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「悪いエリザ、ちょっと外で話してくる」
「え?うん!わかった!」
不思議そうに後ろのバカ4人を見ていたエリザを残して、店外へと後輩たちを追い出した。
「おいお前ら……。何で貴族のイケメンプレイボーイっぽいお前らが、いくら物凄く可愛い女の子とはいえ目の前に立たれたからって、顔赤くして固まる様な事態になるんだよ?そこは、ノータイムで口説きに行くくらいのクソ野郎っぷりを見せる所だろ!」
「えぇ!?それどういう怒り方ですか!?」
「プレイボーイって言われても……私は女性と話すのがそこまで得意ではなく……」
「特にそこのダンスバカ!お前は、動画でほぼ全裸みたいな衣装のダンサーと一緒に踊り狂ってただろうが!なんでそれなのにエリザみて固まるんだ!?この中で一番ヤリまくりのクソ野郎っぽい雰囲気出しておいてよぉ!?」
「何を言っている先輩!?我はまだ童貞だぞ!?」
「お前こそ何言ってんだ!?その顔で童貞はねぇだろ!どう見ても寝取った女は星の数って顔だろ!」
「そんな貴族がいてたまるか!いや、いるのかもしれんが、我は違う!それに、ダンサーはアレでただの芸術作品だ!衣装まで含めてな!それに比べて今の彼女はどうだ!?ただの天然エロだぞ!頭ではきっとタンクトップか何かにホットパンツ着用なんだと理解できるが、エプロンで隠れているせいで裸エプロンに見えるんだぞ!?」
「然り……芸術は芸術……。股間に来るとは限らない……。だが、あのエロ……美しさは、ごまかしようが無かった……」
「うるせぇよ花咲ガニ!難しい言い回しで誤魔化してるだけで、つまりはエリザの見た目で興奮と緊張が限界に達して固まってただけじゃねぇか!」
「ふふ……固まった……確かに……海綿体が……」
「うるせぇよ!」
閑話休題。
「でも、僕らが固まっても仕方ないと思うんですよ大試先輩。だって、エリザ先輩って、2年生男子の中でもすごく人気なんですよ?美人だし優しいしおっぱい大きいし!その彼女がいきなりエッチな恰好で目の前に現れたら、そりゃ固まりますよ!」
「うん、私もそう思う」
「我もだ!」
「然り……」
「…………」
まあ、こいつらが言っている事が全く理解できない訳では無いので、許してやるかな……。
問題は、お前ら本当にその顔面でなんで女性偏差値がそんなに低いんだって事で……。
よく考えたら、こいつらと何だかかんだで仲良くなったけれども、生徒会で彩音たちと一緒にいる時以外、女の子と仲良くしているシーンを見た覚えがない。
いっつも男子だけで絡んでいる。
なんだコイツら?
それでもゲームのイケメンキャラか?
「というかですよ、あれだけ美人の婚約者を何人も囲ってる大試先輩と僕らチェリー力を比べてどうするんですか?繰り返しますが、そりゃ固まりますよ!」
「「「確かに」」」
「お前ら本当に仲いいな……」
そして、婚約者が増えに増えている現状、反論しにくいのも確かなんだけども……。
「でも、俺は童貞だからな?そういうのは、こう……大事にしたいじゃん?」
「うわ出た!この人本当に童貞の気持ち悪さがすごい!」
「一部で童帝と呼ばれているからね」
「だが!だからこそ仲良くできるのも事実!」
「結婚もしていないのに非童貞のカスと会話なんてしたく無し……」
「花咲ガニってたまにすごい口悪くなるよな」
またまた閑話休題。
ポポーポポポポ
ポポーポポポポ
「あ、おかえりー!」
「ただいま」
「テーブル席に案内するね~?皆もそれでいい?」
「「「「はいっ」」」」
「あは!すごいハキハキした返事だね!」
「「「「はうあっ」」」」
エリザに笑顔で声をかけられるだけで顔を赤くする馬鹿どもに関しては、もうどうしようもないという事で諦めた。
とりあえずグイグイ押して窓際のテーブル席を占拠する。
もうランチの時間的にも遅くなって、ほかに客誰もいねぇじゃん。
馬鹿どもと馬鹿な話してたせいですごい無駄な時間食ったわ。
「ごちゅーもんが決まったら読んでね~」
水の入ったコップを人数分置いたエリザがそう言ってキッチンへと戻っていくのを見送る。
そして、メニューを開いて男子たちに勧めようとしたんだけれども……。
「今チュウって言ったよね?」
「言ったね……」
「あの声だけで我は今夜……」
「フフフ……フフフフフ……」
お前らマジで修学旅行とか部活の合宿の時の夜中の男子部屋みたいなノリそろそろやめて飯食おうぜ?
「まあいいか……。メニューは何にする?」
「「「「王風カツカレー王盛りで」」」」
「迷いないなお前ら……」
俺だって最初ここに入った時、割と色々悩んでメニュー決めたというのに……。
「一応言っておくが、王盛りはライスだけでも2kgあるすごい大盛りだから気をつけろよ?」
「「「「じゃあ王盛りで」」」」
「話聞いてたか?」
チュウよりもヤバイ内容だからな?
何はともあれエリザを呼んで注文することにした。
「王風カツカレー王盛りを4つと……」
「え!?大丈夫?すごい量多いよ!?」
「「「「はい!大丈夫です!」」」」
「そっかぁ、流石男の子だね!」
「「「「はうあっ」」」」
男子4人のバカな反応はスルーすることにした。
そして、自分のメニューを頼もうとした時に、日替わりのメニューを確認していないことに気が付いたので一応確認する。
「そういえば、今日のワガママ王の日替わりランチって何か教えてもらって良いか?」
「あぁ……。えっとね、今日はそれやってないんだー」
「あ、そうなのか?それならしょうがないか……」
「うん、ごめんね大試?パパが今日いないから、マ王ランチにできないし……」
「まお……店長今日はいないのか」
「今日って言うか……1週間くらい前からお店にあんまり来なくて、来てもすぐ出て行っちゃう……」
「え?」
軽いノリで始めた世間話だったけれど、なんだか随分深刻な話な気がしてきた。
あの敵地と呼んでもよかった王都に娘を探すために単身でやってきて、そこでカレーに嵌って自分の店を作り上げた魔王様が、娘やカレーを放置しているだと……?
それは、すごくヤバいのでは……?
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