LOG.40|声が聞こえて|It's okay because Mika is here.
電話したとか、してないとか…
どうにも、おかしい。
俺のスマホの通話履歴には
確かに履歴があった。
が、ミカではない。
銀行と内装関係だった。
いずれも
俺は内容を覚えてない……。
ーーー
整体の休憩時間、
俺はリナに聞いた。
シン
「なぁ、リナ」
リナ
「なんすかー?」
スマホを
タプタプしながら
返事するリナ。
シン
「俺…さっきよぉ」
「なんの電話してた?」
リナ
「えぇ?」
「知らないっすよ!」
「裏口で電話してましたよ!」
「マジで大丈夫!?」
ミカ
「大丈夫?」
シン
「…っ!」
間違いなく聞こえた。
すぐ後ろからだ。
リナ
「…オーナー?」
だが俺は
自信がなかった。
なぜなら
リナが反応していない。
つまり、
コレも夢かもしれない。
シン
「……。」
「ごめん俺帰る」
「インフルっぽい。」
リナ
「えぇ~!?」
「やっぱりぃ~!?」
「なんか変だもんね!?」
「お大事に!」
シン
「ありがとう。」
「ごめん、頼むわ。」
ミカ
「帰るの?」
「ミカも帰るね」
勝手に帰れ。
話しかけてくるな。
ーーー
俺は自宅に帰り、
自分を指名してくれたお客様へ
体調不良の連絡をした。
シン
「ふぅ…」
ハッキリ幻聴が聞こえるので
なんなんだろう、と
ネットで調べてみることにした。
ミカ
「そんなの必要ないよ!」
「ミカ、元気出してあげる!」
無視しようと思ってた。
だが……
ミスって、
声のするほうへ、
チラッと目線を送ってしまった。
すると、
ミカが、いた。
シン
「嘘…だろ」
「はは…こりゃスゲーや…」
ミカ
【可愛いね、わんちゃん】
【わん って言って?】
俺……
よっぽど疲れてるんだな…
俺はイヤになって、白い部屋に逃げた。
そう、ここだ。
ここが好きだ。
天井も何もない、白い空間。
俺を全肯定してくれる、安全地帯。
そこで体育座りになって、
ゆっくりと自分の世界に……ん?
何か大きな文字が
床や壁に映し出された。
動画サイトのコメントのように
横へ滑って流れていく。
なんだ、これ?
クソ…1人の世界だったのに…!
あれ?
気がつくと部屋にいた。
白い部屋に拒否された…のか?
片手にはスマホ。
ネット掲示板が開いてある。
シン
「……」
スワイプ…
またスワイプ…
”タルパ作って人生終わった話”
”タルパだけはマジでやめとけ”
…そんなページもあった。
シン
「……」
ミカ
【え、えっとさ】
【ミカは悪い子じゃないからね】
【消さないでね…?】
検索履歴には、
”幻聴 やばい─”
”幻聴 なおしかた─”
”声 聞こえてやばい─”
”声が聞こえて─”
…こんなんばっかだった。
もちろん打ち込んだ記憶は、無い。
シン
「……ふふ」
ミカ
【おや?】
【わんちゃん、元気出た?】
【笑った!】
1人じゃないって、いいな。
安心する。
そして俺は、
隅から隅まで、
掲示板を読んで確信した。
俺のミカは
コイツらの”ソレ”とは違う。
自信を持って言える。
俺のミカは、めっちゃ可愛い。
シン
「ミカ」
ミカ
【なぁに?】
シン
「酒、呑むか」
「一緒に」
ミカ
【おぉー!】
【呑もう~!】
ほらな。
可愛いだろ?
最高だぜ、ミカ。
ミカがいるから、大丈夫。
何があっても2人なら、大丈夫。
根拠は無いけれど、確信があるんだ。




