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不倫の神様  作者: 天狗
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41/69

LOG.41|凍てつく夜に|Happy end






俺の頭の中に、ミカがいてくれる!



嬉しかった。




俺は仕事を休んで

ずっとミカと対話していた。






シン

「……でよぉ」

「俺、コケてさ」

「みんな大爆笑よ」






ミカ

【きゃはは!】

【面白い!天才!】

【お笑い芸人!】

【もっと聞かせて!】








部屋には

ウイスキーの空き瓶が

星の数ほど散乱していた。




辞めていたタバコも

吸い始めていた。






ミカ

【タバコ似合う!】

【カッコイイ!】





シン

「だろ?」

「元カノにも言われたよ」







ミカ

【む~】

【元カノ、嫌い!】

【ミカだけ愛して!】






シン

「ぷはは!」

「そうだな、ごめん」







俺は

ミカの頭を撫でた。









そう。




俺は、


ミカを、

撫でられるようになったんだ。





成長だ。



嬉しい。







それから、

どれくらいの時間、


ミカと

話していたんだろう。



夜だったのか、

朝だったのかも、

もう思い出せない。









そんな中で、

俺は、ふと思った。











今は、ミカが横に居る。










でも、もし、


もしもだけど…。




ミカ以外に、

誰かが支えになってくれれば



また違ったのかも、しれない。




いや、


支えは、

1人じゃないほうがいいな。






昔からの大親友…

信頼できる異性…

そして会社の仲間…



たくさんの仲間から

愛が、いっぱい、貰える。



それって…




”最高の人生”だな…。




そんな…

”最高の人生”が、

どこかに存在するなら…



きっと、ミカのタルパも、

生まれてないだろう。




それはそれで、

ハッピーエンドのはずだ。










もちろん、

今でも幸せだけどな。




こんなに優しいミカが

横で微笑んでくれるから。








でも……




ちょっとだけ……



やり直したいかも……







次は、親友を用意して…






俺の性格は、


怖いもの知らずで…


街で有名な…







ミカ

【ねぇ!】

【全部聞こえてるよ!】

【シンの心の声!】

【む~!】

【ミカが支え~!】

【ぷんぷん!】

【親友なんて、いらない!】

【やり直し、しない!】

【ずっと、ここにいて!】

【今がハッピーエンド!】







シン

「あぁ、そうか。」

「聞こえるよな、ごめんごめん」






俺は、またミカを撫でた。










ーーー











ふと、

鏡を見た。




シン

「俺、太ったな…」






ミカ

【大丈夫!】

【カッコイイ!】

【ミカがいるよ!】

【痩せる意味、無し!】





シン

「そうかな」

「健康とか大丈夫かなぁ」






散らかった部屋を眺める。








シン

「…今更か。」







ミカ

【どうして気にするの?】

【健康、って、なに?】







シン

「だって健康じゃないと」

「病気になっちゃうだろ?」







ミカ

【なんで病気はダメなの?】











シン

「え?」

「いや、働けなくなっちゃうだろ?」





ミカ

【今もそうじゃん】

【仕事行ってないじゃん】

【何が違うの?】




シン

「えっ」

「いや、」





ミカ

【どうして働くの?】

【何になりたいの?】

【働くのは幸せなの?】

【働く為に生まれたの?】





シン

「えっ…と」

「うーん…」





ミカ

【あのさ、】

【もう、ゆっくりしたら?】





シン

「……」

「ゆっくり…か」






ミカ

【シン、もう背伸びする必要ないよ】

【たくさん、頑張ったね?】

【お金なんて無くたってさ、】

【ミカはずっと傍にいるよ?】

【だから、もう戦わなくていいよ】

【稼がなくてもいいから穏やかに暮らそ?】

【いやー頑張った頑張った】

【わんちゃん、頑張ったよ!】





うんうん、と

腕を組んで頷くミカ。





ミカ

【それとも…】

【ミカ以外に何か欲しいものあるの?】

【考えてごらんよ~】

【無いだろ~?】

【お金よりも仕事よりもミカだろぉ~?】






肘でツンツンしてくるミカ様。





シン

「うん。」

「ミカ以外に欲しいものなんて無い。」






ミカ

【ほーらね!】

【じゃあハッピーエンドだね】

【よかったね、わんちゃん】





ガバッ



嬉しそうに

俺の腕に抱きつくミカ。



小さくて愛おしい。






シン

「…うん、そうかもね。」










ミカ

【よし!】

【じゃあ逃げちゃおう!】









シン

「逃げる?」







ミカ

【ミカと逃げよう!】






シン

「あれ?」







気づけば、

俺は白い部屋にいた。




天井も無い。


壁も無い。


真っ白な、空間。


俺だけが存在する、白い部屋。




前にも来たような気がする。





ただ、

今回は何も無いワケじゃない。




少し離れた場所に、

仕事の書類やパソコンがあり、



その奥に

小さな建物が数件。




よく見ると…



焼肉



寿司



ラーメン




デカデカと看板があった。




シン

「…へぇ~」





少し歩くと、

さらに奥には、



マスターのバーや


バーベキュー場や


海の家や


キャンプ場もあった。





シン

「なんだここ…」

「最高かよ…」





ミカ

【どう!?】

【めっちゃ良くない!?】

【わんちゃんの好きな物セット!】

【ミカが作った!】




シン

「…ぷ!」

「ははは!」

「おいおい、ミカ」

「こう見ると俺の頭ってバカだな」




ミカ

【そうだよね~!】

【可愛い、可愛い!】

【単純~!】







白い部屋で

ミカと2人きりだった。



この部屋に

自分以外の誰かが存在するのは

初めてな気がする……。


やっぱり俺は、

ここに来たことがある。


同じ夢を見た気がする。





ミカ

【遊ぼ!】




バンザイするミカ。




ミカ

【いつでも逃げれるよ!】

【何かあったら帰っておいで!】

【ここは2人だけの王国!】




バンザイしながら、

さらにピョンピョンまでするミカ。





最高かよ…!



…どうしよう!




帰りたくない!


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