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不倫の神様  作者: 天狗
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37/70

LOG.37|金の釣り針|Try again






ホテルで、

ミカに完全に犬にされた。



しかも、

おあずけの状態で……。






ミカと気まずい車内を終えて、


ホテルから、

パーキングに到着した。






シン

「着いたよ…。」






ミカ

「ありがとう」

「ちなみに一応言っとく。」

「もう、会わないから。」







シン

「うん。」

「わかってるよ。」





俺は

下唇を噛み締めた。










ミカ

「…はぁ?」

「わかってる…?」

「へー。」

「いいんだ、会えなくて?」





俺はどうやら…


また、間違えたらしい。






シン

「あ、」




ミカ

「じゃあね、バァカ!」







バンッ!





壊れそうな勢いで、

車のドアを閉めるミカ。









ーーー









次の日の夜、

俺は抜け殻状態だった。



頭の中では

ミカが自分の鳴き声で

楽しんでる映像がループしていた。








シン

「クソ…!」








その脳内映像で

俺も自分で楽しんで…


いや、


楽しくは…

ないのかもしれない。







楽しい、


どころか、


慰め。だった。








俺はティッシュを数枚取ると、


急に情けない気持ちになり、

インスタを開いて誤魔化そうとした。






とりあえず仕事を、




ん?








すると、

ミカのストーリーが

親しい友達になっていた。




開くと、

カンパリソーダが映っていて、





Try again



と書いてあった。






写真の場所は、


よく見ると…

マスターの店だった。









俺は急いで着替えて



仕事を放置して、

マスターのバーへ向かった。








ーーー








だが……





到着した瞬間、

目を疑う光景が飛び込んできた。




ミカが

知らない男2人と呑んでいた。









なんか…



めちゃくちゃ嫌かも。











ミカは

俺に気がつくと、









ミカ

「あ!」

「シンさん!偶然!」

「どうしたの?」





わざとらしく、ミカ。









マスター

「あれ!?」

「おう!シンじゃねーか!」

「久しぶりだなぁ!」







シン

「あぁ……」

「久しぶりだな。」







マスター

「……?」

「どうした……?」








やられた。と思った。



ミカらしいと言えば、

ミカらしい罠だった。






こんな丸見えの

金ピカの釣り針に引っかかるとは。



…家にいればよかった。





やっぱり

感情で動くと、

ろくなことがない。





誰かを好きになることは、

成功からは最も遠い感情だ。




俺は、

そんな事を考えながら、


席にも座れず、

天井を見上げていると、







マスター

「…シン?」






マスターが

心配して俺へ近づく。








男A

「で?」

「メイちゃんさぁ、」

「今日こそ一緒に帰ろうぜ」






男B

「カラオケ行ってからさ」

「俺ん家で宅飲みしよ!」

「クライナー大量にあるからさ」






ミカ

「え~」

「ど~しよっかなぁ~」





…俺を見ながら言うな。





男A

「なんでだよ!」

「今日は吞みたい気分って、」

「さっき言ってたじゃんか!」







マスター

「あ、」

「おいおい…」

「お前ら、さっきも言ったけどな」

「事務所に知れたら、」




男A

「うっせーよオッサン!」

「そんなん大丈夫だよ!」

「俺達、ソウルメイトだからよ!」





男Aが

強引にミカを抱き寄せた。




ミカ

「やんっ、ちょ、やだ~」

「セクハラ~」





ミカと、

ほんの一瞬、目が合った。




いつも優しいマスターを、

オッサン呼ばわりすんなカス。




人の女にベタベタ触んなカス。






お前には、殴られる、意味がある。







俺は、

助走をつけて、

男Aをぶん殴った。






男Aは

派手に吹っ飛んだ。





ガチャーン!





そのまま

ウイスキーの棚に突っ込み、

色々と割れた。





ほぼ初めて、人を殴った。


やれば出来るもんだな。


時には暴力も必要なのかもしれない。



いや…言い過ぎか。







マスター

「……はぁ!?」

「おい!」

「お前おかしいぞシン!」






男B

「なんだお前コノヤロー!」









ミカは…驚いていない。






むしろ…


あぁ、やっぱりね。


といった、呆れた顔をしている。









そっか。



ミカ、そうなんだな。



ミカが見たかったのは、

こんな俺なんだね?











俺は、

殺意に満ちていた。



この感情が、

どこから来てるか分からない。





けど、


今の俺なら、

誰でも壊せる自信があった。






男Bのことも

殴ってやろうと思っていた。



俺は早歩きで、男Bに接近した。









しかし、







ミカが

俺の目の前に立った。







男Bと俺を挟むように

ミカが立っている。






シン

「ミカ、俺、」






男B

「テメーコノヤロー!」







うっせぇな雑魚。


ミカと喋れねぇだろうが。





ガバッ




突然、

俺の呼吸が全てマスターの香りになった。








マスター

「おい!」

「俺の店で暴れるな!」

「お前らも!」

「シンも!」

「これ以上やるな!」

「警察呼ぶぞ!」







男B

「なんなんだよマジで…!」

「クソ…!」





警察呼ばれちゃたまらん、と。


男Bは男Aに

肩を貸しながら

ヨタヨタと逃げるように

マスターの店を出た。







マスターが俺を開放する。




マスター

「……ったく」

「なんなんだ突然?」

「ミカ、あいつら、いいのか?」





ミカ

「……」






そして…






シン

「……」





ミカと、対峙。





マスター

「……はぁ。」

「何がなんだか…。」





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