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不倫の神様  作者: 天狗
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31/69

LOG.31|ホント、しぶとい|Castle!








海から帰り道の車内。


ミカは何故かご機嫌。






窓から見える景色を


あ!ホームセンター!

あ!スターバックス!


と、指さして

俺に報告してくる…。






なんの遊びなんだ……。








ミカが何を考えているのか、

全く理解出来なかった。




赤信号で車が止まった瞬間、

ミカが言った。






ミカ

「あ!お城!」

「見てシン!お城!」






その声は、あまりに自然だった。


ミカは

初見のリアクションをした。



ミカが

フロントガラスの向こうを指差し、

ぽつりと言った。







ミカ

「ミカ、疲れちゃった。」

「お城で休憩しない?」








そのお城は、

間違いなくそういう場所だった。


休憩4時間3800円。








シン

「いや…ダメだろ。」

「帰ろうよ…?」




はっきり言ったつもりが、

声が震えてしまった。


それもそう。





俺が、

女の子とお城へ入るのは…


そんなに経験が無かったから……。




ほんの少しだけ…

舞い上がりが出てしまった…






ミカ

「変な意味じゃないよ?」





そんな俺を、

横目で見ながらミカが言う。





ミカ

「ミカ、疲れたって言ったでしょ?」

「ただ休みたいだけ。休憩。」





少し間をあけて、

わざとらしく付け足す。






ミカ

「それともなに?」

「変なことするつもり?」






シン

「えっ」






ミカ

「良いこと思いついた、条件つけようか。」

「シンがミカに触ったら……」

「広告の動画撮らないから。」

「SNSも全部ブロックする。」

「だから休憩しよ?」

「4時間、我慢して?」







シン

「…うーん。」

「動画撮らないのは困るな……。」







ミカ

「ちーなーみーにー!」

「ミカからシンに触るのはアリね!」






シン

「待って、メイさん。」

「それはキツイ。」

「俺も一応男ですよ…。」






ミカ

「ダメ。ミカからは触る。」

「だからミカに触るのは我慢して?」

「ね?ね?」

「インスタ頑張りたいでしょ~?」





心底嬉しそうなミカ。






まぁ…


俺が、

欲望に負けることは、

まず、ありえないか…。






それに…


なんだか、

立ち向かうべきだと思った。



理由は、

上手く説明できないけど……。






ミカ

「ほら、曲がって〜」

「シン、早く。疲れたの。」

「曲がんなさいよ、ほらぁ。」

「返事は ”わん”でしょ~?」






俺はブレーキを踏み、

ウインカーを出しながら言った。







シン

「休憩するだけね。」





ミカ

「やった~!」

「休憩だけ、ね?」

「ふふ♡」





どう考えても

休憩だけで済む声ではなかった。







ーーー






ミカは部屋に入るなり、


黒ワンピを

ひょいっと落としてキャミ姿になった。




ミカ

「歩き疲れた~」

「シャワー浴びよ〜」







そして、

バスルームのドアは閉めない。

半分だけ開けておく。


振り返って、にこっと笑う。





ミカ

「見たら殺すからね!」

「絶対見るなよ〜?」









…それでも俺は覗かなかった。




自分の性欲よりも


マスターや、

関わってくれる人、

皆が頭の中で想像できたからだ。




だから、

こんな場所で

やらかすワケにはいかなかった。





…あと、


直感で、

ここは絶対覗いちゃマズい気がした。



俺の悪い予感は、当たるんだよ。








ーーー







数分後。


バスローブ姿で戻ったミカは、


タオルで髪の毛を拭きながら、

目を見開いて、

驚いた顔をしていた。











ミカ

「…ホント、」

「しぶとい男ねぇ…」

「ふふ……」














“信じられない”

と

“約束を守った嬉しさ”

が混ざっていた。





やるじゃねぇか、

と聞こえてくるくらい、

ミカは目をキラキラさせていた。



その顔は、

獲物を見つけたヒョウだった。







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