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風呂から皆が戻って来た後、俺は今回桜花祭に参加する全員に状況を説明した。
「天使を駆除する」
「わかった」
「ぎぇえ!?ちょっとま!?聖羅さん私じゃなくて!?口から羽漏れちゃう!」
「待て聖羅!そいつはこの世界産だからOK!外来種の天使だけ殲滅で!」
「わかった」
ノータイムでセラフィにチョークスリーパーをかけに行った聖羅を宥め、一生懸命説明し、やっとの思いでいくつかの事柄を決めた。
天使がどう動くかが完璧に把握できている訳では無いので、ちょっと行き当たりばったり感はあるけれども、まあそれはいつも通りといえばいつも通りだし……。
セラフィ曰く、
「確実に桜花祭のどさくさに紛れて大量に狩りを行うつもりですね。パピーは難しい事とか考えず、何か問題が起きても後から自分と主……株主の力で解決しようってノリですから。なので、トラブル起こすなら纏めて起こして、強引に力で解決する面倒な仕事を1度にしてしまいたいって思ってるんですよ。夏休みの宿題をまったくやらずに休み明けに登校して、先生に怒られたら親にチクって怒鳴り込ませて有耶無耶にしようって考えてるカスみたいなもんです。なので、間違いなく社員全員でわらわら来ますよ。休日の社員も強制動員ですねー」
ってな具合なので、まあここからは3Dアクションシューティングゲームが始まる事だろう。
今日の桜花祭が始まり次第、作戦に沿って俺達皆で行動を開始する。
これは最早、どうやって被害を出さないかを考えるサバイバルゲームじゃない。
ほぼ無双ゲーになるはずだ。
更に言うと、この世界を管理している女神であるリスティ様のご意向にも沿ったものなので、聖戦とも言える。
つまり、思う存分やらかしていい機会なのである。
いやぁ、ワクワクするなぁ!
「クリス、準備は良いか?」
「いいよぉ?バンバン撃てるよぉ。ざぁこ♡っていっぱい言えるようにのど飴も舐めて来たし!」
「ざぁこ連呼は別にしなくてもいいけどな……」
俺は今、ヘルシャフトに乗り込んで、王立魔法学園敷地内の広大な演習場のど真ん中に佇んでいる。
そして、後ろの席に座っているクリスに調子を確認すると、かなり意気込んでくれているらしい。
コイツがいる以上、天使を送り込んできているという別世界の神とやらもあまり強くは出られないだろう。
「セラフィ、そっちはどうだー?」
『問題ないでーす。今なら羽も翼も出さずに全てを吹き飛ばせそうですねー』
「そうか……よくわからんが……。涅とリエラも大丈夫かー?」
『は、はい……。いや、天使相手に戦う時点で大丈夫じゃない気もしますけど……』
『リエラ も 元気 です』
俺たちの乗るヘルシャフトの隣には、同型で真っ白のヘルシャフト2番機『パピオン』が立っていた。
乗っているのは、セラフィと涅、そして魔力タンクとしてリエラも同乗している。
セラフィだけだと魔力がちょっと心もとなかったのと、どうせ涅は今回の桜花祭そこまでやる気も無さそうだったので、一緒に乗せておいた。
魔王役として参加すれば、それだけで高得点が約束されているので、涅にとっても悪くない話だろう。
多分、きっと。
『犀果せんぱーい!私は本当に好きに戦っていいんですね?』
「ああ、好きにやれ。魔力は十分チャージされてるはずだから、撃ちっぱなしにしても1時間は持つと思うぞ」
『了解!ヒャッハ―!』
多分天使に目をつけられているであろう宣言君チームには、海鈴をつけている。
本人の希望で、ヘルシャフト程ではないけれども、強力な兵装であるパワードスーツを与えておいたので、天使が来ても粉砕できるだろう。
こんな事もあろうかと!ってまる義兄さんが作っていたらしい。
ヘルシャフトを始めとした大型のパワードスーツは、完全に俺の魔力前提の存在になっているから、それに代わる代物でなんとか俺がいない状況で歩兵に装備させることが可能なもの、という現実的な観点から派生させて作った物だそうだけども、結局魔力タンクに入れておく魔力が膨大なため、俺か超強力なクソデカ魔石をモリモリ用意する必要があるので、未だ量産しての実用化の目途は立たないキワモノであるのは変わらんらしいが。
「そして、聖羅たちも頼むな?ちょっと怖いかもしれんけど……」
『大丈夫、心配ない』
『流石にちょっとビビるけど、任せなさい!』
『気合を入れてやります!』
『気合入れてやりたい事じゃないけど、でも……うん、その位の覚悟をしないとできないよね……』
『うぅ……まさかこんな事をすることになる羽目になるなんて思いませんでしたわ……』
天使殲滅作戦は、俺達パワードスーツ組が優先してやることになっている。
とはいえ、この会場には参加者が大量にいるので、そっちからも天使たちは確実に拉致をするつもりだろうと考えた俺たちは、ある作戦を実行に移すことにした。
仮に天使が生徒たちに襲い掛かったとしても、リスポン回数が残っていれば、その時点でリスポーン地点に戻れるはずだけども、その回数が切れてしまえばただの無防備な存在になってしまう。
しかも、天使は肉眼だと捉えられないらしいので何が起きているかもわからずに攫われてしまう可能性が高い。
それは困るので、俺は昨夜のうちに、チームごとに設置される予定のリスポーン地点を一か所に纏めるように彩音と交渉しておいた。
つまり、リスポーン地点さえ完璧に守れば、天使相手の人的被害をゼロに出来るって訳だ。
その為に、開始と同時に皆にはある事をしてもらうんだけども……。
因みに、生身でいる聖羅たちは、アイが作ってくれた天使を見ることができるオシャレグラサンをつけている。
俺も貰ったけど、つけたらどう見ても悪の組織の下っ端構成員だったので、パイロットスーツっぽいヘルメットに変更してもらったけど。
開始時刻が迫る。
始まりは、会場中に響くブザーによって知らされる。
俺たち以外の他の参加者は、開始と同時に会場内のどこかにランダムで飛ばされる事になっているが、それだけは1カ所にまとめるのが難しいという事だったのでそのままだ。
天使に襲われるなり、他の参加者にやられるなり、俺達に倒されるなりして、早めに1カ所に集まってくれることを祈ろう。
桜花祭開始時刻まで、5、4、3、2、1……。
ブー!!!!!!!!!!
「じゃあ全員!行動開始!」
『『『『『『了解!』』』』』』
そしてスタートと同時にパワードスーツ組は天使に狙いを定め、生身組は自殺をキメた。
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