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「やっぱりのう!思った通りになったわ!」
「「「…………」」」
「大技ばっかりボコスカぶちかましよって!何のために魔力の節約と制御方法を学ばせたと思っとるんじゃ!?」
「「「…………」」」
「おヌシらはアレか?イリュージョニストか何かかのう?花火大会でもやっとったんか!?」
「「「…………」」」
「特訓前から比べると、おヌシらの総魔力量は、大体2倍くらいになっとる!同じ魔術を使った場合の消費魔力量は半分以下!普通に戦っとった場合、魔力切れなんぞそうそう起きない筈なんじゃがなぁ!?」
「「「…………」」」
「それをなんじゃ!?全方位絨毯爆撃やら視界内全攻撃やら、別にやるなとは言わんが、ただただ垂れ流しとるだけじゃそりゃこうもなるじゃろ!」
「「「…………」」」
ソフィアさんが、その大きく形も良い胸を敢えて強調するかのように腕を組みながら説教している。
それを正座で俯きながら無言で聞いている3人の美少女。
魅力的な女性しかいないから、頭空っぽにして観る分には美しい場所だ。
とはいえ、羞恥と自己嫌悪で顔真っ赤にしている女子3人と、こういう事態を最初から想定してこのバトルロイヤルに3人を参加させたであろうニヤニヤ顔の美女を見ると、「うわぁ……俺もあの正座側じゃなくてよかったぁ……」という気持ちしか出てこない。
だって、流石にあんだけ調子こいておいて、魔力切れ起こしてリタイアとかさぁ……。
俺の脳裏に、教皇が走って来た時に右手を向けて魔術を放とうとした後、「あっ」って呟いて固まったリンゼが思い出される。
「ふふふ、もう少し節約を心掛けた方が宜しいですよ?」といいながらすぱすぱと手刀でチーム犀果の面々の首を落として行った教皇も思い出されるが。
「今回のは選別を兼ねた挨拶に過ぎないわ!」とか、「覚醒したアタシたちとやり合うなら、このくらいは防いでみなさい!」とかさぁ。
いや、言ってみたい気持ちはあるよ?
言った瞬間は、きっとすごく気持ちよかったんだろうなぁって思う。
それだけに、今の羞恥プレイのこの環境が辛い。
俺自身は何したわけでもないのに、ただただ辛い。
周りの観客たちも、なんか生暖かい目で3人を見ている気がする。
「まあ、実は、このエルフ式の特訓は、こうして実戦に近い環境で負けさせることで完成するんじゃがな」
「「「え……?」」」
ソフィアさんが、説教の〆に入ったらしい。
ただ、顔はニヤニヤ顔のままである。
「エルフの魔術は、その強力さ故に、身に着けるとついつい見せつけたくなるもんなんじゃ。じゃから今回のように、死ぬ危険は少なく、しかし戦いの雰囲気にのまれやすい状況で戦わせ、こうして自分の未熟を実感させる事で、鼻っ柱を折り、やっと戦士としてスタートラインに立てるんじゃよ。わかったかのう?」
「「「はい……」」」
「今後も修練に励めば、おヌシらはどんどん強くなるじゃろうよ。総魔力量も今の10倍や20倍くらいも夢じゃない。まあ、ワシは更にその100倍くらいの魔力を持っている訳じゃが……」
「「「ひゃ……!?」」」
「因みに、大試は更にその100倍くらい魔力もっとるぞ?」
「「「え!?」」」
「魔術使えんからちょっともったいないがのう!」
え?俺ってソフィアさんの100倍くらい魔力量あるの?
いや、実感ないし、普段の戦闘でも神剣に魔力を好きなように吸わせてるだけだから、自分の魔力についてよくわかってないんだよなぁ俺。
剣魔法で神剣を作り出す時と、その神剣を使ってトンデモパワーを発揮する時以外、俺は自分の魔力を有効活用全くできてないし。
あ、サキュバスに吸われてるのは一応有効活用か?
「もうおなかいっぱいだべぇ……」
って凄い満足気な顔で言う程度に吸われても特に魔力枯渇だのを実感したりもしないし、やっぱり総量は多いんだろう。
「ワシものう……先代の族長にこっぴどくやられてのう……。それ以来、ワシが特訓をつけた時には、同じような目に合わせることにしておるんじゃ!わはは!」
「「「くぅ……!」」」
ニヤニヤ笑っているとはいえ、さっきまで一応言ってることは真面だったのに、台無しだよぉ……。
「とりあえず、これで今日の所は終了じゃ!後は大試にでも慰めてもらうが良いわ!ほれ!もう正座やめてよいぞ!」
「「「はい……」」」
ソフィアさんの八つ当たりを兼ねた説教から解放された3人が、ヨロヨロと俺の方に歩いてきた。
なんで俺の方に?
俺が慰めるってどういう事?
さっきまでの3人の雄姿を思い出して吹き出さないように割と必死なんだが?
「やー、お疲れ」
「おつ……」
「お疲れ様です……」
「つかれましたぁ……」
聖も根も尽き果てたって感じだなぁ。
まあ、魔力使いきってるしな3人とも。
「とりあえず、一緒に弁当食うか?こっち来て座れよ」
「うん……」
「お邪魔します……」
「おなかすいた……」
そして俺の周りに腰を下ろす3人。
流れるような動きで俺の太ももの上に勝手に頭を置いて膝枕状態になるリンゼと、俺の手を自分の頭の上に置いて撫でさせる彩音と、バトルロイヤル中は出番が無かったので俺のほっぺにスリスリしていたリエラを奪って抱きしめ始めた涅と……。
暗いなぁ……。
「気分いいのう!ワシの時もきっとこんなんじゃったんじゃろうが、仕掛ける側は良いのう!」
「もうちょっとフォローしてくださいよ……。3人とも暗黒面に落ちそうじゃないですか」
「大丈夫じゃ!男なら女のそんな顔位い笑顔に変えて見せるんじゃよ!」
「えぇ……?俺に投げっぱなし……?」
気持ちよく説教したことでテンションが上がり、ビールの缶をカシュっと開けるソフィアさんをジト目で睨みながら、とりあえず後は弁当食って帰るだけだしこのままでいいかと自分を正当化しながら飯を食う事にした俺。
それとは別に、説教の間に『教会バトルロイヤル~奥多摩がリングだ!~』は最終局面を迎えていた。
残るチームは2つ。
チーム教皇と、チーム枢機卿。
爺さん4人による死闘が、今奥多摩の奥地で始まろうとしていた。
ところで、さっきからなんかわずかに地震みたいなのを感じるんだけども、気のせいだろうか?
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