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バケモノ

 人は誰しも自分の中にバケモノを飼っている。弱かろうが強かろうが関係なく。すべての人間にあるんだよ。心の中に。

 問題となるのは、そのバケモノを飼い慣らせるか。あるいは、バケモノに飼い慣らされるか。

どちらかしかない。

 バケモノを飼い慣らせることができれば、弱くても強くても味方になる。味方にすることができる。

 反面、バケモノに飼い慣らされてしまえば、そのバケモノが弱くても強くても、自分の主人になってしまう。主導権を握られてしまう。

それは悔しいことだ。本来ならば、自分自身が自分の主人であるというのに。主導権を握っていると言うのに。

 人は誰しも自分の中にある、内なるバケモノに向き合わなくてはならない時が来る。それは避けられないことだ。

不安はあるだろう。バケモノは不安を煽ってくる。その不安を乗り越えるか否か。呑み込まれたままでいるか。結果は自分に確かに返ってくる。

 学校などの場所も問わず、日常の中でも、呑み込もうとしてくる。厄介なものだ。

 臆病な性格だからと言っても、バケモノは容赦せず襲いかかってくる。クローゼットに引き籠もっていても通り過ぎてはくれない。

 何故なら、バケモノは自分自身の中にいるのだから。誰かを呼ぶこともできない。誰かに自分の内側にいてほしいと頼まれたことが無いだろう? それと同じことだ。

 バケモノを壁際に追い詰めることもできない。それはつまり、壁際という逃げ場がないのと同じ。

バケモノに向き合い、自分のほうから呑み込み、味方にさせるしか方法はないのだからーー。


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