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やることは決まった。
いやぁ……楽しくなって来たなぁ!
そりゃさ、自分が正義の味方サイドになって戦うゲームは面白いよ?
でもさ、強大なる敵として全人類共通の敵みたいなポジションになって戦うゲームも面白いと思うんだよね。
しまも、つい先日俺はそれっぽいオッサンを実際に倒したばかり。
役になりきるための予習は出来ていると言っても過言ではない!
問題は、魔王様について思い出そうとすると、何故か娘関係で泣いてる事と、筋肉と、あとカレーの事ばかりが思い出されるという謎の現象が起きている事くらいかなぁ?
「もしもし?」
それにしても、ほんとよくこんな大して味のついてないパンばっかりニッコニコで食えるなコイツ。
クルミパンって普通、ジャムとかつけて食べるパンだろ?
本人がいいならいいけども。
「もしもーし?」
さぁて、どんな武器を引っ張り出そうかなぁ?
やっぱり派手な奴がいいよなぁ!
ってなると、アレとアレと……そしてアレと……。
「ふんっ!」
「ぐえぇ!?」
俺は、頭部を激しくぐりッと無理やり方向を変えられた衝撃で潰されるカエルのような声を出した。
そして顔面を向けられた場所には、大和撫子を絵にかいたような美少女の顔面があった。
その距離、20cmもないくらいの超至近距離である。
普通なら幸せに感じるんだろうけれども、首の痛みと、ある事情によって大変困る……。
「先輩、私の目を見てくださいませ」
「あ、ああ……」
「あら、目が泳ぎまくってらっしゃいますよ?何か、後ろめたい事でもあるんですか?」
「いやぁ……そんなことは無いぞ?」
「そうですかぁ……。では、私の下の名前を呼んでいただいてもよろしいでしょうか?」
「……俺、実は硬派な人間だから、嫁入り前の女性の名前を呼ぶなんてちょっと難しいんだわ」
「そうですかぁ……。なら、苗字でも構いませんよ?」
「……どうしてだ?えーと……あの……アレ、何か理由でもあるのか?わからないなぁ……」
「ええ、理由ならありますとも。だって先輩、私の名前……」
「忘れてらっしゃいますよね?」
「はい……すみません……さっきから思い出そうと必死でした……大和撫子っぽいってことと、フンドシの事しか思い出せなくて……」
「あ、それなら許します。私を構成する9割の情報がそこに含まれておりますので」
「そうなんだ……」
実は、このパン食べスペースと化している校舎裏の一角には現在、俺と彩音の他にこの娘もいた。
名前を忘れてしまっていたため、さっきからなんとかスルーできないかと思っていたんだけれども、結局本人にバレてしまったようだ。
というか、多分最初からバレてたなこれ……。
「春夏冬 紗枝です。覚えてくださいね?」
「はい、申し訳ないっす……」
「宜しい。許します」
リンゼによると、このゲームのモデルになったゲームのプロデューサーが、自分の性癖を全開にしてデザインしたという美少女様。
何故かこの世界だと、ブランドフンドシに心を奪われる不思議な存在になっているけれども、その美少女っぷりは相当なものだ。
ただ、いかんせん変な子過ぎてとっつきにくいのと、そもそも俺は別にこの娘とそこまで友達付き合いしていないせいで、完全に名前を忘れてしまっていたんだよなぁ……。
俺がこの娘と2人でやったことといえば、多分そのフンドシを出してるブランドのオーナーさんと会わせてやった事くらいなんだよなぁ……。
そうか、そんな名前だっけ……。
「えーと、それでどうかしたか?」
「はい、コイツ絶対私の名前忘れてるなって思ったので、とりあえず首を捻ってみたんですけれども」
「アグレッシブだねぇ」
「それはそれとして、私もその魔王役のお手伝いをさせて頂けないでしょうか?」
「はぁ?」
え?何言いだしたんだこの娘は?
生徒会副会長だから、キミがこっち側に来ることは許されていないんだが?
しかも、あんまり仲良くない女の子に近くに居られると、正直ちょっとアレなんだよね……。
「いやぁ、それはちょっと……」
「先輩、先程私の名前を忘れていましたよね?」
「え?うん、ごめんなさい……」
「それって、とっても酷い事だと思うんですよ」
「そうですね……」
「ほぼレイプです」
「それは違うと思う」
「という事で、私に手伝わせてください。そして、勝利した時の報酬に私の願いを一つ入れさせてください」
「えぇ……?めっちゃ強引……。聞くだけ聞くけど、何?」
大和撫子さんは、中身はあんまり大和撫子ではなくなっちゃったなぁ……。
美人なんだけどね……。
こんな顔して実はフンドシだからね……。
「ボーナスバルーン魔王が一人勝ちした場合は、校則で女子の下着をフンドシにすることを盛り込んでください。それも、先輩の名において」
「ちょっと待て、俺に対する罰が過ぎないか?そんなの変態にも程があるだろう?」
「え?変態?何がですか?靴下を黒に指定するような物でしょう?」
「それは違うと思う」
「名前、忘れてましたよね?」
「それそんな万能の交渉材料じゃないからな?」
俺は、そんな脅しには屈しないのだ。
だって、フンドシにそこまで価値感じてないもん。
しかし、直後に俺は手をくるっとひっくり返すことになった。
「巫女服」
「は?」
「競泳水着」
「……は?」
「それも一緒に制服として指定してしまえば宜しいのではないでしょうか?」
「お前……いったい何を……?」
「なんなら、私が率先して貴方の前で着て見せますが?キツネ耳もつけるんですよね?」
「貴様、いったいどこからその情報を……でも、よし!その話のった!どうせ達成されないことだし、俺以外にとっては、達成されたら不味い事でもあった方がいいんだしな!」
男子は、こっちにつくかもしれんがな。
「男子は、フンドシ一枚が制服ってことでいいですよね?」
「うーん……」
生徒全体を敵に回す事には成功しそうだな?
感想、評価よろしくお願いします。




