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第九章 最後の疑惑
前回のあらすじ
関ヶ原で小早川秀秋が動き、西軍は崩壊した。
三成は、奇巧ではなく玄巧こそが裏で人を動かしていたことを知る。
だが、玄巧の正体だけは掴めなかった。
捕らえられた後も、三成は調べ続けた。
奇巧。
玄巧。
江。
小早川。
そして天海。
一つ一つの点が、つながり始めている。
だが、その中心だけが見えない。
三成は紙に人物の名を書いた。
中央に、
「魔王」
と書く。
そこから線を引く。
徳川。
豊臣。
織田。
小早川。
江。
玄巧。
そして――天海。
三成は筆を止めた。
「まさか……」
天海。
あの僧。
徳川家康の側にいる男。
しかし証拠がない。
何一つない。
三成は最後の記録を残した。
「もし魔王が生きているのなら――」
一度筆を止める。
そして続けた。
「私は、すでに魔王の盤上にいたのかもしれない」
その記録を残した翌日。
石田三成は、この世を去った。




