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第六章 魔王の血
前回のあらすじ
江は徳川内部の人間関係を操り、小早川秀秋が徳川へ傾く環境を作った。
関ヶ原は動き始めた。
一方、三成は奇巧の出生を追い続けていた。
そして、ついに一つの古い記録を見つける。
「……これは」
三成は古文書をめくっていた。
そこには、ほとんど読めない文字でこう記されていた。
「織田家にて、記録されぬ童あり」
三成の手が止まる。
「記録されぬ童……」
織田家。
記録されていない子供。
そして現在。
織田奇巧。
すべてが一本につながったように思えた。
――やはり、やつは信長の息子だったか。
三成は確信を深めた。
しかし同じ頃。
別の場所で玄巧は筆を取っていた。
紙に書いたのは、わずかな一文。
小早川は松尾山へ。
筆を置く。
玄巧は外を見た。
「もうすぐだ」
誰に言うでもなく呟く。
その目に、感情はなかった。




