姉弟
ある姉弟の話をしよう。彼らは仲が良かった。仲が良すぎた。
まるでラブラブの夫婦であるかのように。
彼らの中の良さは、近所中にも広がっていた。中には彼らをからかう者までいた。
しかし、彼らは気にしなかった。どんだけからかわれてもである。
彼らの仲を引き裂こうとすれば、もう一方が牙を剥いた。容赦無くカウンターを喰らわしたのである。
ラブラブ夫婦の火は火傷では済まされない。
心をへし折れるまで、容赦無くカウンターを喰らわす。
奪うならそれに値する覚悟を持たなければならない。
それが無いならば、片方からのカウンターに勝らないといけない。
ある意味においては、彼らのどちらかに恋心を抱いたならば、試練を乗り越える必要が出てくるのである。理不尽なレベルでの。
ゆえに、しばらくすると彼らをからかうことはできなくなった。
というか、デメリットしかないのである。
だからこそ、周りは彼らに関しては警告するようになった。
手を付けようとすると、理不尽レベルでのカウンターを食らわされると。
その警告を無視するならば、生命を奪われる覚悟が必要になってくると。
かつての被害者と傍観者たちは伝えていった。
やがて、彼らについて親は打ち明けた。
実は従弟同士であること。片方の親は亡くなり、産まれたばかりの子を引き取り育てたこと。
要するに二人は法律によって結婚することができるということが、二人が二十歳になった頃に打ち明けられたのである。
それを知った二人は役所に婚姻届を提出し、無事に本当に夫婦となったのであるーー。




