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レトロ喫茶のマスターは珈琲より紅茶がお好きなようです  作者: あざらし かえで
第三章 イケメン揃いのレトロ喫茶です

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21.順調な滑り出し

 俺の必死のアピールの効果も出てきたのか、若い女性のお客さんも増えてきた。

 静かな時間を過ごしたい常連さんともトラブルにならないように、楽しくおしゃべりしたい人には二階の席を勧める。

 リノベした二階は、元々写真を撮りやすいような配置で客席も並べてあるし女性にとって過ごしやすい空間なはずだ。

 

 問題は俺たちの顔を撮らせて欲しいという申し出が多いということ。

 とっきーは写真のサービスも有料化したら? なんて言ってたけどそれは俺の目指す店とは違う店だ。

 とりあえず、一人一枚だけなら撮ってもいいですよっていうことにした。

 

 自分の顔を色々な人に見られるっていうのは微妙だけど、これも売り上げのためだ。

 そもそも、女性のためのコンセプトカフェにするつもりはない。

 コンセプトカフェは別のお店のお兄さんたちに任せたいジャンルで、ウチの店はあくまでレトロ喫茶として、寛いでもらうことが主目的だ。

 今は物珍しくてって感じだろうけど、そのうち俺らのことも見飽きるじゃないかな。


「マスターさん、今度おススメのコーヒー器具を教えてください! 私も自分で豆を挽いてコーヒーを淹れてみようと思ってるんです」

「ご自分で淹れるコーヒーも良いものですよ。私でよければおススメの器具を紹介しますね。メーカーもいくつかありますし、淹れ方によって器具も変わってきますからお気軽にご相談ください」

「やった! じゃあ今度来るときまでにどの淹れ方にするか決めてきます」


 カウンター席では、ゆったりとした時間を楽しんでもらうために写真を撮るのは店の物だけにしてもらっている。

 飲み物やコーヒー器具、運ばれた食事は自由に撮ってもらって構わないけど大声を出すことは禁止だ。

 常連さんもいるし、俺たちの写真だけ撮って大きな声で騒がれても困っちゃうからな。

 推しと写真を撮って楽しむような推し活をしたいお客さんは、来店時に申し出てもらうようにしている。

 二階は自由に楽しんでもらう場として開放してるし、団体さんの予約があった場合も二階を使ってもらうようにするつもりだ。


「お待たせしました。こちらカプチーノとカフェオレです」

 

 飲み物を二人の女の子の前へ置く。

 二人は写真を撮ると、待ってましたと嬉しそうにつぶやきながらカップに口付ける。


「コーヒーの香りって最高よね」

「確かにー。リラックス効果がある気がする」


 温かい飲み物を飲むとほっとするのは分かる。

 特にコーヒーは香りが立つから、リラックス効果もありそうだ。

 俺が作ったコーヒーでお客さんが喜んでくれるのが一番嬉しい。


 この調子でお客さんが増えてくれれば、店も軌道に乗るんじゃないかな。

 とっきーとげんちゃんも頑張って支えてくれてるし、俺もより一層頑張らないとな。

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