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覗き穴ダンジョン~自宅警備員の俺の部屋の壁にダンジョンの深淵を覗ける穴があいた件  作者: 御手々ぽんた


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第5話 箱の中身が現れました

「あーあ。まあ、頑張れば食べれるだろ……」


 コンビニのビニール袋を覗きこみ、無惨な状態になっている食料にため息をつく。


 ──一番被害が大きいのサンドイッチ類かな。タマゴサンドなんて、完全に中身が包装からはみ出してるし……え? 何か動いた?


 俺の視界の角を、何か透明なものが横切る。

 次の瞬間、その何かが俺の覗きこんでいたコンビニのビニール袋へと入る。


「うわっ! な、なんだっ」


 本日、何度目かわからない驚きの声が、俺の口から漏れる。

 そのままビニール袋を手放して、後ずさる。


「──スライム? いったい、どこから?」


 後ずさった俺の目の前には、俺の胴体ほどはあろうかいうサイズの、スライムがいた。


 スライム──それは不定形のタイプからゼリー状の体を持つタイプまで、多種多様な種類がいる、ダンジョンに現れるモンスターだ。


 そしてついさっきまで、そこにあったはずの大きな箱が、いつの間にか消えている。


 その突然現れたスライムはゼリー状のタイプのようで、その体の一部をウニョンと伸ばし、俺の落とした袋の中身を漁っている様子だった。


「──か、鑑定!」


 俺はじりじりと後退しながら、とっさに鑑定スキルを使用する。


 ──逃げるにしても、情報はあった方がいい。


 今度はちゃんとスキルが作用したのだろう。俺の左目にずらずらと文字が映っていく。


『テイム済みモンスター:アビススライム。時空の綻びに隠されし報酬ボックスを力ずくで強奪せしものへ授与されている。餌付けの責任は生涯のものとなる』


「……テイム、済み? ……餌付けって。それに、アビススライム? ──時空の綻びって? ──報酬ボックスってなに?」


 質問を重ねる俺の声に、残念ながら鑑定の文字はそれ以上変化しない。どうやら、これ以上の情報は出てこないらしい。


 ──仕方ない。推測するならたぶん、さっきの粗探しスキルの赤い光が時空の綻びとやらなんだろう。そこから出てきた箱が、報酬ボックスとか言うもの。で、あのアビススライムはその報酬でテイム済みと。つまり、俺がテイムしたことになってる、のか? それにしてもいちいちトゲがあるよな、この鑑定スキルの文字って。情報も微妙に小出しだし。絶対、俺のこと嫌いだろ、これ。


 そんな不信感をスキルに募らせている間に、コンビニのビニール袋を漁り終わったのかアビススライムが近づいてくる。


 とはいっても、一定の距離でその接近も止まると、まるで「待て」をしているようにその場で大人しくしているアビススライム。


 俺はアビススライムを迂回するようにして、まずは残されたビニール袋を確認する。


 綺麗に空だ。

 袋のなかには、個別包装のビニールしか残っていなかった。

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