第65話 べべちゃん達のご褒美を確認しました
ブラウニーちゃんたちが手にもっている、一塊の丸いものを鑑定してみる。
『聖骸:神獣の肉片を神域にて錬成加工し、神性を濃縮した飴玉』
どうやら、ブラウニーちゃんたちが持っているものは聖骸という名前の、飴玉らしい。
たぶん、オリヒメの死骸をブラウニーちゃんたちが加工してくれたものなのだろう。
言われてみれば、オリヒメの体についていた模様のようなものが、飴玉の表面に見える気がした。
「なるほどー、あれがべべちゃんへのご褒美の飴ちゃんか──え、飴ちゃん? ……飴ちゃんの定義って、いったいなんだ……」
俺は思わず飴とは果たして何なのか、考え込みかける。混乱のあまり、哲学的な思考に危うく囚われそうになるも、今はそれどころじゃないかと、気合いで気を取り直す。
「いかんいかん。って、錬成ってのがブラウニーちゃんたちは出来るようになったのか」
そこで俺は改めて鑑定スキルでブラウニー工房を見てみる。
『ブラウニー工房(聖):支配領域より神域に移設されたブラウニーたちの工房。開設する際の必要綻びポイント【10】。神域の神性を利用し、錬金術による素材の錬成加工が新しく可能となった』
「おお、これか。錬金術って凄そう。というか、新しく開設する場合だと綻びポイントが10もいるの……」
俺の今の綻びポイントは2しかない。
ドッペさんと一緒に探しにいった分は、ほとんど使ってしまっていたのだ。
「これを見る感じ、神域って、何もかもが高くないか。まるで都内の一等地かよってぐらいのインフレ具合だ」
思わずそんな愚痴が俺の口から出てしまうのも、仕方ないだろう。
こちとら、激安アパート暮らしの、しがない底辺自宅警備員なのだ。
「──あとは、神性って?」
先程から何度か出てきた言葉。
そして、そろそろ来るかなと思った予感が当たる。俺の呟きに、鑑定スキルさんが無反応なのだ。
まあ、こんなことは、いつものことだ。これまでさんざん、鑑定さんにおちょくられてきたきた俺にとって、今さらこの程度、どうということはない。
ならばと、覗き穴から顔を離して、神獣になったアビちゃんがいる方の横をむく。
「アビちゃん、神性って何か、わかる?」
俺の問いに、ころんころんと左右に揺れるアビちゃん。
俺が若返った姿を見たときと、それは同じ様に見える。
たぶん、アビちゃんにもわからないようだ。隣でいつの間にかアビちゃんの姿になっていたドッペさんも、同じ様に左右にころんころんとしている。
とても可愛らしい。
そんなやり取りをしている間に、べべちゃんとベヒーモスズへ、ブラウニーちゃんたちがご褒美の飴ちゃん──聖骸の授与が神域にて執り行われ始めていた。




