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不倫の神様  作者: 天狗
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44/70

LOG.44|俺達は無敵だ!|Bring it on






リュウトのリバースを

マスターと掃除していると……





チンピラ

「おい。」

「靴にかかったんだけど。」





マスター

「あらら」

「うちの常連がすみませんね…」

「タオルお持ちします。」




チンピラ

「きったねぇな」

「チビ、ここの会計、全部出せ」

「俺ら全員の分。」





マスターのバーの常連は

ガラ悪いヤツしかいない。



だから、

こんなイチャモンも付けてくる。



こんなもん慣れっこだ。



舐めんじゃねー。






シン

「あ?」

「俺に言ってんのかデブ?」

「バカが、ぶっ殺すぞ?」




ガタガタ





俺様が、

ちょっと本気で脅せば、




ガタガタ





…ん?



チンピラの背後から…


ガタガタと音を立てて、

ビール瓶片手に

椅子から3人立ち上がった。



チンピラが、合計4人。






え、4人か。






うん、無理だ!






マスター

「あ、ちょっと。」

「悪いけど、お客さん」

「喧嘩するなら出てってくれる?」




シン

「そうだボケナス」

「酒とか割ったら弁償だぞ」

「結構高いウイスキーもあんだぞ」






チンピラ

「……」

「外でやるよ」

「表出ろよ、チビ」






シン

「………。」





お互い、

ポケットに手を突っ込んだまま、


ジッと、にらみ合う。






リュウト、俺がピンチだ。



起きろ。




俺は、

一瞬チンピラと距離を置き、

リュウトを起こす事にした。





チンピラ

「早く、表行くぞ」

「オラ、どうした?」






シン

「今、やってやる」

「ちっと待ってろ。」





バシッ



リュウトの背中を叩く。




リュウト

「ふが……」





シン

「リュウト。」

「助けてくれ。」

「4対1でリンチされそうだ。」





リュウト

「ふが…」




チンピラ

「早く来いよ」

「ふざけてねーで、」




バシッ






シン

「あと、アイツら…!」

「リュウトの顔、キモイって!」

「ロバ顔って言ってたぞ!」

「許せねぇよなぁ!?」

「だって、ロバだぜ!?」




殴り跡だらけのリュウトの拳が、

ピクリと動いて反応した。


ちゃんとボクシングしてきた拳だ。




チンピラ

「そんなこと言ってな、」




ガターン!






リュウト

「なにぃ!?」





勢いよく立ち上がって、



リュウト、電源起動!






リュウト

「俺様のどこがロバだ!」

「全員、ぶっ殺してやる!」

「表出ろ、デブ!」





よし。



よかった、

リュウトがバカで。








マスター

「おい、警察呼ぶか?」





シン

「大丈夫だよマスター」

「リュウトいれば負けねーもん」



マスター

「勝ち負けじゃないだろ…」








俺達は、27歳。




いい年こいて、

とよく言われるが、


まだまだ、喧嘩は買う。




理由は、勝負事だからだ。




勝負事の逃げ癖が付くと、

経営にも支障が出ると思ってる。



それに何より、

俺達は男だからだ。



男は度胸がなきゃダメだ。





そして、

俺達は外に出た。




店から少し入った路地。



少し歩くと、

路地が広くなる空間があった。



よし、開幕。






俺が、後ろから

思いっきり金的を蹴った。






ドカ





チンピラ

「うぎゃ!」





のたうち回るチンピラ。



ざまぁみやがれ。





ドカ






倒れてるところに、

もう一発金的キック。



これで数分は歩けない。




俺は、

誰と何処で、

どんな揉め方をしても、

金的しか狙わない。





チビが喧嘩で勝つ方法だ。





ん?







チンピラ

「オラァ!」




バチン!





突然、顔に激痛が走った。




シン

「……っ!」







いて!






クソ…


他の奴に、

一発もらっちまった。











一方、リュウトは

その間に2人処理していた。



1人は、腹を押さえて倒れていて、


1人は、顎から大量に血を流していた。





仕事を終えたリュウトが、

こっちへ走ってくる。






リュウト

「どっかーん!」





バッチン!






俺を殴った奴のことも、

ありえない速さで処理していた。





リュウト

「シン、大丈夫?」






パンチの音が違いすぎる。



…だから俺は、

リュウトとは喧嘩しない、と決めている。



よほどの事がない限り、な…。






シン

「ありがとよ!」







…リュウト1人でも十分だったな。






リュウト

「あんま面白くなかったな」




シン

「あぁ、刺激が足りねーな」






…鼻血は出たけど。







リュウト

「テキーラハンデあっても、」

「俺強すぎだなぁ!」




シン

「あぁ、間違いない。」

「マジで負けなしだもんな」




俺は、喋りながら、


倒れているチンピラ達の

ポケットを漁り、



タバコをパクった。






シン

「テッテレー」

「勝利の景品だ」




リュウト

「うぇ~い」

「マスターの店戻る?」




シン

「そうだな」

「まだテキーラ飲むか?」






リュウト

「おい、やめろ、思い出す、」

「うぷ」





路地裏でリバース。




シン

「ぎゃはは!」

「きったねぇ~」




俺達は、

肩を組みながら

マスターの店に戻った。




マスターは

俺達の怪我の確認だけすると、




鼻に詰めとけ、と

ポケットティッシュをくれた。





あきれていたが、

また酒を出してくれた。





そして、

いつもの説教タイム。





内容は、




「早く、大人になれ」


「いい加減ちゃんとしろ」



そればかりだった。












マスターは

俺達のことを、

自分の子供みたいに可愛がってくれていた。




これも、日常。



何歳になっても、

子供が生まれても、

ヤンチャはするつもりだ。




何度も言うが、

逃げ癖がつくくらいなら、

喧嘩は買ったほうがマシだ。



男が、男であるために。






その夜は、

リュウトと朝まで飲み明かして、

始発で解散した。






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