↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
95/100

独り言

 彼は呟く。独り言を。誰もいない部屋で。家族はいない。作ろうとしなかったから。

独り身で人生を過ごしてきた。独りでいることは寂しく感じなかったから。

孤独でいることを愛していたと言ってもいいだろう。彼にとっては孤独でいることが大事な存在であったと言っても過言ではない。

 他者から見れば彼のことを変わり者だと言うだろう。実際、彼は変わっている。だが、それが何だと言うのだろうか。

彼からすれば、変わり者だと揶揄している者たちのほうが変わり者だと言うのに。そうやって揶揄わなければ、自己の優位性を保つことができない。優越性コンプレックスを抱えていることに、悲しいかな、気づいていないのだ。

 彼のことを揶揄うのを止めれば、それから抜け出せると言うのに。優位性の保身としか見ていないがゆえに気づいていない。彼にしか分からないことだ。指摘しても無駄なのだから。理解されないから。変わり者だというフィルターを通してでしか揶揄する者は見ていないがゆえに。

 彼は呟き続ける。誰もいない部屋で。時折、笑い出す。揶揄する者たちへの嘲りを。そして、虚しくため息を吐く。変わり者の彼が望んだ未来はこれでいいのだということをーー。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。