表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
32/52

希薄

 彼の存在と言うのは、あまりにも希薄だった。

 親であっても産まれ落ちたことに気づきにくいほどに。

 彼が幼い頃、おもちゃで遊んでいても、音だけが響いていた。産んだ親にすら彼を気づいていないのだから。有る意味では怖かったのだろう。ポルターガイストと勘違いするほどには。

 しかし、彼は仕方ないと半ば諦めていた。そう言う星の運命の元に産まれてきたのだと信仰するレベルで確信していたのである。

 だがしかし、彼の人生に転機が訪れる。頭皮をさらす。それだけで辺りが輝いた。

目立つことの無かった彼が、その時だけ水を得た魚のように、存在感を爆発的に発揮したのである。

 火山が噴火するかのごとく、彼は注目を浴びた。しかも、一気にである。

だが、注目することが眩すぎて、会話もままならなかった。

 ゆえに彼はカツラという手法を取ることによって自分の存在感をコントロールする術を覚えたのである。その時まではずっと筆談だった。それでしか、周囲が気がつくことが無かったのである。

ある意味において、彼は産まれてくる時代も世界も、間違えてしまったのかもしれない。

 それは神の悪戯なのかもしれないのだ。真相は誰も知る由も無いことなのであるーー。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ