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「…………えー、では、今日の所はこれにてお開きで……。この後は、各自パジャマパーティーをご堪能してください」
「え?え!?犀果先輩!?この空気でお開きですか!?そのままパジャマパーティーに突入しろと!?」
「行け」
「そんなぁ……!」
聖羅に引っ張られて女子の群の中へと消えていく海鈴を見送る。
ぐちょぐちょ百合が好きだって言っていたし、周り全員女子の環境は願ったり叶ったりだろ?
まあ、家の女子たちにその気は無いと思うので、聖羅に理解らせをかまされて終わりだろうが。
女子たちは、ここから大浴場へ行き、皆で仲良く、なかよーく入浴した後にパジャマに着替え、食堂で食事をしてから一緒の部屋で寝る手筈になっている。
俺の転生とかの事を知らないメンバーも一部合流するから、中々の大きなお泊り会みたいになる予定だ。
その間の話題は、特にこちらで何か指定している訳ではない。
存分に美少女だらけの尊い空間を作り上げてほしい。
そして俺は、そんな所に混ざった所で異物でしか無いので、さっさと食堂へと移動してきた。
食堂の扉を開くと、室内の天井照明が全て落とされていた。
そんな暗い食堂の中で、一つだけテーブルが明るくなっている。
そこに座る3人のメイドたち。
どうやら、俺が一番最後だったようだ。
「お待たせ」
「いえ、我々もこのセットを組むのに手間がかかったので、丁度良いタイミングでした」
「お兄ちゃんお疲れ様なのです!」
「いちごは凄く待ったきがする……もう1秒だって離れていたくないもん……」
「バグが発生していますね。潔くデリートされるべきであると助言しておきます」
「ピリカはアイに同意します」
「貴様らいい度胸だな……」
「仲良く!なかよーく!」
そこに座っていたのは、アイとピリカとイチゴだった。
彼女たちには、宣言君改め佐藤の監視と調査をお願いしていたんだ。
といっても、海鈴から聞いた話からすると、そこまで必要ないかもしれないけども……。
「女子チームが風呂から上がってくる前に、調査結果を確認しておきたい。じゃれ合うのはそれからにしてくれ」
「畏まりました」
「わかったの!」
「はぁい♡」
そしてようやく、報告会が始まった。
「まず、雷堂運命、通称佐藤は、警戒するに値しない人物でした。学力、身体能力、魔術適正、その他の特殊な知識。それら全てにおいて、犀果様の敵ではございません。むしろ、良くあのタイミングでステージに上がり、犀果様相手にドヤ顔で宣戦布告など出来たなと逆に感心します」
「寮の部屋の中もおそーじ君で確認しましたが、えっちな本だらけなこと以外特に何も無かったのです」
「今は、生徒会の反省房で顔以外氷漬けのまま反省中だって~」
「反省房?」
そんなのあったっけ?
生徒会のお手伝いみたいな事2年ほどしてきたけど、そんなもんの存在知らんのだが?
俺が疑問に思っていると、アイが補足してくれた。
「よっぽどのことが無い限り使われない場所です。前回使用されたのは、記録に残っているものだと10年以上前となります。生徒会の権限で使用される場所なので、王族や上級貴族が相手の場合は、それ専用の場所が外部に用意される事が多く、逆に下位の貴族や平民であれば、そこまで大きな問題を早々起こせないため、使用頻度が著しく低いようです」
「へぇ」
使うと思って作ってみたけど、実際に用意してみると微妙に使いにくかった感じか。
まあ、警察とかと関係なく生徒会の権限で生徒を拘束するって状況が普通ないもんな。
警察に御厄介になるような事だったら、そのまま警察に引き渡せばいいんだし、逆に警察も介入しないような事柄だとしたら、そもそもそんな事で生徒会が誰かを拘束なんて権利的にヤバいだろって話になるもん。
「じゃあ、佐藤一行に関しては、警戒の必要無しということで良いのか?」
「いえ、それが……」
「えーと……」
「うーん……」
「どうした?」
何故か3人のAIメイドたちが、同時に渋い顔になった。
怖い怖い怖い!キミらがそんな顔になるって、どんだけ面倒な事が起きてんの!?
「犀果様、貴方は、その佐藤一行の中に不審な存在がいたことに気が付いていらっしゃいますか?」
「不審な存在?行動の話か?」
いきなりステージに登って来て、人を罵っていくような奴の事なら知ってる。
「ちがうよお兄ちゃん!」
「これは、一回見てもらった方が話が早いっていちご思う!」
「はぁ……確かにそうですが、これを見せると、とても精神的にダメージが来そうだったので……。ですが、ここまで誰一人気が付いていないとなると、流石に放置もできませんし……」
「なんだよ……?凄い怖くなってきたんだけど……」
「それでは、こちらのスクリーンをご覧ください」
そう言ってアイが天井に手を向けると、少し横にずれた所に天井からスクリーンが垂れ下がって来た。
そこへ、映写機から光がぶつけられた。
「………………………………んん!?」
「お気づきになられましたか……」
その映像には、今日のステージ上での一件が静止画で表示されていた。
宣言君は、ズバッと俺に向かって指差しているし、他のメンバーも海鈴を除いて皆キリっとした表情をしているか、すごい馬鹿にしたような笑顔だ
そこは良い。
腹は立つが、とりあえず置いておこう。
問題は、そいつらの後ろに映ってるやつだ。
「なんか、化け物みたいなのがいないか?」
「はい、います」
「アレ、何?」
「わかりませんが、聖女である聖羅様や、元女神のリンゼ様でも指摘しなかったので、もしかしたら相当質の悪い物なのかもしれません……」
そいつは、天使だった。
だけど、俺達がイメージするような天使ではない。
ムッキムキの男天使が、何故か佐藤たち一行の後ろに仁王立ちしていたんだ。
しかし、俺はコイツを見た覚えが無い。
こんだけ目立ちそうなのに、だ。
「どうも、人間相手であれば完全なるステルスになれる魔術のようです。しかし、AIである私たち相手だと勝手が違うようで、全く効果がありませんでした」
「こんな筋肉天使が完全ステルスとか、勘弁してくれよ……」
まさかとは思うけど、天使って言葉をアバターネームにつけてたから降臨したって訳じゃないよな?
そうなると、悪魔とかもいっぱい出てくることになるんだけど、そんなことないよね……?
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