第28話:国が認めた、その先へ。教育という名の革命が、いま始まる
討論会の翌日――
王都政務庁にて、緊急会議が開かれた。
内容は、「全国育成連盟への対応」。
会議の中心には、老練な文官たちと、教育省の面々。そして、予想外の人物がいた。
「……私も、意見を述べたい。」
それは、かつてリオン式に異議を唱えた反対派の中核、ダルネス侯爵だった。
「私の孫が、“九九は歌うと楽しい”と言い出しましてな。
……恥ずかしながら、私自身、二の段をすら間違えていたのです。」
会議室が静まる。
「教育とは、正しさを与えることではない。“間違いを許し、直す”ためのものだったのかもしれません。」
その一言で、空気が変わった。
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その週、王政より勅命が下された。
『全国育成連盟を、準国家機関として認定。
育成関連の活動資金として、第一期拠出金3万ゴルダを支給する。
また、今後の教育制度における助言機関として、連盟を正式に招致する』
王都中がざわめいた。
“田舎の育成所”が、ついに“国の仕組みの一部”になったのだ。
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その知らせを聞いた俺は、机に新しい地図を広げていた。
そこには、王国全土の主要地と、育成所・分校予定地のマーカーがびっしり。
「よし、“エリア代表”制度、始めよう。」
・各地方に“教育主幹”を設置し、分校を統括
・教材配布・巡回指導・保護者研修などを広域で連携
・必要に応じて“応援教師”を派遣、災害・人口流動に備える
さらに――
「名前も変えよう。“全国育成連盟”から、“王国育成庁”に。」
ロルフさんが目を丸くした。
「庁……それはつまり……“国の中にある、国そのもの”という意味では……。」
「うん。“知の独立領土”ってやつだね。」
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そして、リオンは再び筆を取った。
『王国育成庁 全国展開計画 第一期案』
1. 各地方の“教育自走拠点”設立
2. 地域言語・文化に応じた“翻訳教材”配備
3. 都市部・農村部を繋ぐ“交差留学”の常設化
4. 教育の平等化のための“移動式教室車”導入案
「学びたいなら、どこにいても学べる。誰であっても、等しく伸びられる。
そういう“王国”を、作るんだ。」
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リオン・フォン・エルトレード、4歳と7ヶ月。
国が、認めた。
でもリオンは、認められることが目的じゃなかった。
“学びたい”という気持ちを持った誰かが、次の“リオン”になるために。
これから――全国展開、始まる。
つづく。




