LOG.45|ネオンの神様|SAYAKA
後日、
俺はキャバクラに向かった。
黒服
「サヤカさんご指名ですよね?」
シン
「もちろん。」
「今日いるよな?」
黒服
「はい。」
「少々お待ちください。」
薄暗い部屋で、
光るネオンと響く洋楽。
俺の心に、
凄く似合う空間だった。
黒服
「サヤカさんです」
サヤカさんが横に座った。
相変わらずの美貌で、
会う度にドキッとする。
ますます…
モデルに欲しい…
サヤカ
「あら~?」
「どーした不良少年?」
「この前来たばっかなのに」
シン
「おう、まぁちょっとな」
「わりぃ、今日はワンタイで帰るわ」
「今度ガッツリ呑むから許してくれ」
サヤカ
「いいよいいよ全然!」
「いつもありがとね」
「で、なにかあった?」
シン
「いや、実はよ」
「頼みがあってきたんだ」
カランと氷が鳴る。
俺の酒を作ってくれるサヤカさん。
サヤカ
「え、てか顔腫れてない?」
「喧嘩したの?」
シン
「ん、あぁ…」
「いや、リュウトがさ、」
サヤカ
「あ!」
「まーたリュウトのせいにした!」
「ぜぇったいに、嘘!」
「アンタ、さいってぇ~!」
「最低なアンタに、乾杯~!」
酒が完成して、
チンっと乾杯する。
お互い、グイっと酒を飲んだ。
俺は、イッキした。
シン
「ぷは!」
「で、頼みがあるんだ。」
サヤカ
「何よ? デート?」
すぐに俺の2杯目を作るサヤカさん。
カランカランと氷が鳴く。
シン
「違う…。」
「今回は仕事の話だ。」
カランカラン
サヤカ
「え、珍し。」
「アンタが仕事の話なんて…」
「なによ仕事って?」
カランカラン
シン
「TikTok出てくれ」
「ウチのモデルとして。」
俺がタバコをくわえると
すぐにサヤカさんが火をつけた。
サヤカ
「あら?」
「今日は紙タバコなのね?」
シン
「ああ、たまにはな」
「アイコスは吸いごたえがねーんだよ」
プカーっと煙を吐く。
その間に、
酒が完成した。
サヤカ
「ほい、ハイボール」
カランカラン
シン
「おう」
「でよ、TikTokなんだけどよ、」
サヤカ
「ああ、はいはい」
「なにすればいいの?」
「アタシもやってるよ」
「見てこれ。」
サヤカがアカウントを見せてきた。
俺はビビった。
シン
「に、2万!?」
「フォロワー多いな!」
サヤカ
「なんか…踊ってたら」
「勝手に増えた…」
「ウケるよね。」
シン
「頼む!」
「ウチのTikTok出てくれ!」
「モエシャンと交換!」
サヤカ
「モエシャンかよ…」
「安くない?」
「シンのくせにショボイねぇ?」
シン
「くっ…!」
「やっぱ金取るか…?」
サヤカ
「あったり前じゃない」
「こちとら、メイ様よ。」
シン
「ん?」
「メイ…?」
よく見ると
アカウント名は、
MEIになっていた。
シン
「なんでメイなんだ?」
サヤカ
「好きなモデルの子の名前!」
「恋リア見て、好きになったの!」
「これファンアカウントだったの。」
「そしたらバズっちゃって…」
「私の名前みたいになっちゃった…」
「で、めんどくて変えてない。」
シン
「そんなことあんのか」
「何がバズるか分かんねーな」
「でもそれ、本人に怒られないのか?」
サヤカ
「いや、大丈夫よ」
「本家はアタシの倍くらい多いもん」
「フォロワーの数が違うよ…」
シン
「すげえな。」
「そんなに美人なのか?」
サヤカ
「そ~なの~!」
「ハーフで可愛くてさぁ~!」
サヤカが
スマホで検索して
画像を見せようとした。
サヤカ
「ほら、見て、」
それとほぼ同時に
黒服が入ってきた。
黒服
「お時間です」
「延長いかがでしょうか?」
シン
「あぁ!?」
「はえーな!」
サヤカ
「あらま、もう1時間?」
黒服
「はい」
シン
「じゃ、今日は帰るわ」
「またLINEすっから。」
「検討しといてくれよ!」
サヤカ
「はいはーい」
「気が向いたらねーん」
この時、俺は...
サヤカさんに頼むのは
悪手なんじゃないかと
少し思い始めていた。
何より……
値段が割に合わねぇ…。
モエシャン以上の、
シャンパンはちょっとな…。
つうか…
あんなにフォロワーがいたら
威張られてしょうがねぇし…
撮影でもトラブルがありそうだ…
うーん……
困った!
逆に、
さっきサヤカさんが言ってた、
本家メイとやらに、
お願いしてみるか…?
いや……ダメだ。
現役モデルなんて、
それこそ予算が恐ろしいぜ……。
ただ……
妙に引っかかるんだよなぁ。
メイ、とやら。
会ったことねぇけど…
懐かしい、というか…
うーん…
…後で恋リア見てみるか。




