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剣と魔法の世界に行きたいって言ったよな?剣の魔法じゃなくてさ?  作者: 六轟


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773:

「それで、どうやってあの娘を護るつもり?」

「そりゃもう、正面から堂々と」

「いっとくけど、アンタがどんだけあの娘の事を考えて行動したんだとしても、そんな事したら警察呼ばれて終わりよ?」

「何故だ……」


 涅咲愛を護ると決めたはいいけれど、肝心のその方法について早速躓いた。

 おかしいなぁ……。

 近づいてくるもの全部焼き払えば平和だろうに……。


「じゃあどうしたもんかな……」

「本当に何にも考えてなかったのね……まあ、アタシの事を想って言ってくれた事自体は、割と嬉しいけど……」


 顔を赤くして背けるリンゼが可愛い。

 超可愛い。

 この可愛さをなんとか守護りたい。

 その為には、涅を護らないといけないんだ。

 考えろ俺の灰色の脳細胞……!


 その時、俺の脳内に電撃が奔った。


「はっ!」

「どうしたの?何か思いついた?」

「ああ、これなら絶対に上手くいく」

「なら頑張ってね?」


 リンゼの目がなんとなくダメな子供を見るものに近い気がするけれども、気のせいだろうか?




「涅さん、キミの運勢がものっそい悪いっていうのが占いで出たから、俺に常にキミを護らせてくれないか?具体的に言うと、1年くらい」

「え!?えっと……え?」


 入学式が終わって新入生たちが会場から出てきたので、早速その中にいた涅に声をかけることにした俺。

 しかし、何故か彼女は、ただただ困惑するのみ。

 最高のセキュリティを無料で提供しようというのに何故両手で体を庇うようなポーズになっているのか?

 それ、相当危ない相手を目の前にしたときの体勢だよな?


「馬鹿!」


 そして、膠着した状況を打開するかのように、リンゼが俺の頭をひっぱたいた。


「何で叩くんだ?」

「馬鹿なことしてる婚約者がいたらから、とりあえずよ」

「そうか」


 それならしょうがない。


「すみません、何が何だかわからないんですか……?」

「あぁ、そうよね。えーと……うーん……」


 まあ、リンゼはリンゼでこういう突発的な状況で適当ぶっこくのは苦手なので、結局似たような状況になるんだけれども。


「まずね、この馬鹿が怖がらせて悪かったわね。今の事も、それに朝の件も含めて謝るわ」

「あ、いえ!制服に関しては凄く助かりました!流石に、男の人にお姫様抱っこを突然されたのは驚きましたけど……」

「でしょうね……」

「でも、流石に運勢がどうとか、常に護るとかは、ちょっとよくわからなくて……」

「だと思うわ」


 やっと会話が成立する相手が来てくれたと安心しているっぽい涅と、額に右手を添えてぐったりしたような表情になったリンゼ。

 いったいどうしたというのか?


「一応誤解を解いておくと、この馬鹿は、貴方の事を本気で守ろうとしているのよ。そこだけは、わかってあげて?」

「あ、はい!それはもう……」

「それと、貴方の運勢が最悪なのも本当よ。アタシが保証する。貴方はこれから1年くらい、物凄く大変な目に遭うわ。それこそ、世界を恨みながら死んでやりたくなるくらいの最悪な時間だと思う」

「えぇ!?そこは誤解とか間違いじゃないんですか!?」

「恐らくね。というか、最近でも心当たりあるんじゃない?」

「あ……」


 涅の顔が曇る。

 ご両親が亡くなったり、金が無かったり、まあ色々あるんだろう。


「そういう辛い事から、コイツはアンタを護りたいのよ。まあ、それによって引き起こされる事象を防ぎたいというかね……」

「はぁ……」

「もしコイツに護られてくれるなら、自分1人で行動するよりはよっぽど安全よ?幸いお金はいっぱい持ってるのよコイツ。それに、滅茶苦茶強いから」

「金なぁ……。なんか、毎日増えるんだよなぁ……」

「え!?すごい……」


 ギフトカードに書かれているギフトマネーの残高が、何もしていないのにどんどん増えていく。

 どうやったら使い切れるのかもわからない額なので、現実感はとっくに無いが。


「でも、流石にそこまでして頂くのも悪いです……。それに、ずっと一緒というのは……。あの、私も女ですし、ちょっと……」


 多少納得はしてくれたみたいだけれども、まだ俺に護られるのは拒否気味だ。

 まあ、女の子がよく知らん男に周りをウロウロされるのは嫌かもしれんな。

 となると……うーん……。


「あ、良い奴いるわ」

「ん?何かいいこと思いついたの?」

「あぁ、ちょっと呼ぶ」

「呼ぶ?」


 訝し気なリンゼは置いておき、俺は天に向かって右手を上げ、指を鳴らした。


「カモン!リエラ!」


 キュポンッ


 栓を勢いよく抜いたような小気味よい音が響く。

 それと同時に、一瞬にしてその場にリエラが出現した。


「大試様 リエラ 来ました」

「サンキュー。実は、お願いがあるんだけども」

「はい なんでも 言って 下さい」

「この娘をあらゆる危険から護ってやって欲しい。できるか?」

「はい がんばり ます」


 リエラは相変わらず話が早いなぁ。


「え!?え!?何も無いところから女の子が!?」

「コイツは、魔神リエラ。滅茶苦茶強いから、とりあえず今日1日お試しで護られてみて。生徒である俺と違って、使い魔的な扱いで試験にも連れて行けそうな気がするし」

「はい リエラ は 使い魔 です」

「アンタ、神性もちをそうポンポンと野放しにするんじゃないわよ……」

「大丈夫だって。リエラは、結構いい子だし」

「はい リエラ は いいこ です」

「なんで浮かんでるんですか!?羽も生えてる!?」

「はい リエラ は 羽 生えて ます」


 お試し期間がスタートしました。

 1日以内に契約を破棄しないと、強制的に1年間契約となりますのでご注意ください。





感想、評価よろしくお願いします。


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― 新着の感想 ―
多分近づいてくる全ての事象を滅ッ!しそう 例えば肩がちょっとぶつかった相手を細胞残らず消滅させたり
それ詐欺師の契約だよ!? 善意しかないけど!
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