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剣と魔法の世界に行きたいって言ったよな?剣の魔法じゃなくてさ?  作者: 六轟


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792:

 全身に与えられる暴威を何とか凌いでいると、不意にそれが止んだ。


『大試君大丈夫!?』


 声が響いてきて、その後にパカッと小さめのハッチが開くような音がした。

 音の出どころを見ようと見上げてみれば、デカい猫ソフィア木像の額が開き、そこから巫女服の水城が出てくる所だ。

 片腕で通常サイズのソフィア(猫)を抱えている。


 未だに何が何だか理解できていない俺がその光景に呆気に取られていると、水城は巫女服のまま地上20m程の高さのそのハッチから飛び降りた。


 シュタッ


 そしてそのまま、巫女服でヒーロー着地を決める。

 どうしよう?

 巫女服アクションがカッコ良すぎてヒロインになっちゃう……。

 やっぱり巫女服と競泳水着は、衣服として別次元のパワーがあると思うんだよね。

 異論は認めるが、その場合殴り合いになることを覚悟して欲しい。


「ごめんね大試君!ソフィアが興奮しちゃって……。まさかこんなに人がいっぱいいる所にいるなんて思ってなかったし……。脚、大丈夫?」

「…………………………あ、あぁあぁ、大丈夫です。ただ釘か何かのように地面に打ち込まれただけなんで。ところで、これ、何なんですか?」


 俺は、木で出来ているっぽいデカいソフィアを指さして聞いてみることにした。

 とにかくそれが分からないと、この突然の大騒ぎが解決しない気がするし……。


「あ、そうそう!これを見せに来たの!ソフィアの石像と銅像は、発注したけどまだ時間かかるらしいから、ドライアドの皆に何か良い案は無いか聞いてみたのよ。そしたら……」

「そこからは、私がご説明いたしましょう」


 先輩の説明を一言一句聞き逃さないようにしないと絶対理解できなくなると思い集中していたら、突然頭上から声がした。

 またもやかと思って見上げれば、ソフィア木像の目玉がデロンっと飛び出して落ちてくる所だった。

 ホラーか?


 そしてその目玉は、地面に落ちてから形をムニュムニュと変えていき、最終的にこの前会ったドライアドの姿へとなった。


「始祖様の巫女様が、神社の守護像を必要としているという事だったので、そこは是非私達にお任せをとごり押しし、こうして駒猫の座を勝ち取ったのです。可能なら、このまま未来永劫末永くこの役目を続けさせていただければと考えているのですが……」

「流石にそれは悪いわよ!貴方たちにソフィア像をお願いするのは、狛猫用の石ソフィアと、戦闘用の鋼ソフィアが出来るまで!」

「このように聞いてもらえなくてですね……。我々は、遠慮している訳ではないのですが……」


 よし、よくわからんが、この猫木像がとんでもない物だって事はわかった。


「それが何で今ここにあるんです?開拓村の近くから走って来たんですか?」

「そうよ!だって、折角ソフィアの巨大な像ができたんですもの!やっぱり一番好きな人にちゃんと見てもらいたいじゃない?ってソフィアに言ったら、操縦席に乗ってここまで走ってくれたの!大体3時間くらいで着いたわね!」

「地上移動で!?直線でもだいたい1000kmくらいありますよね?しかも、道は整備されてないし間には海あるし……」

「そこはほら、ソフィアだから!」


 ソフィアだから!っていうのは、何の説明なんでしょうか?


「ドライアド2万体が集まって作られているので、その位は簡単ですよ。寧ろ、手加減してあのスピードだったくらいです」


 美人なお姉さんの顔をした精霊が、事も無げに言ってのける。

 ドライアドが2万体って何?

 神社に参拝に来てた奴らに動員かけたの?

 しかも、本人たちは喜んでこの像になってるって?

 もう何が何だか……。


「ところで、本当にこれは何のイベントだったのかしら?集まっている顔ぶれからするに、教会の何か?」


 俺が困惑していると、水城が周りを見回してからそんな事を尋ねてくる。

『教会バトルロイヤル~奥多摩がリングだ!~』なんて、この目の前の像と比べればもうどうでもいい事になって来ている気がするけれども、そうも言っていられないので説明することにした。

 まあ、バトルロイヤルで教皇決めようぜってってだけの話なんだけど。


「え?なんでバトルロイヤルで教皇様を決めるの?誰がそんな頭のおかしなことを……」

「教皇本人と聖羅」

「…………そう。まあ、納得といえば納得なのが怖いわ……」


 水城は、苦笑いを返してきた。

 でもね水城さん、あんたのやってることもかなりアレだからね?


「でも、そしたらこれは拙いのかしら?その大事なイベントに乱入した事になるのよね私たち?」

「うーん……。まあ、大丈夫じゃないでしょうか?途中参加もOKだったはずですし。まあ、参加登録していないので意味ないとは思いますけど。入っちゃダメとも言われていない筈だし」

「そう?」


 あの教皇の最近のノリだと、寧ろ「これも神の与えた試練なのでしょう」とか言って終わりな気がする。


 っと、噂をすれば何やら。


 ブウウウウウウウウウ!!


 会場中にブザーが鳴り響いた。


『『教会バトルロイヤル~奥多摩がリングだ!~』が終了しました!優勝者は、現教皇、屋伊庭傑やいば すぐる様です!』


 そのアナウンスを聞き、会場中から、そしてソフィア木像をみて唖然としていた観客からすら歓声と拍手が飛んだ。

 どうやら、いつの間にかジジイ4人の戦いに決着がついていたらしい。

 俺はそれ所じゃなかったから推移はよくわからないけれども……。

 あとは、あの教皇の爺さんが俺や俺の関係者を教皇に指名しなければそれでいいや。


 ところで、あの教皇ってそんな名前だったのか……。




感想、評価よろしくお願いします。


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― 新着の感想 ―
>水城は、苦笑いを返してきた。 ソフィア(猫?)が絡むと水城も聖羅と化す
なんで教皇だったんだろう?名前と戦略的に開拓村にいてもおかしくない人間だろ。
YAIB……筋肉マ⋯⋯くっ 頭が⋯⋯
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