーに飛びついた。口の周りをクッキーだらけにして満足そう。


「あ! あめめ、起きたなら、羽を元に戻して」


「ああ、ごめん。忘れてた! 元に戻れ~!」


 まったく、あめめは忘れっぽいんだから。あめめといつも通り笑っていると、マカロが次のクッキーをつかんだ。


「チョコレートもフルーツものっていないのに。……どうしてこんなにおいしいの?」


「このお店はママのお友達が出したお店だから、もちろんひいき目もあるんだけど、食材選びからレシピまで本当にこだわっているの。何度も何度も試行錯誤して、みんなに喜んでもらえるレシピにたどり着いたらしいわ」


「マカロ、お菓子は見た目じゃないってことだよ」


 あめめが分かったような口を利く。


「確かに、お菓子をSNSで流行らせるためには、『パティスリー・サオトメ』みたいに、見た目のかわいさも大事だと思う。でも人に長く愛されるお菓子って、こういう一見目立たないけど、こだわって作られたお菓子だとママは思うな」


 ひなた兄ちゃんも一枚頬張ると笑顔になった。そう言われてみると、何の変哲もないように見える塩クッキーが特別なものに見えてきた。


「そういえば早乙女さんも、昔は愛情を込めてお菓子を作っていたって、精霊王が言っていました」


「早乙女さん、最近テレビに出たり、本を出したり大忙しだったから、少し本業がおざなりだったのかもね。店を続けるには、もちろん知名度やお金も必要だけど、初心を忘れてはだめね」


「早乙女さんに原点を思い出してもらえるように、わたくしも頑張ります!」


「ふふふ。マカロ、その意気よ」


「ねえねえ、ママ」


 あめめがママのブラウスの袖を引っ張った。


「どうしたの? あめめ」


「今度、あめめを塩クッキーのお店に連れて行って。そのパティシエさんにアメ玉を渡していいか、この目で確認したい」


「あ、確かにいいかも。私は喜んで彼女を推薦するわ。あめめもマカロも精霊試験にちゃんと合格して、一人前の精霊さんになれるといいわね」


 ママがにっこりと笑った。

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