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時を止める

 もしもある瞬間だけ、世界の時を止めることができたなら、私は何をするのだろう。

 酒好きの私としては、春に咲き乱れる桜吹雪の中で時を止めて散り止まった桜の花弁をつまみにしながら、酒が全部呑み干すまで呑んでいるのだろう。

 そんなことは現実離れしていると分かっている。けれども、散りゆく桜は有限でしか無い。ならば散りながら呑む酒というのはある種の娯楽に等しいのかもしれない。

 出来上がるのはアル中の呑んだくれになるのかもしれないがね。

そして、時が止まり終えた世界で二日酔いになっていたりするのかもしれない。

 現実的な話じゃないが酒呑みだったら一度は優雅美に呑んでみたいものだろう。私の勝手な想像だがね。

自由自在に時を止めたりすることなんて、現実離れしている。

この世界にはそんな都合の良いことなんて起こりはしないと言うのに。

 古びた懐中時計でカチッと鳴らして時を止めるなんてものはチートにしか見えないのだろう。某サガシリーズの合成法術じゃあるまいし。

あれは時計はいらなかったか。

 私はそう考えながら、ノンアルコールのビールを一本空けた。冷えてないぶん、味が分かりやすくて良い。ノンアルのワインや日本酒も出してくれれば、飲む幅が広がると言うに。ま、どうでも良いかーー

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