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レトロ喫茶のマスターは珈琲より紅茶がお好きなようです  作者: あざらし かえで
第三章 イケメン揃いのレトロ喫茶です

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22.明日のおススメコーヒーは?

 今日の営業も無事に終えて、店を閉める。

 閉店作業も粗方終わったし、とっきーとげんちゃんも俺のいるカウンターのところへ戻ってきた。

 

「二人とも、お疲れ様。明日はブルマンをおススメにして少し値引きしてみようと思ってるんだけどどうかな?」

「ブルマンってブルーマウンテン? あの豆高くなかったっけ」

「ブルマンというと、酸味よりだったな。スイーツもそちらに合わせるべきか」


 とっきーとげんちゃんはカウンターの椅子へ腰かけて、俺を見上げる。

 話しながらハンドドリップで淹れたブルマンを二人の前へ出した。

 ブレンドしてないブルマンだから高級な豆なんだけど、ストレートで飲むと酸味が強いはずだ。


「あー……そういえばこんな味だった。お高い味。これ、苦手な人もいるんじゃない?」


 とっきーは、ハッキリと感想を伝えてくる。

 その通りだから、俺も頷く。

 

「たぶんね。俺も飲めるけど好みとは逆なんだよな」

「俺は蒼樹(あおい)が淹れてくれたコーヒーならなんでもうまい」


 げんちゃんは褒めてくれてるんだろうけど、求めてる感想とはズレちゃうんだよな。

 笑いながら、俺も一口飲む。

 口当たりはスッとしていて飲みやすいけど、独特の酸味があるんだよな。

 ただ酸っぱいだけじゃないんだけど、コーヒー通以外は酸っぱいコーヒーってことで終わっちゃいそうだ。


「あえてこのまま出してもいいんだけど……やっぱり他の豆とブレンドしてコクを出した方がいいか迷い中」

「蒼樹の好きにしていいと思うけどね。安くしたいっていうのはなんで?」


 会計担当のとっきーが鋭い目線で突っ込んでくる。

 それはそうだ。

 いきなり安くするだなんて言われても、困るよな。


「知り合いのコーヒー店が店のセールでたくさん入荷したらしいんだけど、思ったよりも数が出なかったんだってさ。期限が切れちゃうと勿体ないからって格安で分けてくれたんだ」

「へぇー。それなら収支は問題なさそうだな」


 とっきーも納得してくれたみたいでホッとする。

 納得してくれたらしい二人は、俺の淹れたブルマンを安心した顔でまた飲み始めた。

 げんちゃんはストレートのままコーヒーを飲み干したみたいだけど、とっきーは砂糖とミルクを入れて味を確かめているみたいだ。

 

「だから、味を知ってもらうっていう意味でこのまま出すのもあり。とっきーみたいに砂糖とミルクを入れちゃえば元々の飲みやすさでサラっと飲めるし、げんちゃんの作るスイーツでも酸味は緩和されそうだよな」

「フルーツケーキで爽やかな酸味をぶつけるのも悪くない。あまり甘すぎないスイーツの方が良さそうだ」


 とっきーもカップを傾けながらにやりと笑う。

 その顔じゃなければ多少説得力がありそうなのにな。

 

「フルーツタルトなんて言ったら、女子は好きなイメージあるから食いつきそう」

「甘さを気にしない人はどの飲み物でも関係なさそうだけどね。じゃあ、明日のおススメはブルマンでいこうか」


 二人ともブルマンで納得してくれたから、おススメコーヒーをブルマンに決定する。

 いつもはコーヒーを飲み終えたところで解散するんだけど、今日はげんちゃんが先に帰ったから俺ととっきーの二人でバックルームへ向かう。

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