第4話 スキルを検証しました
「──スキル鑑定」
『周辺視野に鑑定対象となるものがありません』
無事に無人コンビニで食料を確保した俺は、周囲に全然人影がないことをいいことに、帰り道を歩きながら、スキルの検証をしていた。
スキル「覗き魔の眼球」に内包されているらしい「鑑定」、「粗探し」、「蔑視耐性」、「邪眼耐性」の四つのスキル。
この内、蔑視耐性と邪眼耐性はいわゆる常時発動型のパッシブスキルのようなので今は除外。
無難そうな鑑定スキルを使ってみた結果が、先ほど左目に映っていた文字だ。
「まあ、単なる町中の、夜道だもんな。鑑定できるようなものはないのか……」
ただ、これだけでもわかったことはある。どうやら、鑑定はダンジョンに関連があるものにしか、反応しない可能性が高い。
逆に言えば、俺のもらった称号やらスキルは、ほぼダンジョン関連によるものだと言えそうだ。
そうすると試せる残ったスキルは、「覗き魔の眼球」そのもの。そして「粗探し」の二つだ。
流石に外で「覗き魔の眼球」をいきなり使うのは気が引けた。
決して俺は覗き魔ではないのだ。それなのに、このスキルを使って、万が一にも変なものが覗けてしまうと困る。本当に、困る。
──もし、そんなことになったら、本物の覗き魔、確定だしな……となると、これか
「──スキル粗探し」
そう、俺が告げた瞬間だった。
俺の左目の視界に赤い光が点々と映る。
目を動かしても、その赤い光の位置は変わらないようだ。
つまり鑑定結果の目に映る文字とは違って、その位置にある何かを赤い光が表しているのだろう。
普通に考えれば、スキルが粗探しなので、赤い光は、粗、なのだろうか。
「──で、粗ってなんだ?」
不思議に思い呟きながら、俺はその場でゆっくりと回ってみる。
「……あの光、大きいな」
そうしていて気がついた一つの赤い光に向かっていく。
崩れかけた塀に囲まれた、どん詰まりの路地の奥の方だ。たぶん通る人がいないので、修繕されなかったかつての小道の一つなのだろう。
近づくと、俺の胴体ほどはありそうな赤い光が道の真ん中、俺の身長より少し上の位置で光っていた。
「なんだこりゃ?」
ちょうど両手を掲げると届くぐらいの位置にあるそれ。そこへ俺はコンビニ袋を片手に持ったまま手を伸ばす。
次の瞬間だった。
「うわっ!」
スキルにより見えていた赤い光しかなかったはずの空間に突然、なにかが現れる。
箱だ。
一抱えはあるサイズ。
そんなものが突然現れたのだ。危うく落としそうになりながらも、俺は何とかそれを受け止める。
自宅警備員をしていて、なまった体には、かなり重い。
それでも何とか体勢を崩すことなく、その箱を慎重に、地面に下ろす。
「ふぅ、危なかった……これ、落としたら普通に足とか挟んで怪我してたよな。て、あちゃー……」
俺は残念なことに気がついてしまう。
箱を抱えた時に、俺の体と箱に挟まれたのだろう。コンビニで買った食料が袋ごとつぶれてしまっていたのだった。
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