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剣と魔法の世界に行きたいって言ったよな?剣の魔法じゃなくてさ?  作者: 六轟


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787:

「神は、この世界を作りました」


 自らも参加者用の紋章の上に乗り、マイクを持って開会のあいさつをする教皇。

 話し方は、今まで通りの穏やかな感じだけれども、上半身が裸で、しかも歳に似合わないムッキムキ細マッチョなもんだから、何か野蛮な儀式でも始めそうな雰囲気がある。

 人の心臓を捧げるとか。


「続いて神は、この世界に法則と、そして物質を作り出しました。これにより、長い年月をかけて今の世の中が出来上がり、私たちは今こうしてこの場にいるのです。全ては、神の思し召し。であるならば、この『教会バトルロイヤル~奥多摩がリングだ!~』で勝ち残る者に、次代の教皇を任命する権利が与えられるというのも神が望んだことなのでしょう。現教皇である私も、この『教会バトルロイヤル~奥多摩がリングだ!~』に参加いたします。しかしこれは、教皇という立場に未練があるからではありません。寧ろ、私を下す者が現れてることをこそ私は望みます。私程度を倒せない物に、教会の頂を譲るつもりなど有りませんから。この後、開始と同時に我々は、エリア内のランダムな場所にチームごとに飛ばされます。きっと、飛ばされた場所によって有利不利もあるでしょう。しかし、それもまた神が考えられた配置になっている筈です。どれだけの不利を抱えたとしても、それは神が与えたもうた試練だと考え、是非乗り越えて頂きたい。参加したことに意味がある……なんてことを考えるのは止めましょう。勝利を求めて全力を出すことにこそ意味を見出すべきです。我々は、頑張りを求められているのではありません。結果を求められているのです。そして、その結果に責任を持つことが、教皇の役割です。さぁ、共に競いましょう。高め合いましょう。凌ぎ合いましょう。神は、いつでも私たちを見ています」


 教皇が朗々と、通る声で呼びかける。

 流石というか、教皇になっただけはあってスピーチは得意らしい。

 その優しい声色に涙を流して感動している神官っぽい方々も結構いらっしゃる。


 でもなぁ……。

 この世界を作った神様、今あんたらと同じ場所に立ってるぞ?


「ふふふ……ふふふふふ!」


 指をポキポキ鳴らしながら、ソフィアさんから受けた特訓によって軽くハイになって変な事になってるけども。

 アイツ、エルフの魔術はほぼチートとか言って喜んでたから、そのチートを使ってみたくて使ってみたくてワクワクしてるのかもしれない。

 ガキみたいだな。

 女神なのになぁ……。


 そして、多分教会が崇拝している神様ってリスティ様だから、実はその神様はこの世界を作った神様ですら無いんだよなぁ……。



 それにしても、色んな奴がいるなマジで。

 美少女3人組が鼻息荒く戦いを求めている我がチームは、やっぱりその中でもかなり目立っているけれども、他にも気になる奴らはいる。

 枢機卿爺さん3人組とか、魔法学園の制服着てる奴らとか、魔レキギターを持ったシスター服の集団とか……。

 厳つい冒険者3人組なんて、ここに居てもぶっちゃけ逆に目立たないくらいだ。


「皆さん、準備は良いですか?」


 教皇が周りを見渡して、参加者たちの用意が整っているのを確認した。

 一番準備出来てなさそうなのが、半裸でマイクしか持ってない教皇なんだけども……。


「では、行きましょう……」


 すぅぅぅと息を吸う教皇。

 その筋肉で押し固められた肺に、すごい量の空気が集まっているのが分かる。


「それではあああああああ!!!!教会バトルロイヤルぅぅぅぅううう!!!奥多摩がリングだあああっ!!!!レディイイイイイイイイイイ……ゴオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」


 マイクが壊れるんじゃないかという教皇の号令と共に、転送紋の上に居た参加者たちが消え去った。



「大試、これからどうなるの?」

「ここからは、そこら辺に設置されたモニターで観戦してもいいし、自分達の代理人を追跡するドローンの映像をこの関係者用の各ブースにある専用モニターで見ることもできる。俺は、リンゼたちの映像をみるつもりだぞ」

「わかった。じゃあ私もそうする」

「私もです!」

「あ、お弁当持ってきてるから、食べながら見よう?」

「おお!それは良いのう!」


 なんて、バトルロイヤル開始後俺達が適当に会話していた30秒で、エリア内にいきなりド派手な動きがあった。


 ヒュヒュヒュヒュヒュ…………ドドドドドドドドドトゴォォン!!!!!


 まだ俺たちが理衣の作って来たお弁当に視線を奪われていたタイミングで、何かが打ち上げられるような音が続いた後、今度は大量の爆発音が広範囲から響いてきた。


「……なんか、すごい音したな。見てなかったけども」

「私も」

「私もです……」

「なんだろう?リンゼちゃんたちかな?」

「じゃろうなぁ。音から察するに今のは、ワシが教えた広範囲対人魔術、『鈴蘭』じゃな。お!このイナリ貰っていいじゃろうか!?」

「どうぞどうぞ~」


 あとから聞いたところによると、この開幕の一発で、4チームが脱落していたらしい。






感想、評価よろしくお願いします。


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― 新着の感想 ―
丸椅子に座ってグラサン外しながら立ち上がって レディぃぃぃぃゴォォォォォォ する教皇様は居なかった。 よかった⋯⋯。
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