イロモノ召喚士の魔王封印列伝
その世界は異常で満たされていた。
突如として現れた魔王アスモゴゥールによって、氷の雨が降り注ぎ、地面は毒に満たされたのである。
召喚士の少女が立ち上がり、勇者召喚を行うことにした。しかし、召喚した勇者は、神力には満たされていたのだが、それは身につけていた装備に依る物であった。
神力には優れているため圧勝はできるのだが、所詮はただの人間に過ぎない。戦う気がどうしても見られなかった。
召喚士が次に召喚したのは、無表情の氷の剣を持つ剣士だった。同性故に仲良くなれそうな気がしていた。
彼女は次々と召喚していく。しかし、戦力外が多かった。
仲間の聖職者は身につけている呪われたロザリオゆえにボケ倒しまくる始末。ツッコミで疲れ果ててしまう。
それでも彼女は召喚を続けていった。遠い未来のロボットと呼ばれる鉄の存在が何故か彼女に恋歌を捧げたり、やる気が全く見られないランプの魔人だったり。
そして、最後に召喚したのは自らを元魔王と名乗る黒猫の精霊ケットシーである。
彼女はイロモノ召喚士と揶揄されながらも、仲間の聖職者のボケに投げやりになりつつもツッコミながら、元魔王のケットシーに導かれるようにして。
彼女たちは魔王アスモゴゥールの元に辿り着いてしまった。
しかし、魔王アスモゴゥールは彼女たちを見て恐怖に襲われた。それは元魔王の黒猫ケットシーに依るものである。
魔王アスモゴゥールはなんと、重度の猫アレルギーだったのである。
黒猫ケットシーの魔力は元魔王であって無限大。彼は召喚士たちに能力を一時的にかつ長時間のパフ魔法をかけた。
魔王アスモゴゥールはケットシー相手に勝手に弱体化しているし、これで勝負の行方は分からなくなった。
魔王アスモゴゥールを敵だと認識したロボットは、鉄なのに百裂パンチを繰り出し、ダメージを与えていく。愛の力によるパフだと主張しながら。
召喚士である彼女は目の前で突然起きた光景に、夢でも見ているのかと、頬をつねったが痛いだけだった。現実である。
氷の雨や地面を毒に変える力を持っていたというのにだ。魔王アスモゴゥールが劣勢を期しているあまりにも有り得ない光景だった。
イロモノたちによって押されゆく魔王アスモゴゥール。止めを刺したのは仲の良い女剣士による八つ裂きと、ロボットによる百裂パンチだった。
イロモノたちによって魔王アスモゴゥールは封印されることになったのだが、そこに今までやる気の無かった魔人が立ち上がり、魔王アスモゴゥールを伴侶にすると言い出したのである。
永遠にランプの中で魔王アスモゴゥールと愛の営みをすることを条件にした。
勇者は何もしていないから、そのまま元の世界に返されたのである。
イロモノ召喚士の魔王封印列伝の正体がこの話なのであるーー。




