表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あめめといろはのおなか大冒険~弟が飲み込んだ魔法のアメ玉を取り戻せ!~  作者: しぐまみゅう
第三章 やっと脱出

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
11/21

2. アメ玉が消えちゃった

「事情は後で説明するから、とにかくここから助けて」


「分かったわ、まずはおむつを替えちゃうから、あなたたちは少し待っていなさい」


 ママは手際よくはるとのおむつを替えた。おしりをふいてもらってはるとは上機嫌だ。


「キッチンから割りばしとタッパーを取ってくるわね」


 割りばし? タッパーは何に使うんだろう? ママはすぐに戻ってきた。


「今からあなたたちをつまみ上げるから、そちらのタッパーで体をよくふきなさい。ウェットティッシュが細かく切って入れてあるから。後でタッパーごと捨てるから、自由に使っていいわよ」


「ありがとう、ママ」


 私たちは、1人ずつタッパーに移され、体をふいた。最後は魔法のアメ玉。


「ママ、それ! 魔法がつまった大切なアメ玉なの。大切に持ち上げてね」


「分かったわ!」


 そう言って、ママは何度も箸でアメ玉をつかもうとした。苦戦している。まあるいアメ玉を箸でつかむのは難しいだろうな。表面にうんちもついているし。


「ママ、待って! 箸よりスプーンの方が――」


 ――グチャ


 そう言い終える前に、とても残念な音がした。


 ママが箸で魔法のアメ玉を持ち上げようとした瞬間、アメ玉がはるとの体内にある間にできたヒビが一気に広がって、アメ玉から虹色の閃光が漏れ出た。そして、アメ玉から完全に光が消え、砂のように粉々になって消えていった。


「ああ」


「……魔法のアメ玉が消えちゃった!」


 あめめは、しばらく箸の先を見つめたまま、動かなかった。いつもならすぐに「どうしよう」と騒ぐのに、今は声も出ないみたいだった。あめめは目に大粒の涙を浮かべている。ポロポロと涙が頬をこぼれ落ちる。


「よく分からないけど、ごめんね。あめめ。力は入れていなかったんだけど」


「ママ、そのアメ玉にはもう亀裂がたくさん入ってたの。消化液もたくさんついてたし、ママのせいじゃないよ」


「うわーん」


「あめめ、元気出しなよ。あんなにうんちまみれになっていたら、愛情を込めてお菓子を作っているパティシエのところには、置きに行けないよ」


「そうだぞ、あめめ。お菓子屋さんは人一倍、食中毒に敏感なんだ」


「ぜんぶ、あめめのせいだ。はるとを危ない目に遭わせたし、いろはやひなたにも迷惑をかけた。お菓子の精霊王に怒られる。試験も失格だ」


 いつも元気なあめめが、しおれた花のようになっている。


「あめめのこと、全然迷惑だなんて思っていないよ。あめめの試験をやり直しにしてもらえるように、私も王様のところに一緒に謝りに行くから、元気を出して」


「巻き込まれたついでに、俺も一緒に行ってやる」


 頭がいいひなた兄ちゃんがいれば心強い。私たちはもうチームだ。あめめが精霊王のところに怒られに行くなら、みんなで行こう。


「ねえ、あめめ。みんなで一緒に謝れば、きっとお菓子の精霊王だって許してくれるよ」


「ありがとう、みんな」


「だからまずは一緒にお風呂に入ろう!」


「うん」


「これは……あめめがかけた体が小さくなる魔法かしら? お風呂場まで連れて行くから、そこで元のサイズに戻ってね」


「分かった!」


「レディーファーストだから、ひなたは少しそこで待っていてね」


「うげげ、いろは、あめめ。早く入るんだぞ」


 ひなた兄ちゃんが、ウェットティッシュの切れ端で体をふきながら言った。


「頑張ります」


 私たちは、ママに連れられてお風呂場に向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ