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第七章 殺された男
前回のあらすじ
三成は「記録されぬ童」という記述を発見した。
織田奇巧こそ、信長の血を引く人物なのではないか。
そう確信した三成は、ついに奇巧を追い詰める。
しかし、それこそが最後の罠だった。
「逃げる必要はない」
三成が言った。
奇巧は振り返った。
「何の話でしょう」
「お前の父親の話だ」
奇巧の表情がわずかに動いた。
「織田信長」
沈黙。
三成は刀に手をかけた。
「答えろ」
奇巧は笑った。
「もし、私が信長の血を引いていたら?」
「……何?」
「あなたは、どうします?」
「殺す」
即答だった。
奇巧は笑った。
「なるほど」
「何がおかしい?」
「人は、知りたいと思った瞬間から、答えを決めてしまう」
三成は刀を抜いた。
「答えろ!」
奇巧は三成を見た。
そして最後に、
「私の父は、あなたが思っている男ではない」
と言った。
次の瞬間。
奇巧は倒れた。
三成は荒い息を吐いた。
――終わった。
魔王の血を引く男を消した。
しかし。
奇巧が死んだことによって、誰かの計画が狂うことはなかった。
なぜなら。
奇巧は最初から――
盤上の駒だったからだ。




