第50話 報酬をもらってみました
『獲得称号「神獣の死を見届けし者」。人類種での該当称号の初獲得に伴い、称号獲得者へ報酬を付与しました』
新しい称号を獲得したという文字列が左目に表示された俺は、その内容を確認していた。
「あれ、スキルじゃ、ない? 報酬?」
これで称号を獲得したのは三つ目だった。ただ、前回二回は称号を得たことによるスキルの獲得だったのに、今回は違うらしい。
「『報酬』──変わらないか」
これぞ鑑定スキル、という不親切さ。
俺が報酬と呟いても左目に映る文字列は変化しなかったのだ。
この微妙に鑑定スキルが悪意ある感じもなんたか久しぶりで、懐かしさすら感じる。
まあ、そんなことを感じて、しみじみしていても仕方ないので、俺は改めて自分自身を鑑定してみる。
『・スキル
覗き魔の眼球レベル2 107/300
悪意なき借用レベル0 15/20
・称号
深淵を覗きし者
強奪者
神獣の死を見届けし者
・祝福
深淵の祝福レベル2 8/100
・報酬1件』
鑑定の結果、称号は無事に増えているのが確認できた。覗き魔の眼球のポイントもかなり増えている。深淵を覗き込み続けた成果だろう。
──この称号。改めて考えてみると、深淵を覗いた強奪者で、神獣の死の見届け人ってことだよねりヤバイ感じの悪人臭しか、しないんだがー
俺がそんなことを考えていたのは、自分自身の鑑定結果の方にも『報酬』の文字があったからだ。そしてこちらは何となく、俺が呟くと詳しく表示されそうだった。
それなら最初に呟いた時に報酬の中身を示してよ、と俺が思うのも仕方ないことだろう。
──絶対これ、鑑定スキルにおちょくられているよな。やれやれ……
「……はぁ。報酬?」
予想通り、俺の左目に、報酬の内容が今度はちゃんと表示されていく。
『称号『神獣の死を見届けし者』獲得報酬:眷属の進化が解除されました。
進化先の制限が解除されました。
進化先の選択項目を参照──神獣一柱の欠員を確認しました。
進化先に神獣が選択可能になりました。
現在の進化先神獣選択可能枠:残1』
ずらずらと展開されていく文字列。
途中、まるでリアルタイムで読み込んでいるかのようなタイムラグを挟んで、全ての文字が表示される。
どうやら、今回の称号獲得による報酬というのは、俺の眷属の誰かを神獣とやらに進化させられる、ということのようだった。




