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「いやぁ……マジで集ってくるハエのようにいっぱい来たなぁ……」
「あそこの天使ってとにかく数と力で押してくるからねぇ。これでも、自分達のホーム世界じゃないから、まだ数少ないんじゃなぁい?」
「これ以上とか、それはもうジャングルの中のハエの方がマシなくらいじゃないか?」
桜花祭開始前から、エリア内には天使の反応が多数あった。
それで全部かと思っていたんだけれども、桜花祭が始まると同時に空から更に追加で降下してくるのが見えた。
それも、人間の目では見えないけれども、この機体のカメラで捉えた所だと、空全体に黒い小さな虫か何かが飛び回っているかのように降りてきているんだ。
数が多すぎてキモイ。
「まあ、これで相手がやる気でやって来てることが誰の目にも明らかだし、こっちはこっちで色々言い訳も用意してあるしで、遠慮なく駆除できるな」
「アハハハハ!そう言う事だねぇ!あちしがいる場所にあんな薄汚い鳥たちを送り込んで来た以上、やられても文句は言えないよねぇ!クリスティーナじゃなくて、『アウロラ』の名前で抗議してあげてもいいよぉ」
「それじゃあ女神アウロラ様、開戦の狼煙を気合入れてお願いできますか?」
「ニヒヒヒヒ!いいよぉ!ロックしてぇ……対天使用滅殺ミサイル、とりあえず1000発くらいうっちゃうね~!」
ピピピピピっと、狙いを定める音がした後に、発射ボタンを押す音が響く。
続いて、ボシュシュシュシュシュっと連続でミサイルが背部のミサイルコンテナから発射された。
ミサイルコンテナ、とは呼んでいるけれども、実際にはミサイルが積まれている訳ではなく、天使を殺すために組まれた追尾型の魔術の弾が生成される装置だ。
俺も詳しい仕組みは分からんけども、とにかくすごいスピードでなんか凄いのが作られて、そのまま撃ちだされる機械らしい。
初速は、銃弾などと比べたらあまり速くはないけれども、こいつらは自分で推進力を生み出して飛んでいくので、離れた場所にいる敵に対して減速無しで、しかも追いかけながら飛んでいくので、ミサイルと呼んでいる。
その滅殺ミサイルだけど、天使に当たったらどうなるか……。
ドンっ……ドドドドドドドドドドドドオオオオオオオオオオン!!!!!
1発目が命中して爆発したのを皮切りに、どんどんと爆発して天使たちを駆除していく。
実は、爆発で天使を消し飛ばしている訳ではなく、神聖な魔力とやらで構成されている天使の肉体を、その神聖な魔力その物を炎という現象に使用する事で消滅させるのがこの対天使用滅殺ミサイルなので、その後の爆発は、ぶっちゃけただのおまけの演出でしかない。
まあ、俺たちは魔王役なんでね?派手にした方がいいかなってね?
『犀果様、天使に対する十分な効果が確認されました』
「わかった。じゃあ、遠慮なくぶっ放せ!」
「おっけー!」
『畏まりました』
情報分析を担当していたアイが、対天使用滅殺ミサイルが計算通りの結果を出してくれたことを教えてくれた。
AIメイドの皆には、会場外の部分を護ってもらっている。
場合によっては、王都中に奴らが飛来する可能性もあったので、念には念をという事で、王都中にミサイルコンテナが設置してあった。
……「天使を倒すだけなら、人型兵器は必要無いですよね?」と彼女たちに提案されてこの形になったけれども、ちょっと寂しい……。
『おぉ、派手ですね大試先輩ー』
『あわわわわわ!?空が火の海じゃないですか!』
「心配するな。あの爆発の中にいた天使は、跡形もなく消し飛んでるから」
『イェイ!バンバン駆除しましょー!』
『怖いんですけどー!?』
隣の真っ白なパワードスーツ、パピオンからも攻撃が始まった。
セラフィが大喜びで天使たちを消し飛ばし、後ろに乗っている筈の涅からは悲鳴みたいな声が通信越しに聞こえ続けているけれども、リエラの魔力でモリモリぶっ放される攻撃によって相当なキル数を稼げているようだ。
「さて、天使は任せたぞ。俺は、生徒たちを相手にするかなー」
「いいねぇ!やっちゃえやっちゃえ!」
これ、空一面が燃え上がっているという、もう天変地異か何かみたいなインパクトのある絵面になっているけれども、本来はただの学生が行う演習みたいなものである。
天使が見えていないであろう学生たちにとっては、俺たちの行動がすごく奇妙に映っているだろう。
その為か、俺達を中心に半径200m以内に絞っても100人以上の生徒がいるにもかかわらず、未だに俺達に対して攻撃をしてきた奴は0だ。
まあ、ロボットがいきなりミサイル乱射して、生徒がいない筈の空を爆破し始めたらビビるとは思うけども……。
でも、それだと俺の魔王としての役目が果たせない。
さぁ、生徒たちよ!俺を敵として認識し、かかってくるがいい!
というわけで、ポチッとな!
パシュパシュパシュパシュッ
背中のミサイルと比べると、若干控えめな音で胸の部分から山なりに発射される小さなミサイルたち。
これは、天使を滅殺するものではなく、当初の目的のための機能のみを搭載した抑えめの性能しかない。
つまり!
『アババアバババ!』
『イビビビビビ!?』
『しししびれれれれ!』
ミサイルが命中した辺りに、ビリビリとスタンするフィールドが形成された。
そこに捕らえられた生徒たちが、一様にビリビリとやられていく。
ダメージは、まったくの0という訳ではないけれども、直ぐに死ぬようなものではないので、今の所誰もまだ倒していない。
そう簡単に倒してしまったら、魔王として倒されるべき存在である俺の役割が果たせないけれども、かといって何もしないと、このままだと異常な行動を繰り返す俺達を唖然とした表情のまま放置しているだけの人間が多そうだし、バンバン撃って行こう!
まあ、現状天使がまだまだいるので、そいつらが掃けるまでの時間稼ぎだな。
そうして何度か撃っていると、センサーで何人かの生徒が走り込んでくるのがわかった。
近接武器を持っているので、このヘルシャフトに接近戦を挑むつもりらしい。
ミサイル乱射するでかいロボットに生身で突っ込んでくるその心意気……。
うーん……彼らに3000点!
しっかりと魔王役のボーナスバルーンに向かってきてくれた奴らに感謝しながら、俺は4門のガトリングガンを回し始めた。
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